今朝の朝日新聞教育欄の記事
リーマンショック以後、大学生の就職内定率が落ち、今年は過去最低だそうです
とにかくとんでもなく厳しい就職活動を強いられているようで
大学院に進学した次男の同級生達も苦労しているとあっちこっちで聞きます
そんな中、日本の企業は新卒者を優先的に採用する傾向にあるからと
就職が決まらなかった場合、
わざと留年する(卒業しない)学生さんが増えているとのこと
「希望留年」と言うんですね
実は我が家の28歳の長男も、4年生のとき内定が取れず
1年留年して翌年に就職した希望留年組
あの当時は「自主留年」と言っていましたが
長男の時は就職氷河期で、やはり厳しい時代でした
そんな中で、思考回路が幼い長男は、何を思ったか公務員を目指しだし
国家公務員、地方公務員、税務署などなど、
ありとあらゆる試験を受けていきました
でも東大でも早慶でもない大学生の長男
結局はただの安定志向ですから、合格するわけは無いですよね
とうとう最後の地方都市の試験も落ち
さあ、どうする、ということになったのです
会社員にはなりたくない、と言って一般企業は全く受けなかったので
本当に内定ゼロですから、このままプー太郎になっちゃうわけですよね
で、私としては自主留年を勧めたわけです
当時はまだ就職するために留年、なんて一般的ではなかったのですが
私は長男の中学高校の同級生のお母さん達から
わざと単位を落とし、卒業を一年延ばして就職した先輩の話を聞いていたので
就職氷河期と言われる時代、しかも優秀な大学というわけではないですから
留年もあるかもしれない、と覚悟はしていました
そして家族会議が開かれ、長男にこの先どうするか聞いたところ
「卒業して公務員を目指す」との答え
そんなぁ、翌年受けて受かればいいけど
もしまた受からなければプー太郎ですよね
親としてはとても許すことは出来ないので、夫と話し合い
「留年して、来年は公務員試験だけでなく企業も受ける
そして公務員試験に失敗したら、企業に就職する」
ということを提案したのです
長男は思いがけない提案にビックリ
そして留年なんて恥ずかしいことはしたくない、と抵抗しました
それでも、「新卒でなければ企業は採用しない」と説得し
なんとか長男も留年することを了解したのです
ところがよくよく聞いてみると
卒業に必要な単位は3年終了時に全て取得し
残っているのは卒業論文だけとわかりました
卒論はよっぽど悪くなければ、簡単に取得できるとのこと
で、私の提案は・・・
「先生に頼んで単位を落としてもらいなさい」
というわけで、翌日長男は教授に会いに行き、事情を話したところ
了解してくださり、留年することが決まりました
「今まで単位をください、と言ってきた学生はいたけど
単位を落としてください、と言ってきたのは君が初めてだよ」
と教授は笑っていたそうです
そしてその日から新たな就職活動を始め
それこそまたまた、本当に本当に、胃が痛くなるほどの
大変な大変な日々を過ごしましたが
なんとか翌年の5月にある企業から内定をもらうことが出来たのです
そうしたら長男。その企業をメチャメチャ気に入り
「僕は公務員は向いてないみたい
」ということで
公務員試験は綺麗さっぱり取りやめて、
その企業に就職することにしたのです
それだったら最初から企業を受けろォ~
と思った私ですが
まあ、それでも行き先が決まったから万々歳でした
長男が留年すると聞いて
不本意な企業に就職が決まっていた大学の友達二人も
内定を辞退し、留年して、翌年希望の会社に就職を決めたので
お役に立てて、まあ良かったかなと思っています
そんなこんなのドタバタを思い出した今朝の記事でした
でも今はいいですねぇ
「希望留年制度」というのを設けてる大学があって
留年分の授業料を安くしてくれるんですか
長男の時はちゃんと1年分支払いましたからね
でも1年余分に負担をかけ、悪いと思ったようで
留年時の長男はお小遣いを辞退して、アルバイトで稼ぎ
学生時代の国民年金も後に自分で払ってくれたので
トータルとしてはそれ程の負担じゃなかったかもしれないですね
今考えると、あれはあれで長男にとっていい経験だったのかな
と思っています
だから就活で苦労している学生さん、大変だと思うけど
どうぞいい思い出になるよう、諦めずに頑張ってくださいね
次男の友達も、頑張れ
新卒絶対主義は、いつまで?