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美の五色 bino_gosiki ~ 美しい空間,モノ,コトをリスペクト

展覧会,美術,お寺,行事,遺産,観光スポット 美しい理由を背景,歴史,人間模様からブログします

大阪・万博公園・国立民族学博物館 ~民族の多様性は素晴らしい

2018年09月04日 | 美術館・展覧会

大阪の万博公園に世界の民族の文化を紹介する巨大な博物館があります。「みんぱく」と呼ばれる国立民族学博物館です。関西の小学校の遠足の定番スポットですが、大人でも充分に楽しめる展示がなされています。

世界中の民族の文化を象徴する民芸品が展示されており、人間という生き物の多様性をじっくりと体験することができます。外国の文化について、旅行・出張・赴任などで訪れる前に予習、もしくは訪れた後にリバイバル、するのにもうってつけのミュージアムです。

正直、知名度は高くないです。しかし展示施設のリニューアルを終えたこともあり、充実したコンテンツの常設展示がさらに見やすくなったことはおすすめです。


みんぱくが紹介する世界の民族

「みんぱく」は1977(昭和52)年、世界の民族文化を展示する国立の博物館として、渋沢栄一の孫の渋沢敬三によるコレクションと大阪万博出展のために蒐集した資料をベースに開館しました。2017年3月には10年がかりの常設展示の全面改修を終え、映像や音声によるガイドも充実しました。現代のミュージアム鑑賞に即した、よりリアルな世界の民族の文化体験ができるようになりました。

館名に”民族”が含まれているため、特に首都圏の方には千葉県佐倉市にある「国立歴史民俗博物館」、通称「れきはく」と混同しやすくなっています。大阪の「みんぱく」は世界の民族文化をカバーし、千葉の「れきはく」は日本の歴史と”民俗”をカバーします。

一見のわかりにくさは否めません。お役所特有の関係者の平等を優先した硬直的なネーミングの代表例です。平等を重んじると個性がなくなります。日本人が陥りやすいマーケティング上の弱点です。


中央パティオ

建物に入るとまず、”未来の遺跡”を表現した中庭・中央パティオが目に入ります。中南米の遺跡を思わせるオブジェがこれから始まる展示へのワクワク感を高揚させてくれます。この中央パティオを取り囲む回廊には、無料で世界の民族文化の番組を鑑賞できる「ビデオテーク」のブースが用意されています。

【公式サイト】 ビデオテーク

ビデオテークのブースのデザインには、”昭和”を象徴する万博の頃の香りがのこされています。”サンダーバード”を思わせるデザインです。全面改修にあたってもあえてレトロ感を強調する演出なのでしょう。ブースには世界の民族文化をレポートした番組がとてもたくさん用意されています。”世界にはこんな民族がいる”、未知の文化に出会える必見スポットです。

ビデオテークのある中央パティオを取り囲む回廊は無料で利用することができます。回廊には展示資料を詳しく調べたり、展示資料を手で触って理解できるコーナーもあります。国家が提供する素晴らしい文化体験です。


【公式サイトの動画】 常設展示紹介

オセアニアから始まり、順に世界の民族の文化を学べるよう展示が構成されています。興味深い展示も数多くあります。

  • 太平洋の絶海の孤島に人間はどうやってたどり着いたのか?
  • 東南アジアではなぜ夜に楽しむ文化が発達したのか?
  • EU統合に際しヨーロッパはどのように自国のアイデンティティを表現したのか?


日本の民族文化もしっかりと学べます。アイヌや琉球の文化の展示には特に注力されています。

【公式サイトの画像】 東アジア展示・アイヌの文化


万博公園

みんぱくは近年、立て続けに災害に見舞われました。2016年3月には写真撮影の証明ライトの熱を原因とする展示民家のボヤ、2018年6月には地震で一部の展示物が損壊、がありました。地震の影響で部分展示が続いていましたが、2018年9月13日からはすべての展示が再開されます。

文化財を保存・展示する博物館としてはあってはならない事態です。世界中の博物館で同じ過ちを繰り返さぬよう願ってやみません。

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。



民俗学者による「WIRED.jp」異色の人気連載


国立民族学博物館
【公式サイト】http://www.minpaku.ac.jp/

原則休館日:水曜日、12/28-1/4
入館(拝観)受付時間:10:00~16:30



おすすめ交通機関:
大阪モノレール「万博記念公園」駅下車、自然文化園中央口を通って徒歩15分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:50分
JR大阪駅(梅田駅)→大阪メトロ御堂筋線・北大阪急行線→千里中央駅→大阪メトロ→万博記念公園駅

【公式サイト】 アクセス案内

※博物館へは、大阪モノレール・万博記念公園駅最寄りの中央口など、万博公園東口以外の入口からは自然文化園の有料エリアを通行する必要があります。自然文化園の入場券売り場で博物館のチケットを購入すれば、自然文化園の有料エリアを無料で通行できます。
※この施設には有料の駐車場があります。


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石川県九谷焼美術館 ~九谷焼の色使いに陶酔

2018年09月03日 | 美術館・展覧会

九谷焼(くたにやき)は有田焼(ありたやき)と並んで日本を代表する磁器の産地ブランドとして知られています。江戸時代に現在の石川県加賀市で始められた生産は、一旦途絶えるなどの紆余曲折もありました。幕末になると多くの名工が現れ、明治には欧米への輸出産業としても隆盛します。現代では美術品としての評価も高くなっています。

発祥の地・大聖寺(だいしょうじ)に石川県九谷焼美術館が2001年に開館しています。九谷焼の銘品が常設展示され、時代を追いながら様式の変化を鑑賞することができます。有田焼とは異なる個性を持つ九谷焼の美しさを体験してみてください。


正面

九谷焼は江戸時代の初め、加賀藩の支藩で現在の加賀市を領地とした大聖寺藩で磁器の原料となる良質の陶石が発見されたことに始まります。藩士を有田に派遣して焼成技術を習得させ、1665(明暦元)年頃から生産を始めたと考えられています。

最初の窯が現在の山中温泉付近の九谷村にあったことが名前の由来です。この最初期に生産された作品が古九谷(こくたに)として知られる銘品です。

約50年後、藩は突然窯を閉じます。原因は今もよくわかっておらず、大きなミステリーです。古九谷にはもう一つミステリーがあります。古九谷の中には有田で焼かれたものが含まれているというのです。

有田の窯跡や大聖寺藩の江戸屋敷など関連する箇所から発掘された古九谷と思われる磁器の科学的分析から、古九谷の産地は有田と九谷で混在しているとする説が現在では有力です。デザインや染付の傾向だけでは産地の認定が難しいのが現状なようです。

九谷焼は突然の中止から100年後、大聖寺藩の本家・加賀藩が京都の著名な陶工・青木木米(あおきもくべい)を金沢に招き、再興します。この再興をきっかけに発祥の地・大聖寺藩内でも再興の機運が高まり、「吉田屋」「飯田屋」「永楽」といった名窯が続々登場します。この再興されて以降の作品を「再興九谷」と呼びます。

青色(緑色)をふんだんに使った濃厚な趣で陶器と見違えられる青手(あおて)、緑・黄・紫・青・赤をすべて使う五彩手(ごさい)といった、古九谷時代からみられた技法も見事に再興されています。

幕末には赤に金彩を組み合わせた金襴手(きんらんて)を九谷庄三(くたにしょうぞう)が確立し、明治に輸出品として隆盛する礎を築きます。


館内のカフェ

館に入ると最初に、九谷焼の歴史の解説パネルがある回廊を通ります。ピンポイントに九谷焼の歴史と様式の変化を把握することができます。

【公式サイトの画像】 青手梅笹に樹木葉文平鉢

次に青手の展示室に入ります。青手は白い部分がほとんどなくシンプルなデザインがとても大胆で斬新です。京焼の尾形乾山の作品のように、今見ても”かっこいい”と感じます。

【公式サイトの画像】 色絵唐草梅花文輪花中皿

次は色絵(いろえ)とも呼ばれる五彩手の展示室です。青手よりは背景としての白い部分が少し多くなります。5つの色をとてもきめ細かく使用し、メインモチーフの花鳥や人物を引き立たせています。優雅さの中に可憐さも感じさせるデザインが目を引きます。

【公式サイトの画像】 赤絵許由耳洗之図鉦鉢

最後3つ目の部屋は赤絵(あかえ)と金襴手の展示室です。赤絵はほとんどの装飾を赤で表現した技法です。金襴手は赤絵がベースです。深みのある赤で描かれた下地に繊細に金彩が施されているデザインは、どこか西洋の貴族文化の香りを感じさせます。


