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新国立劇場オペラ「チェネレントラ」

2023年01月04日 | オペラ・バレエ

新国立劇場の無料配信サービスのオペラ「チェネレントラ」を見た(2021年10月公演、新作)。2月2日まで見られる。ロッシーニの作曲だ。新国立劇場も最近は無料配信をやっており有難い。劇場で見るチケット料金を見るとS席は27,500円である。これが自宅で字幕付きで見れるのだからうれしい。

NHKBSのプレミアムシアターでもその年に開催したバイロイト音楽祭やザルツブルグ音楽祭などのオペラやバレエを放映してくれるので毎回楽しみにしているがさぞかし高い放映権料か制作費を払っていることだろう。昨年開催されたサッカーのワールドカップが放映権料が高騰して地上波テレビ局では希望する試合を全部放映できなかったようだがゴルフの全米オープンなどのメジャー競技も最近ではテレビ局は放映しなくなった。クラシック音楽の放映権料が高騰してプレミアムシアターのような番組がなくらないことを祈るばかりだ。

(写真は昨年「ドン・ジョバンニ」で新国立に行ったときのもの)

さて、この「チェネレントラ」は初めて見るオペラだ。あらすじを事前に少し勉強してから鑑賞したが大体において楽しいオペラだったので、今後この演目が見れる機会があれば鑑賞したい。その他感じたことは以下の通り。

  1. アンジェリーナ役の脇園 彩は大変良かった。海外でも活躍しているようだが、クラシック業界では海外で活躍する若手歌手や演奏家が多いのは日本人として誇りだ。
  2. ロッシーニのオペラは「セビリアの理髪師」だけしか知らないが、「チェネレントラ」はこのセビリアのオペラの調子とうり二つのようなメロディーや台詞まわしが多かった。
  3. 3人姉妹の末っ子(アンジェリーナ)が思いやりのある娘であるというのはシェークスピアの「リア王」と同じだが、このパターンは確かバルザックの「ゴリオ爺さん」でもそうだったように思う。ストーリーを書きやすいのでしょう。
  4. ストーリーでは、なりすましが何重にもある点が難点である。王子が従者に、家庭教師が貧者に、従者が王子になりすましているが複雑過ぎないか。もっとも、この「成りすまし」も歌舞伎でも多く使われており、そのようなことはわかっていると言う前提で作品ができており、予習が大事でしょう。
  5. 演出が、映画の撮影現場をベースにしたものとなっているが懲りすぎていないか、撮影クルーが舞台をうろちょろしているの気になっただけで不要と感じた。
  6. 王子のルネ・バルベラは太めの体型で、役柄と合っていない。しかし、このようなことはオペラではしょっちゅうだが何とかならないものか。ヴィオレッタやミミが太った貫禄のある歌手では興ざめと考えるのは私だけではあるまい。
  7. 劇中の台詞で教訓じみたものが2つあり、1つはメモをとるのを忘れたが、最後の方でアンジェリーナの「私の復讐は彼ら(姉や義父たち)を許すことです」というのはなかなか良い台本だ。

 

  • 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
  • 【指 揮】城谷正博
  • 【演 出】粟國 淳
  • 【ドン・ラミーロ】ルネ・バルベラ
  • 【ダンディーニ】上江隼人
  • 【ドン・マニフィコ】アレッサンドロ・コルベッリ
  • 【アンジェリーナ】脇園 彩
  • 【アリドーロ】ガブリエーレ・サゴーナ
  • 【クロリンダ】高橋薫子
  • 【ティーズベ】齊藤純子

 



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