信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

剣岳 その2

2009年07月01日 22時29分26秒 | Weblog
日曜日に観た映画の剣岳・・・・この映画の影響は大きかった。
娘は翌日友人に誘われていた黒部ダムへあっさり出かけていってしまった。

神奈川にいたときは、憧れの黒四ダムへいつか泊りがけで行こうねと淡い希望を持ち続けていたが、とても遠い存在のままに信州へ移住してしまった。

剣岳の映画を見終ったあと憧れは願望に代わった。
山そのものより、登場人物の生き様に骨抜きになった。
自分の生きてきた過去は一生懸命その時その時を考えてしっかりしていたつもりだが何とあやふやだったか、信念も目標もなく日々を送ってきたのではないか。
グーグルアースで簡単に地図を検索できる時代になったが、明治時代の戦争中に、地図を完成するために命を引き換えに仕事をしてきた人々がいたという史実を初めて知った。

立山信仰という神の住む山に行者以外に人が登るのはたたりがあるとされ登るものは死を持って罰され、死の山といわれていた。

その剣岳が画面いっぱいに迫り、様々な角度からの山々の迫力は2時間余の時間が経つのを忘れて引き込まれた。

香川照之扮する宇治長次郎という山岳案内人と浅野忠信の測量士の役は寡黙でありながら謙虚で、仕事に対する情熱を奥深くしまいこみなかなか見せず、上等な人間性にはこれまで持っていた印象が大きく変わってしまった。
娘は黒部へ出掛け、その後黒部の太陽のドラマを見て、甘い自分の考え方生き方を盛んに反省するようになった。

いい影響である。
この数日、長次郎の謙虚な姿勢を思い出すたびに、仕事場での自分の在り方を学習できる場面にもなる。
誰もが、自分が一番、俺が俺がと前面に出てくる時代、いかに謙虚に生きていくかはとても難しい。
しかしまだまだ60才を過ぎても自分を伸ばすチャンスはあるのだと思うことにした。