よく見かける「どこから来ましたか?」

九谷焼は下地の空白よりも色使いそのもので勝負することに魅力があります。陶磁器に関心があまりない方でも、その美しさには目を見張ります。

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。



奥深い”うつわ”の魅力を今一度整理してみる


石川県九谷焼美術館
【公式サイト】http://www.kutani-mus.jp/ja/

原則休館日:月曜日
入館(拝観)受付時間:9:00~16:30



おすすめ交通機関:
JR北陸線「大聖寺」駅下車、徒歩8分
JR北陸線「加賀温泉」駅から車で10分
北陸道「加賀」ICから車で10分

※鉄道は本数が少ないため、事前にダイヤを確認の上、利用されることを強くおすすめします。
※この施設には無料の駐車場があります。
※現地付近のタクシー利用は事前予約を強くおすすめします。


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京都・岡崎で三館共同の「御大礼」展 ~時代の変遷がとてもよくわかる

2018年09月02日 | 美術館・展覧会

来年2019(平成31)年5月1日に決まっている新天皇即位と新元号使用が近づいており、京都では天皇の即位に関する儀礼にあらためて注目が集まっています。くしくも今年2018は明治150年にもあたります。

京都の文化施設の集積エリアにある3つの美術館と展示会場が合同で、江戸時代から昭和にかけて京都で行われていた新天皇の即位に伴う一連の祭祀・御大礼(ごたいれい)の様子を伝える展覧会が行われています。

ミニチュアによる行列の再現などを通じて、当時の様子を奥深く知ることができます。来年2019年に東京で行われる御大礼を見る前に、大いに勉強になります。


東山天皇即位の際の霊元上皇の行列

天皇・国王・皇帝といった国家元首が交代する際の儀式は古今東西、その権力者の威信をかけて行われます。日本の天皇は、少なくとも1,500年以上おおむね世襲が続いている世界史的に稀有な国家元首です。政治権力のない時代にあっても王朝文化を伝える大切な儀礼として、長い間に少しずつ変化しながら現在に継続されています。

御大礼は御大典(ごたいてん)とも呼ばれ、即位の礼と大嘗祭(だいじょうさい)の2つに大きく分かれます。即位の礼は新天皇の即位を内外に示す儀礼で、大嘗祭は天皇が毎年11月に収穫に感謝する新嘗祭(にいなめさい)として初めて行う祭祀です。

江戸時代の御大礼の様子はおおむね記録でたどれるようです。主に展示会場1の細見美術館に江戸時代の資料が展示されています。また儀式や行列の様子を再現したミニチュアと、主に明治以降の史料は、スペースが広い展示会場2の京都市美術館別館/みやこめっせで展示されています。



細見美術館に展示されている3つの屏風絵がまず目を引きます。安土桃山時代の後陽成天皇の聚楽第行幸の屏風は、戦国の世が終わってようやく平和が訪れ、天皇が武家に出向くという新しい時代に注目する市井の人々が明るく描かれています。後水尾天皇の二条城行幸では京都が経済と文化で繁栄していた時代でもあり、沿道を埋め尽くす見物人が様々な享楽にいそしむ様子に圧倒されます。数千人は描かれているでしょう。

東山天皇の即位式と霊元上皇譲位行列屛風は徳川政権の安定した世が確立したころでもあり、描写にも落ち着きが感じられます。儀礼の様子はかなり詳細に描かれており、一級の資料に値するのではと感じます。この屏風の霊元上皇譲位行列の再現ミニチュアを展示会場2で見ることができます。


大正天皇の即位の礼のミニチュア

展示会場2ではミニチュアに加え、牛車・五色の幡・儀礼装束などからリアルに御大典の様子を感じ取ることができます。装束のデザインは今見てもとても斬新です。王朝文化の蓄積は時代を経ても通用するようなデザインを生み出していることがわかります。

大正・昭和天皇の即位の礼の際に発行された記念の絵ハガキやポスターも実に興味深く見ることができます。当時の流行や世相がとてもよく伝わってきます。

ご紹介した作品の一部の画像は公式サイトに掲載されています。
【公式サイトの画像】 見どころ

大正・昭和天皇の即位の時代は、現在と異なり天皇は神格化されていました。そのため熱狂ぶりが現在とは比較にならないほど強かったと思われます。しかしそんな時代を経て、今の日本があります。御大礼の歴史は日本の国の歴史と比例していると感じました。


京都市美術館別館

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。



昔は普通だった上皇になるとどうなる?


明治150年・平成30年記念
京都の御大礼-即位礼・大嘗祭と宮廷文化のみやび-展
展覧会場1:細見美術館    2018年9月1日(土)~10月8日(月)10:00~17:30
展覧会場2:京都市美術館別館 2018年9月1日(土)~9月15日(土)9:00~16:30
      みやこめっせ   2018年9月19日(水)~9月27日(木)9:00~16:30
【細見美術館による展覧会サイト】
【主催者による展覧会サイト】

主催:「京都の御大礼-即位礼・大嘗祭と宮廷文化のみやび-」展実行委員会
共催:京都市、細見美術館、日本経済新聞社、京都新聞、京都宮廷文化研究所、賀茂別雷神社、賀茂御祖神社
原則休館日:月曜日(みやこめっせ会場は無休)

※一部の展示作品が入れ替えされます。
※展覧会場2は会場によって一部展示作品が異なります。
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。



※3会場とも相互に徒歩3分で移動できます。最寄り駅も同一です。

おすすめ交通機関:地下鉄東西線「東山」駅下車、2番出口から徒歩10分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:35分
JR京都駅→地下鉄烏丸線→烏丸御池駅→地下鉄東西線→東山駅

【細見美術館公式サイト】 アクセス案内

※京都駅から直行するバスもありますが、地下鉄とバスを乗り継ぐ方が、時間が早くて正確です。
※この施設には駐車場はありません。無料の有料の駐車場があります。
※渋滞と駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。


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京都国立近代美術館「東山魁夷展」 ~東山ワールドの奥の深さに納得

2018年09月01日 | 美術館・展覧会

昭和日本の国民的画家といえる東山魁夷(ひがしやまかい)の大規模回顧展が、京都国立近代美術館で始まっています。長野県信濃美術館や東京国立近代美術館を中心に、東山魁夷の代表作が全国から集まっています。代表作の中の代表作としても名高い「唐招提寺御影堂障壁画」も出展されます。

東山魁夷は青の色使いでよく知られますが、緑や白、赤など、色は違っても東山魁夷独特の生き生きとした大自然を描くタッチは共通です。幾多の画家が動物の毛皮を愛くるしく描いたような「モフモフ感」で、木々や大自然による生命力のある営みを絶妙に表現しています。

そんな東山魁夷ワールドを存分にまずは京都でお楽しみください。東京には京都展の後、巡回します。



東山魁夷は1908(明治41)年に横浜に生を受け、東京美術学校の特待生としてドイツ留学するなど、青年期から注目を集めていました。第二次大戦前後に相次いだ肉親の死への悲しみを乗り越えるかのように、自然の美しさを表現する手法に没頭し、彼独自のスタイルを確立していきます。

出世作は1947(昭和22)年の日展で特選になった「残照」です。幾層にも重なった山の尾根の奥だけが夕日に照らされていますが、朝陽のようにも見えます。夕日に象徴される負の感情を感じさせません。この絵を描いたことで、悲しみを乗り越えるきっかけをつかんだのでしょうか。そんな前向きな心の持ち方を感じさせる作品です。

北欧の極寒の世界を描いた「映象」「白夜行」は黒と白のコントラストだけで悠久の銀世界を描いています。本当に風の音だけが絵から聞こえてくるようです。北欧旅行で見た日本にはない風景により、大自然の持つ奥の深さとその表現にさらにのめりこんでいったのでしょう。

京都やドイツ・オーストリアの古都の町並を素朴なタッチで描いた作品も見応えがあります。東山魁夷は風景画のイメージが強いだけに、おもちゃのように愛くるしく描かれた町の風景を、とても興味深く鑑賞することができます。

唐招提寺・御影堂は現在長期に渡る修理中のため、障壁画を見ることができる貴重な機会になります。実物大の部屋空間を再現して襖絵が展示されており、バーチャルながらも部屋の中にいる目線で鑑賞できるようになっています。近年の障壁画の展覧会ではよく行われている演出です。

東山ブルーで描かれた山と海の部屋、東山魁夷が初めて挑戦したという水墨画で描いた中国の山河の部屋、2つの対比に何とも言えない味わいがあります。鑑真の故郷を表現するために国交正常化前の中国を見て回ったと言い、”無の境地”に達したような深い精神性を感じ取ることができます。

