ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その11)

2018-03-09 06:24:59 | 悪文見本市
 私にとって、このブログは闘病記録のようなものです。回復プロセスを含めた病状の記録と脳のリハビリを目的としています。自分の書いたものはその時々の自分の心を映す鏡です。記事の内容もさることながら、書いた文章の不具合がその時々の病状を表していると考えています。この悪文見本市シリーズもその一環として掲載しています。

 アルコールの急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)は、断酒を始めて3~6ヵ月で自覚するようになると言われています。その症状の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。

 私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。

 ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
 ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらない
   こと
 ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと


 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。

 言葉の失念(度忘れ)から連想するのは老化現象による想起障害ですが、私は常々、アルコールが老化促進剤ではないかと考えています。そして、この想起障害こそが大部分の “思考プロセス障害” の原因ではないかとも考えています。長年の飲酒習慣が前頭葉を萎縮させることや、アルコールがコルチゾールを介して記憶の中枢・海馬へ悪影響を及ぼすことが知られていますので、他にも老化による想起障害と似たメカニズムがあるのかも。

 自分の書いたモノを読み返す度に、今だにアルコールのせいにしている私ですが、そろそろ歳のせいと “ありのままに” 受け容れる時期なのかもしれません。性懲りもなく、今回も悪文事例をご紹介します。いずれも脳がストライキを起す寸前の状態にあり、集中力に欠け、文案が錯綜する混乱の中で書いたものと思われます。

 なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
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【事例45】
「 どうにもならない “生きづらさ”
・・・AAの『回復のプログラム』ステップ 1にはこうあります。『私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた』・・・(中略)・・・『思い通りに・・・いけなくなっていた』が『どうにもならなくなった』の意・・・」

         
「“どうにもならない” 生きづらさ
・・・AAの『回復のプログラム』ステップ 1にはこうあります。(以下、略)」

              どうにもならない “生きづらさ”」(2016.7.29投稿)より 

 これは断酒歴2年9ヶ月に書いた、勘違いが原因でキーワード(引用符の付け方?)の選択を間違えた事例です。

 よくAAのミーティングでテーマに取り上げられるのが『生きづらさ』という言葉です。人生には辛いこともあるのが当たり前なのに、何か特別の意味があってのことなのかと私は常々訝しく思っていました。そこで、AAの古参仲間にそのことを質問してみたのです。

「ステップ1のことだよ。」こう、古参の仲間はこともなげに答えてくれました。この古参仲間の言葉をそのまま鵜呑みにし、私は『生きづらさ』が依存症に共通する生き方の意味と思い込んでしまいました。

 依存症に共通しているのは、妄想に取り憑かれたり、衝動に駆られたりして『どうにもならなくなった』状態に囚われることです。今になってみると、古参の仲間はそれをそのまま表現しているのがステップ1だと教えてくれただけだったのです。まだ私の脳はお休み中だったのでしょうか、『どうにもならなくなった』という意味が十分わかっていなかったようなのです。

 この事例は、表題と共に元の文章の引用符を『生きづらさ』に付ける代わりに『どうにもならない』の方に付け換えるだけで済みました。当時書いた文脈を辿ればハッキリ勘違いしていたとわかるのですが、強い思い込みから気づかないまま放置していました。

 勘違いや思い込みは、もの事を短絡的に解釈することで起こります。このような事実誤認には必ず “認知のゆがみ” が絡んでいるという好事例です。

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
    理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)



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