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若柴観音:柏市

2019年07月12日 | 日々のあれこれ

国道16号線、若柴交差点近くに「若柴観音」(真言宗豊山派長覚寺)があります。(若柴は江戸初期から明治22年までの村名)

このお堂には新坂東第八番札所として、「正観世音菩薩」が安置されています。(若柴観音:柏市指定文化財)

近年修築されて昔の面影は失われているそうですが、床を高くした入母屋造りで「流れ向拝(こうはい)」をもつ、三間三面の小柄なものです。

入母屋屋根の妻側の三角形の空間は、「破風」といい、破風板で囲われ、中心部に「懸魚(げぎょ)」という飾りを下げています。懸魚は火除けのまじないとのこと。破風板に彫刻を施した「破風金具」は「破風拝飾(はふおがみかざり)」、右下は「破風尻飾」だと思います。

「入母屋破風」の中央の「懸魚」(木製)と中心にある金色の飾りの「六葉」。懸魚が金属のものは特に数が僅少で、主として重要文化財に指定された建築様式の建物で見かけるそうです。中央の環が「破風拝紋」で、真言宗豊山派の宗紋(寺紋)の「輪違い」(複数輪が交錯する文様)。

本屋根から流れてきた向拝屋根側面の「縋破風(すがるはふ)」。下の優雅な曲線と装飾を持つものは「海老虹梁(えびこうりょう)」。縦の柱は「向拝柱」

屋根の端部である軒には二重に「垂木(たるき)」が多数並んでいて、先端は白く塗られている。

梁と梁の間に配置して上下をつないぐものを束といいますが、それが次第に装飾化された「蟇股(かえるまた)」(中央)。蟇股の中央にある装飾は何の動物?でしょうか。左甚五郎による日光東照宮の「眠り猫」は有名ですが。

 

柱の上の突き出た部分は「木鼻(きばな)」。木鼻は獅子(白)と象(水色)でしょうか?

向拝の「縋る破風板」の彫刻(水色と白の部分)

鬼瓦は「経ノ巻鬼瓦」。名前の由来は、鬼瓦上部分に付いている筒型がお経の巻物に似ているので。社寺などによく使用される鬼瓦。

鬼瓦には寺院の紋章である「卍(まんじ)」が、軒先瓦には「二つ巴紋」が入っています。卍は寺院の象徴として地図記号にも使用されていて、吉兆の印(幸運のシンボル)とのこと。

観音堂の背後に「長覚寺」の本堂があります。大棟の瓦は「青海波積み」

歴史的に価値のある建物(主に古民家)を見た時、建物の知識があると「なるほど、なるほど」となって楽しみが増えます。私は現在勉強中なので、このblogの記述には間違いがあるかもしれません。ご容赦を!

 

 



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