ご紹介した作品の一部の画像は公式サイトでご覧いただけます
【公式サイトの画像】 展覧会の構成




私は今まで東山魁夷作品と触れ合う機会があまりありませんでした。今回の展覧会で新しい発見もあり、とても有意義な時間を過ごせました。

驚いたのは東山魁夷の名前を冠した美術館が日本に4つもあることです。一番多いだろうと思って調べてみると、まだ上がいることにさらに驚きました。竹久夢二で6つもありました。両氏とも現代の日本では最も有名な画家であることだけは間違いありません。

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。



東山魁夷の教科書


京都国立近代美術館
「生誕110年 東山魁夷展」
【美術館による展覧会サイト】
【主催メディアによる展覧会サイト】

主催:京都国立近代美術館、日本経済新聞社、テレビ大阪
会期:2018年8月29日(水)~10月8日(月)
原則休館日:月曜日
入館(拝観)受付時間:9:30~16:30(金土曜~20:30)

※展示期間が限られている作品があります。
※9/17までの前期展示、9/19以降の後期展示で一部展示作品が入れ替えされます。
※この会場で展示されない作品があります。
※この展覧会は、2018年10月から東京・国立新美術館、に巡回します。



おすすめ交通機関:地下鉄東西線「東山」駅下車、1番出口から徒歩10分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:30分
JR京都駅→地下鉄烏丸線→烏丸御池駅→地下鉄東西線→東山駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。


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京都国立博物館「百万遍知恩寺」 ~京博らしい一級品が揃う展覧会

2018年08月16日 | 美術館・展覧会

百万遍(ひゃくまんべん)は、京都人はもとより京都大学関係者にとってはかけがえのない交差点名としてよく知られています。由来は近接する京都における浄土宗の有力寺院・知恩寺(ちおんじ)にあります。

知恩寺は幾度も焼失・移転を繰り返してきたにもかかわらず、文化財がきちんと伝えられていることでも知られています。京都国立博物館では2008年から知恩寺にのこされた「宝物録」をもとに文化財調査を行っており、その成果として数々の名宝をお披露目する展覧会を行っています。近年、快慶作と推定された阿弥陀如来も出展されます。



百万遍の「遍」は回数を意味します。鎌倉時代末期に知恩寺の僧・善阿空円が七昼夜に渡って百万回の念仏を唱えて疫病を鎮め、後醍醐天皇から寺号として「百万遍」を下賜されます。以降は知恩寺よりも百万遍の方が名称としてはよく知られるようになっていきます。

知恩寺は後醍醐天皇の頃は現在の同志社大学および相国寺付近にありましたが、相国寺を創建した足利義満により立ち退きを迫られ、御所の西の一条油小路に移転します。その後も焼失や移転を繰り返し、鴨川の東の現地に落ち着いたのは江戸時代初めの1662(寛文2)年になってからです。

ちなみに一条油小路には「元百万遍町」という住所表示が現在も続いています。京都では移転前の地にその寺社名が地名として残されることはよくあります。

浄土宗(鎮西派)の寺院としては、現在総本山の知恩院と本山争いをしていたこともある中心的な存在です。百万遍知恩寺と知恩院、寺名はとてもよく似ています。いずれも浄土宗の開祖・法然が開山、法然没後に教団を立て直した源智(げんち)を二世(第二代住職)としています。百万遍知恩寺の鎮西派における伝統の重みがよくわかります。



展覧会は平成知新館の2Fを使って行われています。

【公式サイトの画像】 浄土曼荼羅図

「浄土曼荼羅図」は奈良・當麻曼陀羅の鎌倉時代の模本と考えられています。発色が比較的よくのこされており、浄土曼荼羅にかける民衆の思いがひしひしと伝わってくるようです。

【公式サイトの画像】 阿弥陀如来立像

阿弥陀如来立像は、近年になって快慶もしくはその工房の作である可能性が高いと認定されたものです。確かに快慶らしい落ち着きが表現されており、静かに向き合うには絶妙のお顔をした仏様です。

【公式サイトの画像】 蝦蟇鉄拐図

蝦蟇鉄拐図(がまてっかいず)は、宋から元にかけて活躍した顔輝(がんき)の真筆です。室町時代の日本の絵師の多くが模写した絵師で、感情がストレートに伝わってくる写真のようなリアルな人物表現がとても斬新です。800年前の作品とは思えません。保存状態がとても良い一級の名品です。



百万遍知恩寺は、毎月15日のフリーマーケットと秋の古本市の会場として京都人にとても親しまれています。現代の人気と伝わる名品が両立する寺はなかなかありません。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



京都人が大好きな手づくり市(蚤の市、フリマ)の徹底ガイド


京都国立博物館
特集展示「百萬遍知恩寺の名宝」
【美術館による展覧会サイト】

主催:京都国立博物館
会期:2018年8月7日(火)~9月9日(日)
原則休館日:月曜日
入館(拝観)受付時間:9:30~16:30(金土曜~20:30)

※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

百万遍知恩寺
【公式サイト】http://chionji.jp/



おすすめ交通機関:
京都市バス「博物館三十三間堂前」下車、徒歩0分
京阪電車・七条駅下車、3,4番出口から徒歩7分
JR京都駅から徒歩20分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:10分
京都駅烏丸口D1/D2バスのりば→市バス86/88/100/106/110/206/208系統→博物館三十三間堂前

【公式サイト】 アクセス案内

※休日の午前中を中心に、京都駅ではバスが満員になって乗り過ごす場合があります。
※休日の夕方を中心に、渋滞と満員乗り過ごしで、バスは平常時の倍以上時間がかかる場合があります。

※この施設には有料の駐車場があります(公道に停車した入庫待ちは不可)。
※駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。


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京都国立近代美術館「バウハウスへの応答」~モダニズムの原点

2018年08月15日 | 美術館・展覧会

デザインの世界では世界的に知られるドイツの芸術学校BAUHAUS(バウハウス)は、来年2019年に創設100周年を迎えます。現在世界中でバウハウスの意義を再考するプロジェクト「bauhaus imaginista(創造のバウハウス)」が行われています。

日本では京都国立近代美術館で、日本とインドを例にバウハウスの教育理念がどのように受容されていったかを振り返る展覧会が行われています。バウハウスのデザインや造形に関する教育理念がいかに斬新であったかがよくわかる展覧会です。その教育理念は100年たった現在も脈々と受け継がれています。本当に驚きです。



バウハウスは、1919(大正8)年、工芸と美術の国立の学校としてドイツ中央部の都市・ヴァイマールで設立されました。ヴァイマールは、第一次大戦敗戦後に共和制を敷いたドイツの新憲法が制定され、バッハやゲーテといったドイツを代表する文化人が活躍した場所でもあります。第一次大戦終結からナチスの政権奪取までの間のドイツ国家を、通称としてヴァイマール共和国と呼ぶのはこの都市に由来します。

初代校長のWalter Gropius(ヴァルター・グロピウス)は、学校の創設に際し教育理念をうたったマニフェスト・バウハウス宣言を出します。デザインの世界ではとても有名な宣言です。

  • 建築・彫刻・絵画を志す者は手工業の原点に回帰すべき
  • 芸術は手工業が高められてこそ花開く
  • あらゆる造形活動の最終目標は建築である

グロピウスはものづくりの基本の上にデザインがあると説いています。20世紀に入ると大量の建造物や消費者向け製品が出回るようになり、モノとしての合理性や機能性とデザインによる芸術性のバランスをより高めるべきと考えたのでしょう。私はデザインの専門家ではありませんが、この考えは現代で見事に通用すると思えてなりません。


展覧会チラシ裏面
【画像出典】展覧会公式サイト

バウハウスの教育理念を日本でいち早く実践したのが1932(昭和7)年に建築家・川喜田煉七郎(かわきだれんしちろう)が東京に創設した新建築工芸学院です。川喜田自身はバウハウスで学んでいませんが、水谷武彦(みつたにたけひこ)らのバウハウス留学生を講師に招き、とても斬新な教育を行いました。

しかしドイツでも日本でも戦争の影が覆いかぶさります。ドイツのバウハウスは1933(昭和8)年にナチスにより廃校されます。日本の新建築工芸学院も1936(昭和11)年以降、活動中止に追い込まれていきます。

現代の日本でデザイン教育機関として最もよく知られる桑沢デザイン研究所は、新建築工芸学院の卒業生・桑沢洋子が1954(昭和29)年、バウハウスの教育理念をあらためて実践する場として設立した専門学校です。桑沢洋子は大学として東京造形大学も設立しています。新建築工芸学院が日本にまいたバウハウスの種の育成は、桑沢デザイン研究所が受け継いだとも解釈できます。

