本書は、「地球的な諸問題と取り組まなければならない現代に生きる人間は、国家との関係において、自分のアイデンティティをどのように感じ、考えていくべきなのか」という問い(viii頁)を踏まえて、自らの生い立ちを描いている。
坂本さんは1927年に米国ロスアンゼルスで生まれ、すぐに中国に移った。それから約十年間中国で暮らしたのち、日本に戻り、鎌倉での生活を始めた。それから、第二次世界大戦の末期に高校に入 . . . 本文を読む
本書を読み、障がい者の自己決定権がようやく認められ、各種の政策がその方向に向かっているのだと感じた。
この自己決定権が認められてきたのは、1975年の国連総会で決議された「障害者の権利に関する宣言」に始まり、1981年の国際障害者年、国連障害者の10年(1983年から1992年)、さらに2006年12月国連総会で採択された「障害のある人の権利に関する条約」という一連の流れが背景にあるようだ(2頁か . . . 本文を読む