蔵書目録

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「露国舞踊竝に合奏」 帝国劇場 (1916.6)

2020年07月31日 | バレエ 2 エリアナ・パヴロワ、貝谷八百子他

       

 大正五年六月 十六 十七 十八 日 午後一時開演
  マチネー  丸の内 帝國劇場

    露國舞踊竝に合奏

  露國帝室劇場一等舞妓  エ・スミルノワ女史
  同     舞踏教師  ベ・ロマノフ氏

     第一部

 一、バヤーリン舞踏  プニー作曲  オ・オブラコワ
    古代名家の結婚式に新郎、新婦を祝福する意義の舞踏なり。

 二、白鳥の湖  チャイコフスキー作曲  エ・スミルノワ 
                       ベ・ロマノフ
    古典的二人舞踏。崇高なる戀愛、即ち最善最美の心情發露するを見る。

 三、アニートラ  グリーグ作曲  オ・オブラコワ   
    處女の踊。處女が輝々たる陽光を浴びて草野に嬉遊する状を示す。

 四、漂浪の民  サン・センス作曲  ベ・ロマノフ
    漂浪の民、路傍に哀を乞ふも、人は何物をも之に與へず、却って之に嘲笑を加ふ。彼つひに反抗心を生じ、大に世を罵る。



 五、瀕死の白鳥  サン・センス作曲  エ・スミルノワ
            ベ・ロマノフ振付
    波靜かなる湖上に白鳥悠々として遊ぶ。猟夫忽ち射て矢その心臓を貫く。血流れて水為めに紅に、鳥は其純潔清浄を歌ひて遂に長へに眠る。

 六、プレリュード  ワン・ブルー作曲  ワン・ブルー
    自作音楽の序曲、ブルー氏は露国有名の音楽家にして、既に幾多の作を出す。殊にグリーグの作に曲を附して名あり。

 七、セギヂロ  エ・スミルノワ
    西班牙舞踏。同國にて路傍にありて一般民人の為めに演出する舞踏なり。

         休憩  二十分

     第二部

 一、夜  ルビンスタイン作曲  エ・スミルノワ
                 ベ・ロマノフ
    詩人あり、自己の空想を戀ふること、恰も若き美人に憧るゝが如く、飄々として遂に白雲の間に擔ひ去らる。

 二、タランテラ  スミス作曲     オ・オブラコワ  
           ベ・ロマノフ振付  ベ・ロマノフ
    伊太利の民俗的舞踏。

 三、夢幻境の女王  プニー作曲  エ・スミルノワ
    『コンネク・ガルブノク』中の一節、即ち英雄の物語と稱するものにして、最も好く露国處女の生惰を現 。

 四、ワルス  ドリゴ曲  オ・オブラコワ

 五.古代ポルカ  デュコムマン作曲  エ・スミルノワ
          ベ・ロマノフ振付
    前世紀に三十餘年間も流行したる舞踏なり。

 六、露国民謡  ベ・ロマノフ振付  オ・オブラコワ
                       ベ・ロマノフ
    露西亜の滑稽舞踏にして、最も好く露国舞踊の特色を發輝せるものなり。

 七、ソナタ  グリーグ作  ワン・ブルー

 八、ノクターン  ショパン作曲  エ・スミルノワ
                    ベ・ロマノフ
    春の夜曲。

 九、印度の舞女  ミンクス作曲  オ・オブラコワ
    佛教の寺院に演ぜらるゝ舞踏。

 十、三國同盟  アサフィエフ作曲  オ・オブラコワ
          ベ・ロマノフ振付   ベ・ロマノフ
    日露英三國の親善関係を表明せる愛國的舞踏なり。

   入場料  特等 三圓    一等 二圓五十錢
        二等 一圓五十錢 三等 七十五錢
        四等 四十錢
         外祝儀心附等一切不要

   丸の内  帝国劇場
        電話 本局 一六一二・一六一三
              二五一四・二五一五

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  ・魚十  御壽司 一人前 金拾五錢 御辨當 一人前 金卅五錢  
  ・中央亭 二階の大食堂 西洋料理
  ・三越  今日は帝劇明日は三越

また、上の舞踊写真は、当時帝国劇場で販売された絵葉書のもので、前撮り写真と思われる。

演目は、別の絵葉書の手書きメモから、次の通りと思われる。

〔左から3、4枚目〕 白鳥の湖 

〔同5枚目〕     セギヂロ

〔同6枚目〕     古代ポルカ



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