【bauhaus imaginista公式サイトの画像】 会場内の展示の様子

会場内の新建築工芸学院時代のデザインをしのばせる展示は、今見ても斬新さを感じさせます。モダニズムという表現がとてもフィットするような作品がほとんどです。戦争の影が忍び寄る時代に学生たちが情熱をもって学んでいた様子がとてもよくわかります。

ものづくりにと造形のバランスがとれているからこそ、落ち着きとかっこよさが両立したモノや建築が生み出される。あらためて感じさせられた展覧会です。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



カンディンスキーがコンポジションを語った古典的名著


京都国立近代美術館
「バウハウスへの応答」
【美術館による展覧会サイト】

主催:京都国立近代美術館、バウハウス協会ベルリン・デッサウ・ヴァイマール、ゲーテ・インスティトゥート、世界文化の家
会期:2018年8月4日(土)~ 10月8日(月)
原則休館日:月曜日
入館(拝観)受付時間:9:30~16:30(金土曜~20:30)

※展示期間が限られている作品があります。
※この展覧会は、今後国内の他会場への巡回はありません。



おすすめ交通機関:地下鉄東西線「東山」駅下車、1番出口から徒歩10分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:30分
JR京都駅→地下鉄烏丸線→烏丸御池駅→地下鉄東西線→東山駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。


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名古屋ボストン美術館・最終展「ハピネス」 ~20年間に感謝

2018年07月26日 | 美術館・展覧会

名古屋ボストン美術館が閉館となります。最終展となる「ハピネス」が始まりました。

アメリカ・ボストン美術館の所蔵作品を企画展示する施設として1999年に開館しましたが、残念ながら持続的な運営が難しくなったものです。

展覧会では、過去に名古屋ボストン美術館で行われた展覧会への出品作を中心に、ハピネスを感じさせる名作が展示されます。初出品作も多数あります。

見納めです。



展覧会は2フロア両方を使って行われており、5つの“章”を順に鑑賞していきます。西洋絵画・日本絵画・アメリカ現代アートと、ボストン美術館の所蔵作品がバランスよく集められています。

【公式サイトの画像】 ボストン美術館 「批評家たち」

第1章では「愛」がテーマです。家族をモチーフにした作品で知られるウィリアム・サージェント・ケンドルの「批評家たち」は、幼い娘が母の腕の中で石膏像を「これは何だろう?」としげしげ見つめています。19c末のアメリカ人画家によく見られる優しい写実的な表現が観る者をとらえます。

【公式サイトの画像】 ボストン美術館 「琴棋書画図」その1
【公式サイトの画像】 ボストン美術館 「琴棋書画図」その2

第2章では「自然と人間」をテーマに、ビゲローやフェノロサの日本美術コレクションが集められています。曾我蕭白(そがしょうはく)の「琴棋書画図(きんきしょがず)」はこの展覧会の一押しの作品です。六曲一双の屏風だったものをオリジナルの襖絵仕立てに修復して公開しています。蕭白らしい細密な描写が12面に及ぶ大画面いっぱいに表現されており、蕭白らしい存在感のある名作です。

【公式サイトの画像】 ボストン美術館 「3人の子ども」

「夢」をテーマにした第4章では、ジョン・F・フランシスの「3人の子ども」が目を引きます。子供の成長を記録する記念写真のように精密に描かれており、静物画家として名を馳せた画家の表現力の高さがオーラのように伝わってきます。



美術館のビルの1Fのイベントスペース・インターコモンでは展覧会期間中、歴代展覧会のポスター展が行われています。過去に訪れた展覧会を思い出してみてください。

名古屋ボストン美術館は、当初から所蔵作品を持たないクンストハレ形式の美術館であるため、所蔵作品の処遇の心配はありません。立派な展示施設の跡地利用は非常に気になりますが、まだ決まっていないようです。

美術館は、名古屋駅に次ぐ便利な鉄道拠点である金山駅から徒歩3分の抜群の立地にあります。現在の名古屋の再開発は名駅(名古屋駅)周辺に集中する傾向が強いですが、名古屋のみなさんには金山にも目を向けていただき、上手な利用法が決まることを願ってやみません。

20年間、ご苦労様でした。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



ボストン美術館の日本美術カタログの歴史的名冊


名古屋ボストン美術館
最終展「ハピネス~明日の幸せを求めて」
【美術館による展覧会サイト】http://www.nagoya-boston.or.jp/grand-final/happiness/

主催:名古屋ボストン美術館、ボストン美術館
会期:2018年7月24日(火)~10月8日(月)
原則休館日:月曜日
入館(拝観)受付時間:10:00~18:30(土日祝~16:30)
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。



おすすめ交通機関:
JR・名鉄・地下鉄「金山」駅下車、徒歩3分
JR名古屋駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:10分
名古屋駅→JR東海道線・中央線→金山駅
【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には有料の駐車場があります。


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大阪・堂島リバーフォーラム 千住博&チームラボ「水」 ~コラボには無限の可能性がある

2018年07月23日 | 美術館・展覧会

大阪の水辺にある多目的ホール・堂島リバーフォーラムで、千住博&チームラボによるコラボレーション展「水」が始まりました。

千住博(せんじゅひろし)は、伝統的な日本画表現に基づく作品では現在、世界で最も著名なアーティストの一人です。チームラボは、テクノロジーからアートまで様々な分野の専門家のコラボによるデジタルコンテンツの制作で、世界的にも知られるようになったクリエイティブ集団(制作会社)です。

中之島の対岸にあって水辺の豊かさを享受しながら文化活動を行ってきた堂島フォーラムが、水をモチーフに両者にコラボ制作を依頼した作品を展示しています。

現代のテクノロジーとアートの融和で、際限なく表現が発展し続けると確信できます。制作者は、水にそうした際限のない力があることを見抜いているようにも思えます。大阪という都市の魅力である水辺の持つ力に感謝できる素晴らしい展示です。


入口を飾る高野山金剛峯寺の添田隆昭氏による書

千住博は、大徳寺聚光院などの古刹の襖絵制作を多く行っていますが、2018年は高野山金剛峰寺の襖絵の大作を終えたばかりです。その襖絵の展覧会が金剛峯寺への奉納を前に、現在全国を巡回中です。この展覧会のシンボルとなる「水」の字の書は、金剛峯寺との縁によってできたものでしょう。こちらも素晴らしいコラボです。

【公式サイト】高野山金剛峯寺 襖絵完成記念 千住博展

チームラボも近年は、日本と世界の各地で制作物の展示を行っています。千住博とのコラボ展とほぼ並行して、同じ大阪のあべのハルカス美術館で、アート表現の創造を子供から大人まで学べる大人気シリーズ「学ぶ!未来の遊園地」が開催されています。作品もしかりですが、小学生や幼稚園児の動きそのもの、展示空間の中では“作品”に見えます。

【公式サイト】 あべのハルカス美術館 チームラボ 学ぶ!未来の遊園地


堂島フォーラムの正面入り口

堂島フォーラムの会場内は真っ暗な空間ですが、水の映像作品のダイナミックな動きが目に入るため、圧迫感はまったくありません。それよりも入った瞬間に水の動きに見とれてしまいます。黒く磨き上げられた床に波の動きが立体的に映り込み、バーチャル表現としてはシンプルながらも斬新です。この波の動きはチームラボの担当です。

【公式サイト】展示空間ギャラリーYouTube

波は本当の波ように切れ目なくつながって動いており、鑑賞者は波を追いかけて波の中を歩いているような感覚になります。すると真ん中と思しきところにライトブルーの空間が目に入ります。このライトブルー空間が千住博の担当です。

あらゆる生命の根源となる水が、何のけがれもないと感じさせるライトブルーの空間の中を、垂直に落ちていく様を薄い繊維のスクリーンに描いています。スクリーンはそよ風になびくようにゆったりと揺れており、波を追いかけた鑑賞者を自然と中に導きます。ライトブルーの空間にはどこかぬくもりがあります。心理学的にもブルーは人の心を落ち着かせる効果があると言います。

この真ん中で鑑賞者は、人間は水の恵みの中で生きていると感じます。水辺にいられる豊かさを感じます。

制作者がどのような思いで表現したのかはインタビューでもさせてもらえないと十分な理解は難しいと思いますが、鑑賞者の体験は私自身の体験を文字にしたものです。人の個性の数だけ、いろんな印象が持てることは間違いないでしょう。



近年の展覧会は、現代アートや海外美術館の所蔵作品を中心に、写真撮影OKが増えています。この展覧会でも、会場内で写真の撮影ができます。お気に入りショットをSNSにアップしましょう。営利目的のアップはNGです。
ハッシュタグ「#dojimariverforumwaterness」

またフラッシュ・三脚・セルフィーもNGです。シャッター音が出ないカメラを使いましょう。撮影に夢中になるとこうした事態に気づかなくなりがちになります。スマホならシャッター音が出ないカメラアプリがダウンロードできます。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



