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映画「仕掛人・藤枝梅安(一)」を観る

2023年02月12日 | 映画

シネコンで「仕掛人・藤枝梅安」(2023年、監督:河毛俊作)を観た。原作はご存知池波正太郎だ。今年は池波正太郎生誕100年の記念すべき年だそうだ。私は池波正太郎の小説はほとんど読んだことがないが、氏の食通ぶりや映画好きなところがが好きなため「池波正太郎の銀座日記」、「散歩のとき何か食べたくなって」などのエッセーを数冊持っており愛読している。また、池波正太郎が通った店にはかなり行ったと言っても良いだろう。池波氏はそんなに高い店ばかり行っていた訳ではないので庶民でも行ってみたくなるのだ。

池波正太郎以外に時代劇小説の大家として藤沢周平や佐伯泰英もいるがやはり読む気がおこらない。ただ、山本周五郎だけはなぜか好きで読んでいる。池波、藤沢、佐伯氏らの本は何冊も出しているので一度読み出すとある程度まで読まないと気が済まなくなる気がして、そうすると他の本が読めなくなってしまう、ということを意識しているのだ。映画でも海外のドラマシリーズを見ないのは同じ理由だ。

しかし、池波ファンとしては彼の小説についてある程度のことは知っておきたい、と思いこの映画を観ることにした。主演は豊川悦司、それ以外の主な役者は天海祐希、片岡愛之助、柳葉敏郎、菅野美穂、高畑厚子などの豪華メンバーだ。

主人公の藤枝梅安というのは腕の良い鍼医師という良い顔と仕掛人というダークな顔を併せ持つ人物になっている。人間誰しも良いことをする一方、悪いこともするという矛盾した存在だ、というのが池上正太郎が作品の中で描き続けた姿だとのこと。なるほどその通りであろう。人はこの良い面をなるべく出るように努めるべきなのだろう。

また、映画の中で主人公の梅安が彦次郎(片岡愛之助)の家を訪ねて食事を所望するところがある。すると彦次郎はおいしそうな粥を振る舞い、梅安は「彦さんの作るメシは本当にうまいや」とか言う場面があった。原作にこの場面があるのか知らないが、食通の池波小説には随所に食事の場面があり池波の好みの食事が良く登場するそうである。この場面は観ていても実においしそうな粥だと思った。河毛監督がこの場面を食通の池上を意識して、省略せずにちゃんと映画の中に入れていたのは評価したい。

 



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