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経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

50年以上前に学んだ「国家独占資本主義」論

2022-01-04 18:26:57 | 独り言
学生時代ゼミで社会に出たら学ぶこともないと思い、マルクス経済学をあえて専攻し、資本論を仲間たちと合宿しながら学んだ。
全く理解できず、仲間たちの活発な議論についていけず、ゼミ以外はほとんど音楽クラブでギターを弾いていた。
最近コロナ禍で さらにはオミクロン株など変異株の流行に世界がほんろうされているが、ふとアメリカやヨーロッパなどの資本主義国で、GAFAに対する規制などの記事を見るたびに、ウイズコロナ、アフターコロナ時代における彼らの変化に注目せざるを得ない気持ちが湧いてきた。
それは非資本主義国家でもある中国やロシアの経済発展の陰りと、軍備の増強策のためでもある。
学生時代に学んだはずであるが、国家独占資本主義は,GAFAに見られるような独占的資本が「独占利潤の追求とその存立の基盤である資本主義体制の維持を目的に,国家権力を従属させ経済社会に支配力を確立している資本主義」のことで,「資本主義の最高の発展段階」であり「独占資本主義の高度な形態である」とされ、第2次大戦以降国家による経済への政策的介入や規制などの制度化が広く進展したといわれている。
近代経済学者などからは、日本などの戦後の成長などの説明ができないなどとマルクス主義的「国独資」論は批判もされているが、資本主義はその発展の過程で資本の集積と集中を進め、巨大資本の登場によって過剰な資本を抱えた経済になり、現在のような経済停滞社会の中では過剰な資本を抱えたままで、利益を生むために資本投下先を探す必要に直面している。
その資本投下先を入手するため、すでに「死滅しつつある資本主義」としての政策的延命策は軍事経済化に再度進む可能性もあるが、幸いにも今世界はSDGやESGなど地球環境や人間中心社会への意識が高く、経済活動の停滞化を新たな持続可能な社会の実現に向けてトレードオフの関係にもなる課題を解決しようとしている。
中国や北朝鮮などの動きが気になるが、国家の機能が従来BATHのような独占資本のために役だったことは否定しないとしても、中国の最近の動きはそうした巨大資本に対して規制を強化しており、ただ民間資本であるが故にかもしれないが、変化もみられる。ただ「共同富裕」政策が中国をどの様に変えていくのか、一帯一路政策同様注目に値する今後の政策ではある。
資本主義の将来がどのように変化していくのか、世界の動きを見ていると、何か新たな変化が起こりそうな予感がする。
そのためか「国家独占資本主義」論をふと思い出し、アメリカの動き、中国の動きなど、世界の大国がどのように変化していくのか、その中で揺れ動く日本の立ち位置はどうあるべきか、新年の初めに当たって、つい気になってしまった。
良い方向に進む社会の実現に期待したいものだが・・・・
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