全国で大人気のデジタルアート集団を徹底解剖


堂島リバーフォーラム
開館10周年特別企画
千住博&チームラボ コラボレーション展「水」
【堂島リバーフォーラム公式サイト】http://10th.dojimariver.com/
【チームラボ公式サイト】https://www.teamlab.art/jp/e/waterness/

主催:堂島リバーフォーラム
会期:2018年7月14日(土)〜9月2日(日)
原則休館日:なし
開館(拝観)受付時間:11:00~18:30
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

おすすめ交通機関:
京阪中之島線「中之島駅」下車、6番出口から徒歩5分
阪神本線「福島駅」下車徒歩5分
JR東西線「新福島駅」下車、2号出口から徒歩7分
JR環状線「福島駅」下車徒歩8分
大阪メトロ四つ橋線「肥後橋」駅下車、北改札口4番出口から徒歩12分
JR大阪駅から徒歩15分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:15分
JR大阪駅(梅田駅)→阪神本線→福島駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。

【公式サイト】
堂島リバーフォーラム https://www.dojimariver.com/
千住博 http://www.hiroshisenju.com/
チームラボ https://www.team-lab.com/


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大阪・国立国際美術館「プーシキン美術館展」 ~ロシア人が愛した明るいフランスの風景

2018年07月22日 | 美術館・展覧会

大阪の国立国際美術館で「プーシキン美術館展」が始まりました。モスクワにあるプーシキン美術館は、日本ではサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館ほどの知名度はありませんが、フランス絵画のコレクションの質と量は世界的にもトップクラスを誇ります。

今回は風景画の中から選りすぐった65点が来日しています。19c末からロシア革命の前夜まで、実業家や貴族たちが収集した作品がコレクションの基礎になっています。同時代のアメリカ人と同じく、ロシア人もフランス絵画を買いまくっていました。絵画コレクターの新興勢力が情熱を傾けた作品たちはどれも輝いています。


印象派の画家たちが活躍したころのパリ

プーシキン美術館は、モスクワ大学の芸術学の教授だったツヴェターエフがモスクワに公共美術館設立を呼びかけた運動に皇帝が賛同し、1912年に開館しました。

その5年後、ロシア革命によりボルシェビキ政権が成立すると、美術館のコレクションが一気に拡大することになります。相次いで国外に亡命した資産家の邸宅にのこされていた個人の美術品コレクションが国有化され、美術館に収められたのです。

その後もエルミタージュ美術館などソビエト国内から相次いで所蔵品が移管され、世界でも有数のコレクションへと成長していきます。

まさに共産主義国家ならではの荒業ですが、結果的に一か所にコレクションが集まることでとても魅力的な常設展示ができるようになります。この点は日本も学ばなければなりません。

日本は寄付文化が育たなかったこともあり、個人コレクションを展示する美術館が膨大な数にのぼります。仮にそれらがプーシキンのように一か所に集まっていれば、とてつもなく魅力的なコレクション展示ができることは間違いありません。互いの所蔵作品を貸しあう企画展に頼らなくても、魅力あるコレクションで安定した常設展示ができるようになるのです。


美術館の入口もレモンイエローで統一

今回の出展作品は、19cのフランスの風景画が中心です。中産階級が豊かになって都市や郊外で生活を楽しむことに関心が高まり、古典や神話ではなく日常の都市や郊外の風景が初めて絵のモチーフになった時代です。チューブ入りの絵の具が登場したこともあり、印象派の画家たちを中心に明るい太陽のもとで絵を描くスタイルも確立します。印象派の明るいタッチは、チューブ入りの絵の具さまさまでもあります。

【公式サイト】 「見どころ」にご紹介した作品の画像が掲載されています。

展覧会のチラシやディスプレイには、明るさを強調するレモンイエローが統一して用いられています。モネの「草上の昼食」はまさに明るい作品の代表例です。森の中でピクニックを楽しむグループに、木漏れ日があたりいかにも楽しそうに見えます。太陽光線があたる木の葉は特に明るく強調されており、モネらしい光の反射を大きな粒のように描くタッチが見て取れます。

アルベール・マルケの「パリのサン=ミシェル橋」は、ポスト印象派とフォービスムの影響を受けた画家らしく、絵のパーツ一つ一つの個性を強調して表現しています。橋の上下を行きかう路面電車や船がとてもいきいきとしています。

クールベの「山の小屋」は彼の作品としては希少な山をモチーフにしたものです。人間臭いほどのリアルな表現が魅力的なクールベが、あたかも山小屋に生命感があるようにその存在感を巧みに表現しています。


掲載した会場内の写真は夜間開館中に撮影したものです

この展覧会は、毎週金・土曜の夜間開館中(17:00~21:00)は、一部作品を除き、会場内で写真の撮影ができます。お気に入り作品にハッシュタグ「#プーシキン美術館展」をつけてSNSにアップしましょう。営利目的のアップはNGです。

またフラッシュ・三脚・セルフィーもNGです。シャッター音が出ないカメラを使いましょう。撮影に夢中になるとこうした事態に気づかなくなりがちになります。スマホならシャッター音が出ないカメラアプリがダウンロードできます。


出口手前のルソーのジャガーの絵だけは金・土曜の夜間以外も撮影可能

フランスの都市と郊外の生活を楽しんだ19c後半の人たちの感性が届いてきそうな元気のある作品が揃っています。夜は特に、入館者数も少なくおすすめです。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



展覧会図録の代わりに、日本の美術館にある印象派作品リスト付


国立国際美術館 「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」
【国立国際美術館公式サイト】http://www.nmao.go.jp/exhibition/2018/post_188.html
【朝日新聞社公式サイト】http://pushkin2018.jp/

主催:国立国際美術館、朝日新聞社、関西テレビ放送、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
2018年7月21日(土)~10月14日(日)
原則休館日:月曜日
開館(拝観)受付時間:10:00~16:30(金・土曜日は~20:30)
※この展覧会は、2018年7月まで東京都美術館、から巡回してきたものです。
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

おすすめ交通機関:
京阪中之島線「渡辺橋駅」下車徒歩5分、大阪メトロ四つ橋線「肥後橋」駅下車徒歩10分、
JR環状線・阪神本線「福島駅」・JR東西線「新福島駅」下車徒歩10分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:20分
JR大阪駅→大阪メトロ四つ橋線→肥後橋駅
公式サイトのアクセス案内
※この施設に駐車場はありません。


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京都・龍谷ミュージアム「近世京都の寺社参詣」 ~ここはコレクション展も必見

2018年07月18日 | 美術館・展覧会

京都・西本願寺の前にある龍谷(りゅうこく)ミュージアムで、特集展示「近世京都の寺社参詣」が始まりました。京都の寺社への参拝者の様子を描いた屏風絵や、ガイドブックとしてベストセラーとなった名所図会(めいしょずえ)からは、江戸時代の観光都市・京都の姿がリアルに伝わってきます。

西本願寺と西本願寺が運営する龍谷大学が所蔵するアジアや日本の仏教美術コレクション展示もとても見応えがあります。仏教の歴史と美術の美しさがとてもよく学べます。見る価値の高いコレクション展です。



特集展示「近世京都の寺社参詣」は、龍谷大学の仏教美術コレクションを展示する「シリーズ展」の一環として行われるものです。シリーズ展は、特別展が行われない夏と春に開催されます。龍谷ミュージアムは常時公開されていないため、定評のある仏教美術コレクションを鑑賞できるのはシリーズ展の開催時に限られます。

地下の入館受付からまずは2Fの展示室を鑑賞します。ここは中国やインドなど、日本以外のアジアの仏教美術が展示されています。インドで起こった仏教がアジアに広がっていく様子を、優れた展示品を見ながら学ぶことができます。

【公式サイトの画像】 主な展示作品

仏像の草創期にパキスタンのガンダーラや北インドのマトゥラーで造られた仏様は、目の彫りが深く鼻が高いインドの人たちの姿で造られていることがやはり印象的です。首都ニューデリーとタージマハルのあるアグラの中間にあるマトゥラーは、古代インド美術の中心都市として知られています。

より北にあって中央アジアやペルシャの影響が強いガンダーラ仏に比べ、インドのほぼ中心にあるマトゥラー仏はインドの土着的な表現に趣があります。ガンダーラとマトゥラー、どちらの方が仏像制作が早かったかは明らかになっていませんが、世界で最も古い仏様の表現は、仏像の魅力を考える上でとても勉強になります。

NHKと共同で実物大に復元された、中国・トルファン郊外にあるベゼクリク石窟寺院の回廊も必見です。11c頃のシルクロードの仏教美術の美しさをバーチャル体験できます。

