ようちゃん@ちばらき

ちばらきは千葉県と茨城県の県境地域。利根川と地平線の向こうに見える筑波山が郷愁を誘う今日この頃。

うな丼 ウララ~

2006年06月07日 | いがっぺや~
フラッと立ち寄った江戸崎のとある食堂。
昼の遅い時間に訪れたせいか客は一人もいませんでした。
主がちょうど遅い昼食を終えたばかりのようで、どんぶりとお椀が
重ねられておりました。

店の中が散らかっているのがわかります。
「営業中」の札をもう一度確かめたくなりました。
そんな私の気持ちを察したのか、「どうぞ~」と主が椅子を勧めて来るので
「まぁいいかな。」と腰を下ろしました。
田舎の食堂なので地元の人しか来ないだろから無造作なんだよね。きっと。
そう自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせました。
店の奥から芳香剤となにか異様な臭いが混じって独特の臭気が鼻を刺します。

遊び忘れられた子供の玩具のように淋しげに置かれた白い物に気づきました。
それは、テーブルの角に置かれた年季の入ったテレビのリモコンでした。
汚れが剥がれているボタンから推測すると主は日テレ、TBS、テレ朝が
好きなようですね。

とにかく火を通した料理を注文しようと考えてうな丼を思いつきました。
うなぎなら蒸してから焼くので充分火が通っていますからね。
うな丼を調理する行程を思い描きながらそう思いました。

注文すると直ぐに主は冷蔵庫からなにやら紙に包まれている物をうやうやしく
出してきました。
どうやら鰻の蒲焼が入っているようです。
それをガスコンロで焼き始めました。
パチパチと皮が焼ける音と共に甘辛いたれの香りがしてきます。
焼き網は幾度も焼かれたであろう”すす”をつけられたまま、新たにこうして
うなぎを焼くことになってしまったようです。
小心者の私の心臓は今まさにドキドキしています。

私は他のことに注意を払うように努め、携帯電話の画面から目を離さないように
しておりました。
しばらくして「はい、どうぞ」と主の言葉と同時にうな丼が運ばれてきましたが、
お吸い物が足りません。「ちょっと待ってねー」と言う主を目で追いかけました。
そして・・・見てしまいました。ビニールから取り出したみそ汁の素を
ポットのお湯で溶かしているところを

こうなると、うな丼の値段が気になってきました。
メニューを見ずに決めた私も悪いが、ここまで徹底して手を抜かれていると
ショックも大きいですからね。
「おいくらですかー?」詰まる声を振り絞り、勇気をだして聞きました。
平然とした顔を演じるのが精一杯です。

900円です。主は当然のように答えます。
それが私の仕事だと主張するように。
(このうな丼が900円もするのか・・・今日はどんな日だか知っているのか
私は胸の奥でそうつぶやきました。
そうです、今日は私にとって特別な日だったのです。6月7日・・・
妻との9年目の結婚記念日なのです。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドキドキしました!! (@あさひかわ)
2006-06-08 09:08:24
毎朝の私の日課...

それはようちゃんブログを読む事!

素敵な空間のご飯屋さん、美味しそうな食事

私の知らない土地の風景♪

しかし...

今朝は読みながらドキドキものでしたよ~っ。

どんでん返しがあるはず!と期待少々。

驚きましたね~っ。

900円...それが主のつけた値段、価値観

なんでしょうけど、お客様をなめすぎてます。

来店してくれて感謝、食べてくれて感謝、

お金を頂戴して感謝はないの~?ですね。

記念日だったのに、本当に残念でしたねっ。

気を取り直して、また美味しいもの探し&紹介を

して下さいね(^o^)
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>@あさひかわ さん (ようちゃん)
2006-06-08 23:30:00
田舎のとある食堂なのでこんなものです。

子供がカウンターで宿題をしているお店も

あるくらいですから、驚きです。

それでもやっていけるのが田舎暮らしの

いいところかも。
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