美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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観察眼

2020年02月20日 02時00分07秒 | 日記


デッサンを描くことで必要な観察眼とは


表面的な描写力だけではなく、

対象となるものごとの構造や

その周りからの影響を読み解き、

理解する力である。


このリサーチ力、思考力、伝達力は

絵を描くことにとどまらず、


様々な仕事にも必要とされる。


「デッサン」は、モチーフを単に写し取るだけの

表面的な描写の作業ではない。

「デザイン」という言葉の語源と同じラテン語の

designare(デシネーレ)。

計画を記号に示す、図案、設計図、意匠の本質を捉える意味がある。




線一本描くにしても集中力とイメージが大切。

クロッキー力は、書道や華道、茶道,料理、スポーツ、音楽など様々なことに繋がっていく。

上達させるには描く枚数も大切ですが、

やはり何を意識して描くかで

随分と成長の仕方に違いがでてくる。



『芸を志すものは、まず基礎を学ぶ』

2020年02月19日 23時08分39秒 | 日記

『芸を志すものは、まず基礎を学ぶ』

「型ができていない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。」
「型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?」    立川談志


“基礎”とは専門的な知識でもスキルのすり込みでもなく、使い慣れていない感覚を呼び覚ますことだと考えています。

アインシュタインが「直観は聖なる授かりものであり、理性は誠実なる従者である。私たちは従者を敬う社会をつくり、授かりものを忘れてしまった。
人の脳に備わる本当に大切な能力、知覚・直感・想像力・創造力を近代社会や教育で、ないがしろにしてきたことが現代に影響している。」といった言葉を残しています。


また、
「凡庸な人間は、注意散漫に眺め、聞くとはなしに聞き、感じることもなく触れ、味わうことなく食べ、体を意識せずに動き、香りに気づくことなく呼吸し、考えずに歩いている」
とレオナルド・ダ・ヴィンチは嘆き「あらゆる“楽しみ”で、感覚的知性を磨くことができる」と提唱していました。


社会に必要とされる美術教育

2020年02月19日 22時36分20秒 | 日記
社会に必要とされる美術教育


美術史は可視化された思考の歴史であり、ヒトの進化の歴史でもあります。

数万年前、最初の芸術家(原始人)がライオンの頭をもつ人型の像を象牙から彫り出し、日常の記録、思考、伝達手段として絵を描いて認知革命を起こしていたようにヒトの思考の進化を芸術が促進させていると考えています。


芸術と科学、社会背景など多角的に西洋美術史を見直し、古代から現代までを4つの構造に分けてみました。


【アートの起源:古代サバイバル(狩猟社会)から中世宗教(農耕社会)の時代】
ヒトが絵を描きはじめてから地中海をゆりかごに育ったアートを見直し、アートがなぜ生まれたのか、その社会的役割を読み解く。


【アートの発展:ルネサンスからバロック、神の時代から人の思考・権力の時代へ】
社会でのアートの役割とその目的の変化に伴って、求められる題材が変わり絵画技法も進歩した。時代のエポックとなる名画を鑑賞しながら社会とアートとの関係や芸術家の役割、社会とアートの発展を研究する。


【アートの革命:新古典主義・ロマン主義(工業社会)、産業と芸術の革命】      
革命の時代。アートも社会への影響力が問われ始め、創作研究と新しい価値観の発信手段になった。そんな時代にイノベーションを起こしてきた芸術家たちの創造性が、後世へどのように影響していったのかを検証する。


【アートの多様化:印象派と近代(情報社会)、加速する多様化】         
サイエンスの進歩と共にアートも多様化していき、創作の目的も手段も拡大していく。古代から続くアートを様々な視点で受け継ぎ、新しい価値観をもった芸術家たちが社会に影響を与えていった足跡を見直す。


19世紀に産業革命が起こった西洋社会で、文明の急激な発展に翻弄されて取り残された人々が閉塞感に苛まれたように現代でもAIの発展によって、人の仕事が奪われると懸念されています。
どの時代でも創造性を身につければ、芸術家のようにサイエンスの発展に刺激されることで新しい価値観を発見し、人の可能性が拡がっていくと考えられます。
これから先の未来もアートとサイエンスが人の成長を推進していくことでしょう。