【公式サイトの画像】 ベゼクリク石窟大回廊復元展示

3Fは日本での仏教の広がりに関する展示室です。ここでは浄土真宗以外の宗派や寺院に関する資料・美術品も豊富に展示されています。

特集展示「近世京都の寺社参詣」では、江戸時代には京都への“旅心”を刺激するような情報がかなり豊富にあったことがわかります。

「洛中洛外図」「東山遊楽図」は屏風絵により、京都の町や祭りの華やかさを伝えています。上流階級が所蔵していたものと考えられますが、見せてもらった来客の何人かが実際に京都に出かけようとする姿が目に浮かんできます。

「都名所独案内図」「西国巡礼細見大全」は旅行ガイドブックです。墨摺版画で大量に制作されたものと考えられ、こちらは庶民でも手に取ることができたでしょう。

東福寺、清水寺、銀閣寺と言った大寺院の境内図も見応えがあります。方広寺大仏のように現存しない堂宇が描かれているのを見ると、江戸時代にタイムスリップしてみたくなります。



入館するとき、帰る時、B1Fの美しい中庭を見るととても心が和らぎます。とても綺麗で、快適に鑑賞できる美術館です。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



江戸時代の京都の旅行ガイド、現代と異なるイメージの名所も


龍谷ミュージアム
シリーズ展2 仏教の思想と文化 ―インドから日本へ―
特集展示「近世京都の寺社参拝」
http://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/ser.html

主催:龍谷大学龍谷ミュージアム、京都新聞
会期:2018年7月14日(土)~8月19日(日)
原則休館日:月曜日
開館(拝観)受付時間:10:00~16:30
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

龍谷ミュージアム
http://museum.ryukoku.ac.jp/

原則休館日:月曜日、特別展・シリーズ展の非開催期間
【公式サイト】 開館スケジュール

おすすめ交通機関:
JR京都駅から徒歩15分、市バス「西本願寺前」バス停下車徒歩2分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:15分
徒歩もしくは、京都駅→市バス9/28/75系統→西本願寺前バス停、
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。


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奈良博「糸のみほとけ」展 ~糸の表現力には息をのむ

2018年07月16日 | 美術館・展覧会

奈良国立博物館で、日本の仏教美術を代表する至宝である国宝・當麻曼荼羅(たいままんだら)を主役にした展覧会「糸のみほとけ」が始まりました。

信仰の対象となる仏様を表現するにあたって古代の日本では、絵画・彫刻ではなく、糸を用いた刺繍や織物による像造が盛んに用いられました。この展覧会は、糸で表現した仏教美術の魅力を余すことなく伝えています。

1,300年前の染色が現在も残っていることには、まさに驚きです。仏様をいかに綺麗に表現するか、古代の先人たちの熱い思いが伝わってきます。



日本や中国では古くから、刺繡(ししゅう)や綴織(つづれおり)で仏様を画像として表現することが行われており、本尊としてあがめられてきたものも少なくありません。奈良の當麻寺は綴織で表現した「當麻曼荼羅」を本尊とする代表例です。

「曼荼羅」というと、空海が中国から持ち帰り、密教の世界観を表現した「両界曼荼羅」が有名ですが、當麻曼荼羅は密教とは無関係です。正式には観経変相図(かんぎょうへんそうず)と呼ばれ、西方極楽浄土の様子を表現しています。日本の中世社会に絶大な影響を与えた浄土信仰のかなり初期の痕跡ともいえます。

當麻曼荼羅は約4m四方の大作です。構図や技法が極めて高度で作例が他に存在しないことから、奈良時代以前に中国で造られたものであると考えられています。鎌倉時代頃まで約400年間、現在のように當麻寺の本堂に掲げられていたことこら損傷が激しく、近年までは絵画か織物かも判別できないほどでした。

この展覧会で展示されている當麻曼荼羅の国宝の原本も、ほぼ全面に渡って茶色に変色しており、おおまかな画像がやっと確認できる程度になっています。正倉院の宝物のように、光と湿度から守られて保管されてきたものとは異なります。しかし1,300年前の織物が現存していることだけでも、この仏様が発する強いオーラを感じることができます。


今までの奈良博の特別展とは逆に、西館から展示が始まる

展覧会では、完成当初の當麻曼荼羅の姿をしのぶことができる類似品や複製品が展示されています。

【公式サイトの画像】 主な出陳品

京都・真正極楽寺(真如堂)の刺繍當麻曼荼羅は、真如堂を菩提寺としていた豪商・三井家が江戸時代に寄進したもので、奈良時代の當麻曼荼羅の姿に近いと考えられています。

刺繍であるがゆえに、平面の中に浮き出た立体感が印象的です。ムスリムや欧州のタペストリーのような太い糸による立体感と構図のシンプルさはないものの、線と面の表現や構図はきわめて日本的で繊細です。金糸を主に使っており、光り輝く西方極楽浄土のイメージを見事に表しています。


(株)川島織物セルコンによる部分復元
【画像出典】(株)川島織物セルコン ニュースリリース

日本を代表する織物メーカー・(株)川島織物セルコンによる国宝・綴織當麻曼荼羅の部分復元も注目です。可能な限り忠実に古代の技法で制作されましたが、1日に織ることができた大きさは3.5cm四方に過ぎなかったことは驚愕です。糸でなければ伝えられない“ぬくもり”をとても強く感じます。

【公式サイトの画像】 奈良国立博物館蔵 国宝「刺繍釈迦如来説法図」

国宝・刺繡釈迦如来説法図(ししゅうしゃかにょらいせっぽうず)は国宝・綴織當麻曼荼羅とほぼ同時代の制作ですが、こちらは保存状態がよく発色が美しくのこされています。センターの釈迦が纏う赤い袈裟が、構図としてとても効いています。

【公式サイトの画像】 大英博物館蔵「刺繡霊鷲山釈迦如来説法図」

刺繡霊鷲山釈迦如来説法図(ししゅうりょうじゅせんしゃかにょらいせっぽうず)は、中国・敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)で発見された繡仏(しゅうぶつ)です。中国大陸的なおおらかな仏様のお顔の表現が美しい逸品です。


奈良博の案内もようやくInternationalに近づきました

「糸による仏教美術表現」が、古代から継続して日本で行われてきたことがきちんと学べる展覧会です。仏教美術の美しさは彫刻や絵画だけではありません。


奈良の鹿と外国人観光客が木陰で仲良く休む

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



写仏にも使える図版と解説で曼荼羅を徹底理解


奈良国立博物館
修理完成記念特別展 糸のみほとけ ―国宝・綴織當麻曼荼羅と繡仏―
https://www.narahaku.go.jp/exhibition/2018toku/ito/ito_index.html

主催:奈良国立博物館、読売テレビ、日本経済新聞社
会期:2018年7月14日(土)~8月26日(日)
原則休館日:月曜日
開館(拝観)受付時間:9:30~17:30、毎週金・土曜と8/5-15は18:30まで

※8/5までの前期展示、8/7以降の後期展示で一部展示作品が入れ替えされます。
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

おすすめ交通機関:
近鉄奈良線「近鉄奈良」駅下車、東改札口C出口から徒歩15分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:1時間15分
JR大阪駅→JR環状線→鶴橋駅→近鉄奈良線→近鉄奈良駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。


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京都・承天閣美術館「浮世絵最強列伝」 ~本当に“最強”のラインナップ

2018年07月10日 | 美術館・展覧会

京都・相国寺の承天閣美術館で「浮世絵最強列伝」が始まりました。アメリカ人のリー・ダークス氏のコレクションをお披露目する展示会で、その保存状態の良さと幕末までの浮世絵の通史を俯瞰できる出展作品が注目されます。

相国寺の承天閣美術館では、過去にあまり聞いたことがない“浮世絵”の展覧会ですが、素晴らしい展示空間に仕上がっています。“最強”は事実です。


承天閣美術館入口の夏の緑は圧巻

リー・ダークス氏は、戦後に米空軍士官として来日し、退役後は新聞記者や新聞社の経営幹部として活躍しました。在住しているサンタフェはニューメキシコ州の州都で、観光と芸術の街として全米で有名です。

浮世絵との出会いは横田基地勤務時代だったと氏は語ります。アメリカではニューヨークに次ぐ芸術の先端都市と言われるサンタフェの街の佇まいも、氏のコレクションをより充実させたことでしょう。氏の浮世絵を愛する心は、なにより作品の保存状態の良さに表れています。発色や紙の表面がとても綺麗です。展覧会で実物を見ると本当によくわかります。



江戸時代初期の浮世絵の黎明期から幕末まで、展覧会には約160点が出展されますが、前後期で完全に入れ替えされます。特に見たい作品がある場合、前後期どちらの出展かを確認の上、訪問されることをおすすめします。

