久々に悪文見本市を取り上げてみました。まだまだ脳のリハビリを続けなければと思い知らされました。
私にとって、このブログは闘病記録のようなものです。回復プロセスを含めた病状の記録と脳のリハビリを目的としています。自分の書いたものはその時々自分の心を映す鏡です。記事の内容もさることながら、書いた文章の不具合がその時々の病状を表していると考えています。この悪文見本市シリーズもその一環として掲載しています。
アルコールの急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)は、断酒を始めて3~6ヵ月で自覚するようになると言われています。その症状の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。
私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。
● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらない
こと
● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと
さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。
今回もその具体的な現れと思われる悪文事例をご紹介します。いずれも脳がストライキを起す寸前の状態にあり、集中力に欠け、文案が錯綜する混乱の中で書いたものと思われます。
なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
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【事例43】
「ドライドランク状態は、再飲酒前に限って現れる特異的な症状ではなく、やはり誰もが経験する記憶障害と同様、回復プロセスの移行期の急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)の一つ情動障害である、と私は考えています。」
↓
「回復プロセスの移行期には、急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)の一つとして誰もが必ず記憶障害を経験します。ドライドランク状態は、再飲酒前に限って現れる特異的な症状ではなく、記憶障害と同じくPAWSの一つ情動障害であると、私は考えています。」
「断酒中のドライドランクを自己診断できますか? 」(2015.10.30投稿)より
重文と複文が組み合わさったてんこ盛りの、複雑でやたら長い構文となっています。二つの文に分けてみました。これだけで随分、読みやすくなったと思います。
この他にもかなり手直ししましたので、大分読みやすくなったと自負しています。是非、『断酒中のドライドランクを自己診断できますか?』をご一読ください。
【事例44】
「・・・いわば医師の主観的な判断によっています。
どんな病気でも、患者にとって最大の関心事はどの程度まで回復が進んでいるかです。アルコール依存症の場合、・・・ 患者本人も体調の復調を自覚できます。いうまでもなくアルコール依存症は脳の障害です。アルコールという薬物を慢性的に使用したことが原因で起きたものです。精神状態が障害されているらしいという負い目があるため、断酒後のアルコール依存症者は健常な精神状態に回復しているというお墨付き(診断)を殊のほか渇望します。ところが精神面の回復の診断に関してはそう簡単ではないようなのです。回復、健常な精神状態とはどんな状態なのか、患者自身ぼんやりとしたイメージがあるだけで具体的には分かっていません。
自助会AAでも “回復”や “健康な心”、“心の落ち着き” などはよく取り上げられるテーマです。・・・ 案の定、数値で回復を確認できる検査はないという回答でした。」
↓
「・・・いわば医師の主観的な判断によっています。同様に回復の度合いについても評価基準はないに等しいようです。
どんな病気でも、患者にとって最大の関心事はどの程度まで回復が進んでいるかです。いうまでもなくアルコール依存症は脳の病気です。アルコールという薬物を慢性的に使用したことが原因で起きた病気です。精神が障害されているらしいという負い目があるため、断酒後のアルコール依存症者は健常な精神状態に回復しているというお墨付き(診断)を殊のほか渇望します。回復=健常な精神 とはどんな状態なのか、患者自身はぼんやりとしたイメージがあるだけで具体的には分かっていません。
自助会AAでも “回復” や “健康な心”、“心の落ち着き” などはよく取り上げられるテーマです。・・・ 案の定、数値で回復を確認できる検査はないという回答でした。」
「アルコール依存症の回復イメージ」(2016.3.18投稿)より
一つの段落内に複数の段落に分けるべき内容が盛り込まれています。しかも段落の論理展開に混乱が見て取れます。元々、問題提起 ⇒ アル症者共通の願い ⇒ 医師の回答という展開を意図していましたから、本来の論旨に沿って自分なりに整理し直してみました。
次に、言葉の使い方に戸惑いがみられます。病気と障害の使い分けがよくわかっていないのですが、文脈の流れからここは病気としました。
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【急性離脱後症候群(PAWS)】
症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
理解できない)
○ 情動障害(情動の揺れ)
○ 記憶障害(短期記憶の障害)
○ 睡眠障害
○ 身体的協働性に問題
○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
(アルコール依存症専門クリニック教育資料より)
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私にとって、このブログは闘病記録のようなものです。回復プロセスを含めた病状の記録と脳のリハビリを目的としています。自分の書いたものはその時々自分の心を映す鏡です。記事の内容もさることながら、書いた文章の不具合がその時々の病状を表していると考えています。この悪文見本市シリーズもその一環として掲載しています。
