堂蓮記<北海道富良野成田山布部不動堂>

毎月の『御心言』と不定期の『祈願講釈』と徒然なるままの箴言・戯言・読書感想等・北の大地の坊主富良野生活記。

〈坂村真民の詩〉

2010-11-02 21:50:45 | 日記
「その人」

1 救世(ぐぜ)の悲願に
生きたまう人

その人を思うて
私も生きてゆく


2 その人を思うて
寝ていると
海のようなものが
胸にひろがってくる
心配しなくてもいいという声が
その果てから
ひびいてくる


3 その人は
しづかな夜更け
そつと私の病む眼に
手をあててくださる

その姿は見えないが
その声は聞こえないが
おん手の重みが
目覚めた瞼に
いつも残つている


4 暗い日々の
暗い夜々の
半盲のあけくれのなかにも
消えてはともり
ともつてはひかるものがあつた
その人の名を呼ぶとき
その人を念ずるとき

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