その日は、尼崎にある県立病院の循環器内科と元町にあるアルコール依存症専門クリニック、さらに三宮で昼過ぎにあるAAのミーティングの3カ所をハシゴしようと目論んでいました。
家を出て直ぐに予定外のゴミ拾いをしたため時間を食い、県立病院では呼び出し用ポケット・ベルが電池切れのため想定外の時間のロスが続きました。元町の専門クリニックと三宮のAAのミーティングをハシゴしようとしていた私の目論見は、どうやら怪しくなって来ました。今回はそのつづきです。
尼崎の駅に着いたのは11時半過ぎでした。これでは元町にある専門クリニックと三宮であるAAのミーティングのハシゴは無理と思われ、AAのミーティングを優先することに決めました。専門クリニックの方を先送りすれば初診扱いとなる恐れがあったのですが、次の週の頭であれば2ヶ月(8週間)以内の受診とギリギリ大目に見てもらえると踏んでのことでした。
こう決めたら時間に大分ゆとりが生まれます。昼食は元町にある松屋の “牛めし” にし、ついでに近くで差し入れ用のお茶菓子も買おうと、やはり元町に向かいました。
元町にあるお菓子専門店ではその日、好物の甘納豆が安くなっていて、いつもは260円超のものが珍しく240円で売り出されていました。これ幸いと甘納豆4袋と、ついでに煎餅をも買ってしまいました。
こうなったらゲンキンなもので、
「ひょっとして、今日はまだ良いことがあるのかも!」などと脳天気なことを考えていました。ここに来るまで時間のロスが2回もあったのですが、そんなことなどすっかり忘れて暢気なものでした。
さて、元町駅西口前の歩道を三宮のミーティング会場に向かって意気揚々と歩いていた時のことです。高架下の食堂の店頭に、白いレジ袋が落ちていて風にヒラヒラしているのを見つけてしまいました。この辺りでは、こんなゴミが散らかっているのはいつものことです。私の方も、いつものようについそれを拾い上げてしまいました。
単なるゴミとばかり思っていたのですが、何とそのレジ袋にはストラップ付きの小物入れが入っていました。しかも紙幣のようなものが、チャックの開いた小物入れの口からチラっと見えたのです。
「(レジ袋に金目のモノ?)」そのチグハグさにいい加減な人物像が浮かんできました。
「(レジ袋のゴミを拾っただけなんだから、このままネコババでも・・・)」という思いが一瞬頭を過ぎりました。
しかし、いくら何でも大切なお金です。落とし主はきっと警察に届け出るだろうと思い直し、交番に届けることにしました。たとえ交番に届けても、時間的に十分余裕がありました。
交番では、私の説明を受けた担当の婦警さんが、私の目の前で小物入れの中身の確認を始めました。その中にはやはり小さいポリ袋に千円札が5枚畳んで入れてあり、他に小銭や家の鍵らしきものも一緒でした。これじゃ直ぐにでも落とし主が現われるに違いない、と思わざるを得ませんでした。
鍵と畳んだ紙幣が一緒だったことが私の心を決めました。拾得者の権利をすべて放棄することに同意して、遺失物届け出の書類に署名しました。権利をすべて放棄したのですから、二重複写となっていたその文書の複写分も受取らずに交番を出ました。落とし主が現われなかった場合のことなど、全く頭にありませんでした。
交番に寄ったことで20分ほど時間をロスしましたが、あのままネコババしていたら後々まで罪の呵責に付きまとわれたことでしょう。そう思うと妙にサバサバした気分でした。(この項まだつづく)
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家を出て直ぐに予定外のゴミ拾いをしたため時間を食い、県立病院では呼び出し用ポケット・ベルが電池切れのため想定外の時間のロスが続きました。元町の専門クリニックと三宮のAAのミーティングをハシゴしようとしていた私の目論見は、どうやら怪しくなって来ました。今回はそのつづきです。
尼崎の駅に着いたのは11時半過ぎでした。これでは元町にある専門クリニックと三宮であるAAのミーティングのハシゴは無理と思われ、AAのミーティングを優先することに決めました。専門クリニックの方を先送りすれば初診扱いとなる恐れがあったのですが、次の週の頭であれば2ヶ月(8週間)以内の受診とギリギリ大目に見てもらえると踏んでのことでした。
こう決めたら時間に大分ゆとりが生まれます。昼食は元町にある松屋の “牛めし” にし、ついでに近くで差し入れ用のお茶菓子も買おうと、やはり元町に向かいました。
元町にあるお菓子専門店ではその日、好物の甘納豆が安くなっていて、いつもは260円超のものが珍しく240円で売り出されていました。これ幸いと甘納豆4袋と、ついでに煎餅をも買ってしまいました。
こうなったらゲンキンなもので、
「ひょっとして、今日はまだ良いことがあるのかも!」などと脳天気なことを考えていました。ここに来るまで時間のロスが2回もあったのですが、そんなことなどすっかり忘れて暢気なものでした。
さて、元町駅西口前の歩道を三宮のミーティング会場に向かって意気揚々と歩いていた時のことです。高架下の食堂の店頭に、白いレジ袋が落ちていて風にヒラヒラしているのを見つけてしまいました。この辺りでは、こんなゴミが散らかっているのはいつものことです。私の方も、いつものようについそれを拾い上げてしまいました。
単なるゴミとばかり思っていたのですが、何とそのレジ袋にはストラップ付きの小物入れが入っていました。しかも紙幣のようなものが、チャックの開いた小物入れの口からチラっと見えたのです。
「(レジ袋に金目のモノ?)」そのチグハグさにいい加減な人物像が浮かんできました。
「(レジ袋のゴミを拾っただけなんだから、このままネコババでも・・・)」という思いが一瞬頭を過ぎりました。
しかし、いくら何でも大切なお金です。落とし主はきっと警察に届け出るだろうと思い直し、交番に届けることにしました。たとえ交番に届けても、時間的に十分余裕がありました。
交番では、私の説明を受けた担当の婦警さんが、私の目の前で小物入れの中身の確認を始めました。その中にはやはり小さいポリ袋に千円札が5枚畳んで入れてあり、他に小銭や家の鍵らしきものも一緒でした。これじゃ直ぐにでも落とし主が現われるに違いない、と思わざるを得ませんでした。
鍵と畳んだ紙幣が一緒だったことが私の心を決めました。拾得者の権利をすべて放棄することに同意して、遺失物届け出の書類に署名しました。権利をすべて放棄したのですから、二重複写となっていたその文書の複写分も受取らずに交番を出ました。落とし主が現われなかった場合のことなど、全く頭にありませんでした。
交番に寄ったことで20分ほど時間をロスしましたが、あのままネコババしていたら後々まで罪の呵責に付きまとわれたことでしょう。そう思うと妙にサバサバした気分でした。(この項まだつづく)
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