手塚治虫(てずかおさむ)は、鉄腕アトム・ジャングル大帝・ブラックジャックなどの著名作品で知られる、戦後の日本のマンガ界の第一人者です。「マンガの神様」と呼ばれました。
手塚治虫が少年時代を過ごした宝塚に1994年、彼の生涯と全作品が楽しめるミュージアムが造られました。多くのマンガの単行本やアニメのテレビ作品などが視聴できるようになっていることから、常に賑わっています。
宝塚歌劇の聖地・宝塚大劇場のすぐ近くにミュージアムはあります。手塚ワールドの創造の原点となったアニメの聖地をぜひお訪ねください。
入口の前でキャラクターの手形・足形をチェック
幼少期の手塚治虫が育った戦前の宝塚は、阪急の総帥・小林一三がつくった少女歌劇や温泉などの娯楽施設で大変な賑わいを見せていました。一方新興住宅地でもあった家の周りは自然にあふれ、友人の影響もあって昆虫や科学にも大いに興味を持つようになります。近代的な都市景観街と大自然が同居する宝塚の街並みの中で手塚少年は、後にマンガのキャラクターを生み出すような創造心を大いに育んだのでしょう。
子供の頃から漫画ばかり描いていてかなり評判になっていたようですが、戦争の影響もあって医師を志します。戦後、医学の勉強と二足のわらじでマンガの創作を続け、新聞の4コマ漫画や同人誌で一躍有名になります。驚くことに国家試験に合格して医師免許も取得しています。
やがて漫画家一本で生きていく決意をした手塚治虫は、1952(昭和27)年に拠点を東京に移し、まもなく豊島区のトキワ荘に住むようになります。トキワ荘には藤子不二雄ら新進気鋭の漫画家が続々入居してきたことから、マンガ家の聖地と呼ばれるようになります。
手塚治虫記念館が、トキワ荘のあった東京でなく故郷の宝塚に造られたことは感慨深いものがあります。館を作るにあたって、アニメ制作会社で手塚治虫作品の著作権を管理する手塚プロダクションが、手塚ワールドの原点となった宝塚の地がよりふさわしいと考えたのかもしれません。
【公式サイトの画像】 館内の様子
館の中に展示された数々のアニメのキャラクターを目にすると「見たことあるが、これも手塚作品か」という驚きの連続です。膨大な数のキャラクターを生み出していますが、手塚作品には普遍的な価値観が確立しているように感じてなりません。
まず彼のキャラクター表現は、現代の価値観で見て斬新とは言えませんが、まったく古臭くありません。すなわち作られた時代を感じさせません。また大人でも子供でも誰が見ても、自分に合わないとは感じず素直に関心が持てます。これはミッキーマウスやムーミンと同じです。
時代が過ぎても魅力が劣化しない表現であるという意味では絵画などの美術品と同じで、作った時と見た時の時代の価値観の違いを超越した魅力が備わっていることになります。手塚ワールドには、まさにそんな普遍的な魅力があります。
性別・年齢・国籍・宗教の違いに関わらず誰でも楽しめます。100年、200年後に手塚作品がどんな評価を受けているのか、もちろん私は知ることはできませんが、とても楽しみです。
2Fにあるアニメ本を閲覧できる「単行本展示棚」と、アニメ映像作品を視聴できる「情報・アニメ検索機」は館内でも一番人気のようです。外国語版もあります。
隣接するミュージアムショップも見逃せません。マグネットのように小さいモノから巨大なぬいぐるみまでとても品ぞろえが豊富です。お気に入りのキャラクターのグッズをじっくり選んでください。選ぶ時間がとても楽しいと感じられます。
館内をネット上で自由に動き回って鑑賞できるGoogleストリートビューも用意されています。こちらもぜひ。
【Googleストリートビュー】 手塚治虫記念館
入口のブラックジャックとリボンの騎士のモニュメント
世界的に最も人気がある現代の日本文化はアニメです。2020年の東京オリンピックでも、世界的に著名なスターとして様々なアニメのキャラクターが登場してくることでしょう。そんな日本のアニメ文化の原点が、宝塚で体験できます。
こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。
マンガの神様が人生を振り返った不朽のベストセラー
宝塚市立手塚治虫記念館
【宝塚市サイト】http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/tezuka/
【手塚プロダクションサイト】https://tezukaosamu.net/jp/museum/
原則休館日:水曜日、12/29~31、2/21~2/29
開館(拝観)受付時間:9:30~16:30
おすすめ交通機関:
阪急宝塚線・JR宝塚線「宝塚」駅下車、徒歩10分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:45分
大阪駅(梅田駅)→阪急宝塚線→宝塚駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。
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