ようちゃん@ちばらき

ちばらきは千葉県と茨城県の県境地域。利根川と地平線の向こうに見える筑波山が郷愁を誘う今日この頃。

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2006年04月14日 | つぶやき
国家の品格

新潮社

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先日お客様を訪問した際「是非、この本を読みなさい!」と薦められました。
今、ベストセラーになっているんですね。
昨年秋に発売されたにもかかわらず22刷です。

最近日本を含めた先進国で家庭崩壊や教育崩壊が起きています。
例えば読書離れ、理数離れによる学力低下などの問題です。
こういった荒廃の真因は何かということです。
著者は西欧的な論理、近代合理精神主義が破綻していると言うのです。
産業革命以来、現代文明の原動力となった論理・合理というものだけ
ではやっていけなくなってきているのが現在です。

言うまでもなく、論理は重要ですが、論理的に正しいからといって
それを徹底していくと、人間社会はほぼ必然的に破綻に至ります。
例えば現在、小学校で英語が教えられています。
「国際化に対応するために初等教育から英語を習う」という論理からです。
しかし、英語が話せればイコール国際人なのでしょうか?
英語は話すための手段でしかありません。国際的に通用する人間になるには
まず国語を徹底的に固めなければダメです。知識や情緒、大局観が必要になるのです。
手段より表現する内容を整える方がずっと重要です。

解決策として著者は日本人が古来から持つ「情緒」と伝統に由来する「形」を
見直していこうと言っております。
その原点、行動基準、判断基準となる精神の形として「武士道精神」の復活を
謳っています。
武士道は慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠など日本人の道徳の礎です。
なぜ人を殺してはいけないのか?なぜ弱い者をいじめてはいけないのか?
論理では説明できません。人を殺せば法の下に罰せられます。しかし同時に、
死刑という制度が認められています。
武士道では「卑怯なことはいけない」のです。

グローバル化という名の下のアメリカ化されている今の日本に必要なのは
武士道精神を復活させ日本という「国家の品格」を取り戻す事です。