薬剤師会の医薬品情報に、またまた漢方薬の副作用情報
間質性肺炎のことが載ってるけど…なんだかなぁ
抑肝散を300日とか9ヶ月とか投与してる
しかも患者さんは70代、80代のお年寄り
そんなに長く飲み続けたら間質性肺炎になるわよねぇ
抑肝散には
柴胡(サイコ)という生薬が含まれているから
長期に服用してはいけない処方なんですよねぇ
何故かというと「乾燥させる生薬」だから
湿(余分な水分)を取り除くために(燥湿)使われる生薬なのです
だから余分な水分が無いのに飲み続けたら乾燥して
色々なトラブルが起きてきます
特にお年寄りの場合は、身体に水分が足りなくなっているから
呼吸器系や消化器系が乾燥状態になり
空咳や便秘になり、酷くなると間質性肺炎になってしまうのです
他にも
半夏(ハンゲ)、
黄芩(オウゴン)、
黄柏(オウバク)
などの生薬が乾燥させると言われています
だから余分な水分が取り除かれたら
速やかに服用は中止しなくてはいけないのです
もちろん、この処方だけに限らず
漢方薬は漫然と長く飲み続けるお薬ではなく
治ったら止めるお薬なのです
それなのに、降圧薬や糖尿病薬のように
薬によって健康な状態が維持出来ると考えて
長期に服用させる医師が多すぎるんですよね
お陰で正しく漢方薬を使ってる人達まで迷惑を被ってるんだゾォ~
ホント勘弁してください
と、ご立腹の私なのです
何度も言いますが、漢方薬は漫然と長期に服用するお薬ではありません
症状が良くなったらやめて構わないし
やめなくてはいけない処方がたくさんあります
少なくとも2週間ごとに不都合な症状が出てきていないかを診て
見直しをしていかなければいけないのです
飲み続けていいかどうかわからない場合は
味を聞いてみましょう
漢方薬は症状に合っている時は甘いのですが
症状に合わなくなったら、苦くなったり酸っぱくなったり
とにかく不味くて飲めなくなります
だから「なんの味もしない」なら特に問題は無いけど
美味しくなくなったら「証」が変わっているので止めるか
違う処方を検討してください
間質性肺炎は、呼吸器系が乾燥した状態なので
呼吸器系を潤す、
麦門冬湯が効く、と言われています
また中医学では、肺と大腸は、臓腑の関係と言って
親と子のような関係のため
肺に乾燥状態が起きると、大腸も乾燥状態になるため
便も乾燥し、コロコロ便(兎糞)になったり
酷くなると出にくくて便秘になりますので
そういう状態になった時も要注意
このような状態も麦門冬湯により改善されるそうです
過去にも
小柴胡湯が肝炎に効く、ということで
多くの医師がたくさんの患者さんに長期に使い
多くのトラブルが起きたため「漢方薬にも副作用が起きる」と
とんでもない汚名を着せられたことがあります
小柴胡湯とは、「肝の湿熱と取る」という処方で
一部の肝炎に効果があり、脚光を浴びたようです
ところがこの処方、
柴胡、
半夏、
黄芩の3つの乾燥させる生薬を含む
思いっきり乾燥させる処方なのです
ですから肝硬変のような、炎症が進んで水分の無い病態に使うのには向かず
もし使いたいなら、水分を補う処方も合わせて飲ませなくてはいけないのです
ところが一部の肝炎に効果があった、ということで
多くの医師が幅広い肝炎の症状に使用したため
小柴胡湯の証に合っていない患者さんが飲み続けたため
間質性肺炎の副作用が出て、問題になってしまいました
もちろん、生薬自身にアレルギーを持つ方もいるので
その中には本当に副作用と言える症状もあったかもしれません
でも間違った使い方(誤治)による結果、
と言える症状がほとんどだと思います
ということで、漢方薬を飲み続ける場合は
便秘、下痢、倦怠感、長引く咳などなど
不都合な症状が出たら、次の診察日まで待たずに医師に相談し
飲み続けたほうがいいか、処方を変えたほうがいいか
検討してもらってくださいね
以上
中医学大好きなlalaからのお願いでした