空と風と、月と、星。

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一億総懺悔、天皇の戦争責任

2018-12-22 19:42:58 | 社会
こんばんは。また久しぶりになってしまいました。

辺見庸さんの、2015年12月の横浜講演を聞きに行ってから、早3年。
講演の時間自体は長かったですが、その中から、報道関係者いわゆるマスコミについて辺見さんが語ったことを書こうと思います。

まず、報道関係者は「無知」である。そして、幼稚になっている。歴史知見がない。と、辺見さんは嘆いていました。
例えば、「一億総懺悔」の’勘違い’。一億総懺悔というのは、天皇への謝罪だと。「一億総懺悔」は恐ろしい精神史、だと。

辺見さんは、「ヒロヒトにではなく、ヒロヒトを報道する人に激しい憤りを感じる」と言っていました。

1975年10月31日、昭和天皇が、皇居の「石橋(しゃっきょう)の間」で記者会見(日本記者クラブ主催「昭和天皇公式記者会見」)したとき、THE TIMES記者が、太平洋戦争の、天皇自身の戦争責任について天皇に質問しました。
それに対する天皇の答えは、

『そういう言葉のアヤについては、私はそういう文学方面はあまり研究もしてないので、よくわかりませんから、そういう問題についてはお答えができかねます。』 でした。そして、天皇のこの言葉について、怒りの声をあげた新聞は、一紙もなかった、ということです。
「この天皇の言葉で、日本の報道・言論はKOされたと言ってもいい」、と辺見さん。

以下、私の考えたことです。
『そういう言葉のアヤについては、私はそういう文学方面はあまり研究もしてないので、よくわかりませんから、そういう問題についてはお答えができかねます。』と昭和天皇が言ったというのは初めて知りました。驚きでした。

無いなら無い、有るなら有ると、答えてほしかった。「言葉のアヤ」でごまかすとは。
1975年といえば終戦から30年、まだそんなには経っていません。戦地へ行った人、空襲や原爆の被害にあった人、凄惨で生々しい記憶も残っているはずです。そんな中、昭和天皇のこの言い草は何なんだろう…そう思いました。
天皇の言説を取り上げない新聞。天皇に配慮してなのか。それとも、タブーだからか。


続いて、辺見庸さんの言葉。
堀田善衛という人が、1945年3月の東京大空襲後、東京をスケッチしていたそうです。その最中に昭和天皇を偶然見かけました。天皇に、人々が泣いて土下座をしたことに、堀田善衛はショックを受けます。

辺見さんは、天皇に敗戦のお詫びをする庶民の気持ちがいまだにわからずにいる、と言っていました。


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