ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

依存症者の悪いクセ

2019-12-06 07:09:44 | 病状
 この時期にしては珍しく、ポカポカ陽気だった日のこと。コープの店頭にあるベンチに一人の男性がのんびり腰掛けていました。彼の直ぐ脇には酎ハイのアルミ缶が1本置かれていました。

 ベンチの隅に置いていたゴミ拾い道具を取ろうとして彼に声を掛けたら、眠たそうな顔で彼はこう応えてくれました。
「暖かいから日向ぼっこですよ。」

 私の方も、皮肉半分にこう返してやりました。
「酒なんか飲んでいるよりも、そりゃよっぽどいい。私は断酒中のアル中だけど、アル中の末期といったらそりゃ酷いものですよ。死の瀬戸際にまで行ったことがあるんです。だけどそのときは、死にそうなんてことも自分ではわからなかった。今生きているのが信じられないぐらいでしたよ。」

 そうしたら彼の方から、若い頃にあった話を始めました。最初、彼自身の話か、それとも知り合いの話かよくわからなかったので、聞き直してみたら以下のような話でした。

「若い頃、飲み会に自分でアル中と言っていた人も参加しましてね。場が盛り上がって大騒ぎとなったとき、その人が怒り出して若い者に激しく説教をし始めたんです。それで場が白けてしまって散会となりました。そんな人が飲み会へ出るのを、どうして家族が許したのか不思議でならなかったですね。そんな人、本来は出るべきではなかった、ですよネ?」

「その通り、その人は出てはいけない所に出てしまったんです。恐らく無意識のうちに飲みたかったんでしょう。仲間はずれになりたくなかったというのが表向きの言い訳で、アル中にはよくある話です。」と私。

 さらに続けて、
「その人が怒り出したのは、これ見よがしに自分の目の前で飲む方が悪いと思ったからでしょう。ある意味、人の所為にしたかったのでは(?)そう思いますよ。」

 これで話を切り上げて帰ろうとしたら、彼も後を付いて来ました。そのときです、今の話は彼自身の話で、彼自身がアル中なのだと確信しました。それでこうも付け加えました。

「依存症者には共通する悪いクセがあるんです。“言い訳する、人の所為にする、ウソをつく”。自分ではこのことに気づいていないから、人にそれを指摘されたら怒り出すんです。」

 今思うと我ながらこれはちょっと強引で、無理矢理話をこう持って行ったようです。

「そう言われれば、私にも心当たりがあります。タバコを止めて2年ぐらい経ったとき、目の前でタバコを吸われると流石に吸いたくなって、ついその人の所為にして貰いタバコをしていました。これはマズイと気づいて止めたんですがね。」彼は、うまいことタバコ依存の話にすり替えていました。

 序でに私は、家族についても付け加えておきました。
「依存症は、否応なしに家族を巻き込むのも特徴です。共依存というそうです。その人の家族も、共依存という病気の所為で判断が狂ったのでしょう。」

 彼は40代と言っていました。実は、昼間から酒を飲んでいる彼の姿を、近くのスーパーでも屡々目にしていました。だから、彼には再び会えると確信してこう伝えておきました。

「アル中だけが集まる自助サークルがあります。そのミーティングに通っていたら酒は止まります。今度そんな人がいたら、是非教えてあげたらいいですよ!」

 相手の手の内を読んだ上で言った言葉のつもりでした。年寄りの小狡さというか、それとも年の功と言うべきか?!



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