【公式サイト】 作品リストPDF

展示は時代順に進んでいきます。浮世絵通史を俯瞰するには欠かせない、浮世絵の祖と言われ菱川師宣がきちんとコレクションされています。「衝立のかげ」は墨一色の版画・墨摺絵に筆で彩色した作品で、一見そうは見えないですが春画です。いかがわしさは一切なく、男女の着物に着色された色が主役の二人を引き立たせています。

寛政年間は喜多川歌麿や東洲斎写楽たちが活躍した美人画・役者絵の黄金時代です。黄金時代の名にふさわしい優品がコレクションには含まれています。

喜多川歌麿の「歌撰恋之部 物思恋」は、展覧会チラシの表紙に採用されています。現代のグラビア写真のように女性の一瞬の表情をとらえた傑作です。タイトルからして、恋の物思いにふけっている市井の女性を描いたものでしょう。紅を付けたおちょぼ口と頬についた手の指の表情が絶妙な空気感を表現しています。

勝川春英の「三代目沢村宗十郎の大岸蔵人」は、いかにも血統のよい歌舞伎役者のプリンスであることを、黒以外の色をほとんど使わずに洒脱に表現しています。鼻を極端に細い線で描いていることも、この役者を神格化しています。

歌川国政「岩井粂三郎の桜丸女房八重」は歌舞伎役者が演じた女形のブロマイドです。よく見ると鼻や眼の大きさから男性とわかるのですが、それがかえってこの人物の色気を増しています。まさに芝居を見に行きたくなります。

ご紹介した作品はすべて前期展示の作品です。一部作品の画像は公式サイトに掲載されています。

【公式サイトの画像】 展覧会のみどころ

後期展示ではリー・ダークス氏自身がコレクションの最重要品と評した葛飾北斎「風流なくてなゝくせ遠眼鏡」が登場します。北斎では希少な大判の美人大首絵です。鈴木春信、勝川春章、歌川豊国・国貞・国芳・広重といった浮世絵の魅力を知るにはなくてはならない画家の作品も、前期に引き続き登場します。

緑に包まれた相国寺の境内を歩き、見事な浮世絵で夏を涼むのも乙です。


相国寺境内図が新調されていました

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



太田記念美術館が監修した入門書、英語表現との対比が面白い


相国寺承天閣美術館「サンタフェ リー・ダークスコレクション 浮世絵最強列伝 -江戸の名品勢ぞろい」
【承天閣美術館】http://www.shokoku-ji.jp/j_now.html
【日本経済新聞社】http://www.nikkei-events.jp/art/ukiyoe/

主催:相国寺承天閣美術館、日本経済新聞社、京都新聞
会期:2018年7月3日(火)~9月30日(日)
会期中休館日:8/6,7
開館(拝観)受付時間:10:00~16:30

※8/5までの前期展示、8/8以降の後期展示で全ての展示作品が入れ替えされます。
※この展覧会は、2018年5月まで山口県立萩美術館・浦上記念館、から巡回してきたものです。
※この展覧会は、2018年10月から横浜高島屋、2019年1月から日本橋高島屋、2019年2月から大阪高島屋、に巡回します。

おすすめ交通機関:
地下鉄烏丸線「今出川」駅下車、3番出口から徒歩10分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:25分
京都駅→地下鉄烏丸線→今出川駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。


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美術館えきKYOTO「新版画展」 ~ぬくもりのある新版画が勢揃い

2018年07月09日 | 美術館・展覧会

京都駅にある美術館「えき」KYOTOで「新版画展」が始まりました。新版画は大正から昭和初期にかけて隆盛した木版画で、当時モノクロしかなかった写真に代わってフルカラーでリアルに人物や風景を表現したことで人気を博しました。

この展覧会では、川瀬巴水(かわせはすい)と吉田博(よしだひろし)、郷愁のある日本の風景を描いた新版画の二人のスターの作品をたっぷりと鑑賞できます。写真では味わえない木版画のぬくもりの世界にぜひ足を踏み入れてみてください。


展覧会チラシ表面
【画像出典】 美術館「えき」KYOTO公式サイト

川瀬巴水と吉田博は、どちらかといえば日本よりも欧米で人気があります。アップルの創業者であるスティーブ・ジョブスは川瀬巴水、イギリス王室のダイアナ妃は吉田博のコレクターであったことはよく知られています。

新版画の風景画は、なぜ欧米の人たちに人気があるのでしょうか。新版画は、遠近法や光と影の表現を取り入れて写実的に表現している点が、江戸時代の浮世絵とは異なります。一方で画家・彫師・摺師が三者一体となって制作するスタイルは江戸時代と同じです。

江戸時代の浮世絵よりリアルで、かつ三者のセンスが融合して木版画特有の温かみのある表現に仕上がっていることが、人気の秘密だと思います。ほのぼのとした日本の原風景の版画を見ていると、本当に心が軽くなります。

出展作品は、日本の浮世絵コレクションとしてはトップクラスの質と量を誇る平木浮世絵財団と、大正・昭和初期の新版画の版元だった銀座の美術商・渡邊木版美術画舗の協力で多くが構成されています。

川瀬巴水は東京を中心に全国の自然や都市の風景をモチーフにし、光と影の使い方がとても上手な画家です。人物は、風景の中に顔が判別できないほど小さく表現することが多く、それが逆に自然や都市の風景に生き生きとしたぬくもりを付け加えています。

「元箱根見る南山荘風景(5) つつじ庭に遊ぶ二美人」は、巴水得意の富士山を借景に、つつじが満開であることを、赤を大胆に使って表現しています。これほど赤を多用した巴水作品は他になかなかありません。

山と海の新版画で名高い吉田博による山肌や水の表現は、まるで動き出すかのように生き生きとしています。大自然がもたらす豊かな恵みと美しさがひしひしと伝わってきます。生命感を風景版画に与え、写真ではできない表現をしたのが吉田博です。

「瀬戸内海集 第二 潮待ち」は、静かに潮の流れが変わるのを待っている帆船を描いています。そよ風でわずかに揺れる水面のさざ波と緑が豊かな山肌からは、瀬戸内の温かさが伝わってきます。水面に映る帆船や山の姿は、大自然の恵みがあってこそ人間が豊かな暮らしができることを象徴しているようです。

二人以外にも、関東大震災から復興していく昭和初期の東京の街並みを描いた小泉癸巳男や笠松紫浪の作品も、とても当時のエネルギーを感じる名作です。

新版画の魅力が凝縮されています。行きやすも抜群ですので、ぜひ。


展覧会チラシ裏面
【画像出典】 美術館「えき」KYOTO公式サイト

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



新版画で定評のある千葉市美術館学芸員が選りすぐった名品集


美術館「えき」KYOTO 「新版画展 美しき日本の風景」
http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1808.html

主催:美術館「えき」KYOTO、京都新聞、公益財団法人平木浮世絵財団
会期:2018年7月5日(木)~8月1日(水)
原則休館日:会期中なし
開館(拝観)受付時間:10:00~19:30
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

おすすめ交通機関:
JR京都駅下車、ジェイアール京都伊勢丹7Fへ
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:5分
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設には有料の駐車場があります。


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宝塚・手塚治虫記念館 ~知らない人でも楽しめるアニメの聖地

2018年07月08日 | 美術館・展覧会

手塚治虫(てずかおさむ)は、鉄腕アトム・ジャングル大帝・ブラックジャックなどの著名作品で知られる、戦後の日本のマンガ界の第一人者です。「マンガの神様」と呼ばれました。

手塚治虫が少年時代を過ごした宝塚に1994年、彼の生涯と全作品が楽しめるミュージアムが造られました。多くのマンガの単行本やアニメのテレビ作品などが視聴できるようになっていることから、常に賑わっています。

宝塚歌劇の聖地・宝塚大劇場のすぐ近くにミュージアムはあります。手塚ワールドの創造の原点となったアニメの聖地をぜひお訪ねください。


入口の前でキャラクターの手形・足形をチェック

幼少期の手塚治虫が育った戦前の宝塚は、阪急の総帥・小林一三がつくった少女歌劇や温泉などの娯楽施設で大変な賑わいを見せていました。一方新興住宅地でもあった家の周りは自然にあふれ、友人の影響もあって昆虫や科学にも大いに興味を持つようになります。近代的な都市景観街と大自然が同居する宝塚の街並みの中で手塚少年は、後にマンガのキャラクターを生み出すような創造心を大いに育んだのでしょう。

