昨年、コロナ感染拡大の危機が叫ばれていた時には、徳島県内で県外ナンバーの車両に乗っていると、嫌がらせを受けたり、場合によっては、車に傷をつけられるという噂が流れて、そのおかげもあってか、徳島県内での感染者数は低く抑えられてきたが、ここに来て、感染爆発の様相を呈しつつある。
例えば、徳島県内の昨日のコロナ感染者数は47人と急増しており、しかも入院調整中ということで半ば放置状態にある感染者は、24日時点で151人もいると言う。まさに、家族に感染を広げ、周辺の関係者にも感染が広がりつつある。特に、高齢者のみではなく、中・高校生の間にも感染が拡大中という懸念すべき状態が生じており、これに対して、県は、まんえん等重点措置の適用を26日にも国に要請するとのこと。しかし、如何にも悠長なことではなかろうか。
まんえん等重点措置では、主に飲食店の時短要請が中心となろうが、ここまで感染が広がっては、飲食店中心の措置だけでは効果が限定されるし、既に、他にも感染ルートが移っているのではなかろうか。例えば、サッカーJ1の試合などで感染した人は本当にいないのだろうか。競技場でのトイレや飲食の際に感染機会は無いのだろうか。中学校や高校の部活などでも同様だろう。徹底的に感染を抑止する為には、過去一年間に武漢型のウィルスに取ってきた対策だけでは不十分だと考える。今回の変異型ウィルスの感染力は強く、家族に一人でも感染者がいると同居家族は全員感染すると見なすべきだと思うし、会食の場でも、ほとんどの参加者が感染すると見なしても良いと思う。ここに至ると、先日の県職員や県警の元職員などの送別会で感染が拡大したことは、何とも残念なことだった。更に言えば、屋外でジョギングや散歩をしている人の中にはマスクをしていない人が大半だが、これも、屋外だから感染しないとは言いきれないのではなかろうか。
このように、徳島県内でも、大阪のような感染爆発、医療崩壊の入り口に差し掛かっている。テレビを見ていると、兵庫県の病院でコロナ感染者の入院先がなく、徳島県に受け入れを要請したが断られたという場面があったが、既に徳島県内も医療的に非常事態下にあると認識すべきだ。県外の患者を受け入れるだけの余地はなかろう。
ゴールデンウイークに県外への旅行、県外に住む徳島県出身者の帰省の予定もあろうが、ここは、例えキャンセル料を取られたとしても思いとどまるべきだ。県内にいても安心出来ないし、まして、大阪や兵庫に行くことは、感染の機会を求めに行くのと同じだ。ワクチンの接種の見通しが立たない現状では、これがいつまで続くか判らないが、医療崩壊は、社会全体の崩壊につながる。ここは、我々自らが、自分の身は自分で守るしかない。