だれでも絵を描ける

2020年02月09日 15時32分31秒 | 日記


人は絵を描く。

大人になって絵を描かなくなった人も
幼い頃は絵で表現していた。

大半の日本人が絵を描けないと思い込んでいる。
才能が埋もれている。
大人になると表現したいといった欲求よりも
「恥をかきたくない」「失敗するのが怖い」
といった意識が先に立って
せっかく芽生えた情動を抑えてしまう。
もったいない。

世界の中でも
日本人は絵が描ける環境にいることに
気がついていない。
日本人は日常的に
良質なクオリティ画像に囲まれて育っている。


やってみたいことや
楽しめることを見付けて過ごした
時間や物、場所や人たちは生涯の財産になる。
好きなことや一緒にいたい人と
できるだけ長い時間を過ごすことで
自分を活かせる思考力や感覚が磨かれていく。

他人の評価は気にしなくていい。
誰かと比べて
「こんなことしかできない。こんなものしかもっていない。」
と勝手に思い込んで、
自分の価値に気づいていない。
「好きなこと、楽しんでいたこと、続けてやってきたこと」
の価値は
自分が考えている以上に高い。

誰かの出した答えを目指す必要はない。
答えはいつも自分で創造していくもの。
戦争の悲しみ、憎しみ、悔しさ、苦しさ…が表現された『ゲルニカ』
ドイツ兵から「この絵を描いたのはお前か。」と聞かれた近代美術の巨匠ピカソは
「この絵を描いたのは、あなたたちだ。」と答えた。


何か才能や技術がないと創作、表現をすることが出来ないと
勘違いをしている方がたくさんいる。
絵にしても小説にしても遊びにしても大切なのは突き動かす衝動であり、
その衝動を誰かに伝えたいという欲求があること。

歴史に残る作家は特別な才能があったということより
思いを伝えるモチベーションが極めて高かったといえる。
画家になる前にゴッホは牧師だった。


ゴーギャンは25歳頃までは株の仲買人、


ルソーは税理士で、世に出ている作品は50歳過ぎに描いたもの。


大切なのは、才能やスキルよりも
好奇心や関心、欲求があるということ。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、凡庸な人間は
「注意散漫に眺め、聞くとはなしに聞き、感じることもなく触れ、
味わうことなく食べ、体を意識せずに動き、
香りに気づくことなく呼吸し、考えずに歩いている」
と嘆き、あらゆる楽しみは感覚的知性を磨くと提唱していた。

物足りなさや空しさは
創造性を磨く時間を増やすことで
解消されていく。
絵を描いたり観たり、ブログ、料理、園芸、筋トレしたり
音楽を聴いてぼ~とイメージするだけでも
創造性は磨かれる。
穴を掘るだけでも可視化される創作は更に
心が満たされていく。
そんな時間を無駄だと思い込まないこと。










よく観ないと世界は見えてこない

2020年02月08日 11時27分48秒 | 日記


月の引力の影響が海や人の血流までにおよぶことや
地球の自転で水の流れが変わったり、
宇宙に存在する(可視できないものも)すべてがねじれていたりと
素直に考えると存在するそれぞれが宇宙の構造を持っていると感じる。
夜空や青空だけではなく
人の意識や感情にも宇宙を感じて面白い。

科学者ガリレオ・ガリレイが低倍率の望遠鏡で
月のクレーター(凸凹)を発見できたのは
彼が水彩画を描くことで
陰影により奥行きや立体を表現していく観察眼を
身につけていたから。
芸術的な素養としての美意識を磨いている人は
サイエンスの領域でも高い知的パフォーマンスを上げている。


思い込みで、判断を誤る
よく観ないと
世界は見えてこない
多角的な視点が大切

普段、知っていると思い込んでいる物事を
絵に描くといろんなことに気づきだす。
絵は思い込みや見たつもり、知っているつもりでは描けない。
物事は「見る」のではなく「観る」ことが重要で
書物の様に「読みとく」「理解」する感覚が大切。
絵を描くと知らないことに気づき「観る」習慣が身につく。