子供の頃から漫画ばかり描いていてかなり評判になっていたようですが、戦争の影響もあって医師を志します。戦後、医学の勉強と二足のわらじでマンガの創作を続け、新聞の4コマ漫画や同人誌で一躍有名になります。驚くことに国家試験に合格して医師免許も取得しています。

やがて漫画家一本で生きていく決意をした手塚治虫は、1952(昭和27)年に拠点を東京に移し、まもなく豊島区のトキワ荘に住むようになります。トキワ荘には藤子不二雄ら新進気鋭の漫画家が続々入居してきたことから、マンガ家の聖地と呼ばれるようになります。

手塚治虫記念館が、トキワ荘のあった東京でなく故郷の宝塚に造られたことは感慨深いものがあります。館を作るにあたって、アニメ制作会社で手塚治虫作品の著作権を管理する手塚プロダクションが、手塚ワールドの原点となった宝塚の地がよりふさわしいと考えたのかもしれません。

【公式サイトの画像】 館内の様子

館の中に展示された数々のアニメのキャラクターを目にすると「見たことあるが、これも手塚作品か」という驚きの連続です。膨大な数のキャラクターを生み出していますが、手塚作品には普遍的な価値観が確立しているように感じてなりません。

まず彼のキャラクター表現は、現代の価値観で見て斬新とは言えませんが、まったく古臭くありません。すなわち作られた時代を感じさせません。また大人でも子供でも誰が見ても、自分に合わないとは感じず素直に関心が持てます。これはミッキーマウスやムーミンと同じです。

時代が過ぎても魅力が劣化しない表現であるという意味では絵画などの美術品と同じで、作った時と見た時の時代の価値観の違いを超越した魅力が備わっていることになります。手塚ワールドには、まさにそんな普遍的な魅力があります。

性別・年齢・国籍・宗教の違いに関わらず誰でも楽しめます。100年、200年後に手塚作品がどんな評価を受けているのか、もちろん私は知ることはできませんが、とても楽しみです。

2Fにあるアニメ本を閲覧できる「単行本展示棚」と、アニメ映像作品を視聴できる「情報・アニメ検索機」は館内でも一番人気のようです。外国語版もあります。

隣接するミュージアムショップも見逃せません。マグネットのように小さいモノから巨大なぬいぐるみまでとても品ぞろえが豊富です。お気に入りのキャラクターのグッズをじっくり選んでください。選ぶ時間がとても楽しいと感じられます。

館内をネット上で自由に動き回って鑑賞できるGoogleストリートビューも用意されています。こちらもぜひ。

【Googleストリートビュー】 手塚治虫記念館


入口のブラックジャックとリボンの騎士のモニュメント

世界的に最も人気がある現代の日本文化はアニメです。2020年の東京オリンピックでも、世界的に著名なスターとして様々なアニメのキャラクターが登場してくることでしょう。そんな日本のアニメ文化の原点が、宝塚で体験できます。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



マンガの神様が人生を振り返った不朽のベストセラー


宝塚市立手塚治虫記念館
【宝塚市サイト】http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/tezuka/
【手塚プロダクションサイト】https://tezukaosamu.net/jp/museum/

原則休館日:水曜日、12/29~31、2/21~2/29
開館(拝観)受付時間:9:30~16:30

おすすめ交通機関:
阪急宝塚線・JR宝塚線「宝塚」駅下車、徒歩10分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:45分
大阪駅(梅田駅)→阪急宝塚線→宝塚駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。


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兵庫県立美術館「プラド美術館展」 ~マドリードまで行く気にさせる展覧会

2018年06月16日 | 美術館・展覧会

神戸の兵庫県立美術館で「プラド美術館展」が始まりました。スペイン美術の殿堂・プラド美術館から来日した61点の絵画と9点の書典籍により、17cに黄金時代を迎えたスペイン絵画の奥深さを学ぶことができます。

展示の主役は2人です。スペインにとどまらずヨーロッパ全体の巨匠の中の巨匠と言えるベラスケス、そのパトロンとなった国王フェリペ4世です。

ヨーロッパの中でも最も敬虔なカトリック国だったスペインの文化が絵画のモチーフや表現にも色濃く表れていることがわかります。関西では12年ぶりの「プラド美術館展」です。とても灌漑深い展覧会です。



展示は作品のモチーフに応じて分類された7つの章で構成されています。主役・ベラスケスの作品もほとんどの章で鑑賞することができますが、これは彼の作品が7点、まとまって貸し出されたおかげです。

スペインの国民的英雄であるベラスケスの作品を、プラド美術館がまとまって貸し出すことはまずありません。展覧会の主催者にプラド美術館自身が名を連ねているように、プラドにとっても意気込みのある展覧会なのです。

【プラド美術館公式サイトの画像】 スルバラン「磔刑のキリストと画家」

第1章は「芸術」がテーマです。重厚で敬虔な宗教画では右に出る者がいないスルバランの「磔刑のキリストと画家」が注目です。画家が医者と画家の守護聖人ルカであることを暗示するためにパレットを持たせています。観る者の気持ちを引き締めるスルバランらしい厳格さを堪能できます。

【プラド美術館公式サイトの画像】 ベラスケス「狩猟服姿のフェリペ4世」

第4章の「宮廷」は、もう一人の主役・フェリペ4世が芸術にどのように向き合ったかを学ぶ大切な章です。国力に陰りが見え始めた時に国王になったフェリペ4世は、芸術によってあらためてスペイン宮廷の栄光を確立しようとした国王とも言えます。

ベラスケスにチャンスを与えて巨匠に育て上げ、ルーベンスや諸国の宮廷との交流を通じて絵を見る目を高めます。当時のヨーロッパ宮廷の中でもフェリペ4世のコレクションは随一でした。

「狩猟服姿のフェリペ4世」は、狩猟場に飾るために製作された肖像画です。一見世間知らずのピュアな貴公子に見えますが、眼には凛とした意志の強さを感じさせます。傍らに寄り添う狩猟犬は、まるで太刀持ちのように背筋を伸ばして控えており、国王の威厳を実に効果的に高めています。

【展覧会公式サイトの画像】 コエーリョ「王女イサベラ·クララ·エウヘニアとマグダレーナ·ルイス」

コエーリョは、フェリペ4世の祖父でスペイン帝国の絶頂期の国王フェリペ2世に仕えた宮廷画家です。宮廷肖像画で名高い彼の作品の中でも、フェリペ2世の「王女イサベラ」は傑作として知られます。

イサベラはスペイン領ネーデルラントの統治を父から任されており、ルーベンスは彼女の宮廷画家になっていました。表情には父親譲りの威厳があふれ、白地に金糸で刺繍されたドレスの描写が女性としての華やかさと美しさを極限にまで高めています。統治者の肖像画として完成度が高い作品です。

【プラド美術館公式サイトの画像】 ベラスケス「東方三博士の礼拝」
【プラド美術館公式サイトの画像】 ルーベンス「聖アンナのいる聖家族」

第7章の「宗教」は、聖母や聖家族など17cスペイン絵画の黄金時代をけん引した宗教画が集められています。宗教改革への対抗のために、カトリックの教えをわかりやすく民衆に伝えようと積極的に絵画が活用されました。聖母子の画家として知られるムリーリョはこの時代の代表的な画家です。

ルーベンスの「聖アンナのいる聖家族」は、聖母マリアの母アンナが娘と孫キリストを温かく見守るシーンを描いたものです。聖母マリアが身に着けた服は真紅と青で描かれ、マリアとキリストの肌の白さを一層引き立てています。キリストの手はマリアの豊満な胸に添えられており、新しい家族ができた幸福感を存分に伝えています。

生真面目なプロテスタントの信仰に対抗しようとしたカトリックの戦略をルーベンスが見事に表現した逸品です。


プラド美術館 ゴヤ入口

この展覧会を鑑賞した人の多くは、マドリードのプラド美術館にはどれだけの逸品が揃っているのかとワクワクするでしょう。私は2度訪れていますが、プラド美術館のコレクションの素晴らしさを実に上手に凝縮していると思います。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



プラド美術館のベラスケスにスポットをあてた最新の一冊


兵庫県立美術館 「プラド美術館展 -ベラスケスと絵画の栄光-」
http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1806/index.html
https://artexhibition.jp/prado2018/
主催:兵庫県立美術館、プラド美術館、読売新聞社、読売テレビ
会期:2018年6月13日(水)~10月14日(日)
原則休館日:月曜日
※この展覧会は、2018年5月まで国立西洋美術館、から巡回してきたものです。
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

おすすめ交通機関:阪神電車「岩屋」駅下車徒歩8分、JR神戸線「灘」駅下車徒歩10分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:45分
JR大阪駅(阪神梅田駅)→阪神電車→岩屋駅
【公式サイトのアクセス案内】
※この施設には有料の駐車場があります。


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