アルコールの急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)は、断酒を始めて3~6ヵ月で自覚するようになると言われています。その症状の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。
私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。
● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらない
こと
● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと
さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。
今回もその具体的な現れと思われる悪文事例をご紹介します。いずれも脳がストライキを起す寸前の状態にあり、集中力に欠け、文案が錯綜する混乱の中で書いたものと思われます。
なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
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【事例43】
「ドライドランク状態は、再飲酒前に限って現れる特異的な症状ではなく、やはり誰もが経験する記憶障害と同様、回復プロセスの移行期の急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)の一つ情動障害である、と私は考えています。」
↓
「回復プロセスの移行期には、急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)の一つとして誰もが必ず記憶障害を経験します。ドライドランク状態は、再飲酒前に限って現れる特異的な症状ではなく、記憶障害と同じくPAWSの一つ情動障害であると、私は考えています。」
「断酒中のドライドランクを自己診断できますか? 」(2015.10.30投稿)より
重文と複文が組み合わさったてんこ盛りの、複雑でやたら長い構文となっています。二つの文に分けてみました。これだけで随分、読みやすくなったと思います。
この他にもかなり手直ししましたので、大分読みやすくなったと自負しています。是非、『断酒中のドライドランクを自己診断できますか?』をご一読ください。
【事例44】
「・・・いわば医師の主観的な判断によっています。
どんな病気でも、患者にとって最大の関心事はどの程度まで回復が進んでいるかです。アルコール依存症の場合、・・・ 患者本人も体調の復調を自覚できます。いうまでもなくアルコール依存症は脳の障害です。アルコールという薬物を慢性的に使用したことが原因で起きたものです。精神状態が障害されているらしいという負い目があるため、断酒後のアルコール依存症者は健常な精神状態に回復しているというお墨付き(診断)を殊のほか渇望します。ところが精神面の回復の診断に関してはそう簡単ではないようなのです。回復、健常な精神状態とはどんな状態なのか、患者自身ぼんやりとしたイメージがあるだけで具体的には分かっていません。
自助会AAでも “回復”や “健康な心”、“心の落ち着き” などはよく取り上げられるテーマです。・・・ 案の定、数値で回復を確認できる検査はないという回答でした。」
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「・・・いわば医師の主観的な判断によっています。同様に回復の度合いについても評価基準はないに等しいようです。
どんな病気でも、患者にとって最大の関心事はどの程度まで回復が進んでいるかです。いうまでもなくアルコール依存症は脳の病気です。アルコールという薬物を慢性的に使用したことが原因で起きた病気です。精神が障害されているらしいという負い目があるため、断酒後のアルコール依存症者は健常な精神状態に回復しているというお墨付き(診断)を殊のほか渇望します。回復=健常な精神 とはどんな状態なのか、患者自身はぼんやりとしたイメージがあるだけで具体的には分かっていません。
自助会AAでも “回復” や “健康な心”、“心の落ち着き” などはよく取り上げられるテーマです。・・・ 案の定、数値で回復を確認できる検査はないという回答でした。」
「アルコール依存症の回復イメージ」(2016.3.18投稿)より
一つの段落内に複数の段落に分けるべき内容が盛り込まれています。しかも段落の論理展開に混乱が見て取れます。元々、問題提起 ⇒ アル症者共通の願い ⇒ 医師の回答という展開を意図していましたから、本来の論旨に沿って自分なりに整理し直してみました。
次に、言葉の使い方に戸惑いがみられます。病気と障害の使い分けがよくわかっていないのですが、文脈の流れからここは病気としました。
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【急性離脱後症候群(PAWS)】
症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
理解できない)
○ 情動障害(情動の揺れ)
○ 記憶障害(短期記憶の障害)
○ 睡眠障害
○ 身体的協働性に問題
○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
(アルコール依存症専門クリニック教育資料より)
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断酒600日をこえましたがイライラすることが多くもしかしてドライドランクの状態にあるのではないかと思う今日この頃です。
スリップはしていませんが飲酒欲求はあります。
とにかく今日1日断酒にはげみたいと思います。
まーとんさんは確か、仕事を再開していましたよね?
相当なストレスを受けている毎日だとお察しします。
そんな状況では、飲酒欲求が湧いて来るのも自然でしょう。
私からお勧めできるここと言えば、
「飲酒欲求をどうにかしなければ・・・」と変えようとするのではなく、
「飲酒欲求が湧くのも当たり前」と開き直る方がいいと思います。
そして、どんなときにストレス(飲酒欲求?)を強く感じたのか
“言語化” をしてみたらどうでしょう?
書くことで分析するのもいいですし、
自助会ミーティングで胸の内を話すこともお勧めです。
その意味で今回、正直に書いてくれたのは正解です。
断酒中なら誰でも襲われるのがドライドランク。
そんなときは “一息ついて 一歩引いて” を是非やってみてください。