2016年9月28日(水) くもり
ダーウィンの種の起源(第6版)を昨日ようやく読み終えた。読了するまでに1か月間もかかったが、
なんだか長年に亘ってのどにつかえていた魚の小骨が取れたような気がする。学生時代から何回と
なくトライをし、そのたび頓挫を繰り返して来た書物だった。私の机の左側にある書棚の奥から、おい
一体いつになったら読むんだよと問いかけられているよう気がしてなかなか気が落ち着かなかった。
19世紀中葉、まだ神による生命創造説が犯すべからざる真理であり続けた時代に、確かに博物学者
ウォレスらの自然選択による種の形成の概念があったにせよ、豊富な経験的事実を元に断固たる自己
の意志として「自然淘汰を通しての生物種の進化論」を世に表明したことは驚くべきことである。ここ
ろから敬意を表さずにはいられない。500ページ近い大作の行間からオレの真理を聞いてくれという
ダーウィンの怨念を聞かされた感じがする。
自然の真理を視つめ通す鋭い感受性と、その真理を明らかにして行く驚異的な継続的努力、そして
この崇高な自然淘汰による生物の進化に対する子供のような純粋な思い入れ。歴史的なパラダイム
は、いつの時代にもこのような感受性の優れた人の驚くべき信念により創り上げられるのだなあ。
我が身を振り返ると、その極小の存在に思わずため息が出てしまう。
ダーウインの爪の垢でも飲んで、私も大いなる信念を持って人生の最終目的を目指さなければ。