1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

吾唯足知

2015-10-15 00:43:27 | 独り言
世界一貧しい大統領のことを考えながら、京都の龍安寺にある「蹲(つくばい)」のことを思い出しました。

昔は、「吾唯足るを知らず」と勝手に読み、現状に満足せず、前進あるのみなどと考えていました。

ある時、その考えが間違っていることに気づかされました。

「吾唯足るを知る」と読み、満足することを知っているものは、たとえ貧しくとも幸せであり、満足を知らないものは、たとえ金持ちでも不幸であるとの意味だとある人から教えられました。

非常に恥ずかしい思いをしましたが、いい歳をして自分では、自分の若き頃の考え方は間違いではなかったなどと思ったりしていました。

世界一貧しい大統領の話を知ったとき、また現実の彼の生き方を本で読みTVなどで見たとき、非常に複雑な気持ちを抱いたのも事実です。

資本主義の中で生きる現実は、お金が必要であり、将来に備える必要があります。

現状に満足していて、成長はあるのかと思ってしまいます。

皆さんに将来の不安はないでしょうか。

定年を迎え、年金をもらいながら、今の若い人たちの将来を考えたとき、まだ仕事をしているから生活できる自分と、もし蓄えも少なく、年金も少なく、稼ぎもできない時代が来たら、今の若い人たちはどうなるのでしょうか。

少しでも豊かな社会を送ることのできた時代を知っている我々こそ、その時代を知らない若者たちに、裕福とは言わずとも、心豊かな、安定した生活を楽しく送ってほしいもの。

中小企業の支援活動を行いながら、70%の企業が赤字で苦しむ現状、事業再生の要請があるたびに複雑な気持ちになります。

少しでも前向きな気持ちのある社長は、改善も早いのですが、方向性を見失い、どうしてよいかややあきらめ感のある社長の事業回復はやはり遅く進みません。

そこには従業員の方やその家族の生活があります。

守るべき生活の糧を、失おうとしているのに、なんとのんきな人の多いこと。

金融機関が引導を渡せない時代のためか、余計に企業の最後を、社長の最後を厳しいものにしているケースが多々見られます。

自己破産にもお金が必要な時代。

生活保護費用が中小企業の新人やアルバイト費用より多い場合もある現在、若い人たちはどのような生き方を望んでいるのでしょうか。

若くて目的意識を持った人には好感が持てますが、だからと言って、若いときにどれほどの人が人生の目標を持つことができるのでしょうか。

会社を卒業して初めて、すべてに感謝の気持ちが持てるようになり、反省する毎日。

結構わがままを許してくれた企業、何でもやらしてくれた企業、それなのに、いつまでも満足できず、斜に構えて会社を見ていた自分。

今、若き後輩に助けられ、結果仕事が続けられているのに、どのような恩返しができるのか・・・・

吾唯足るを知らず。

結局は自分の足らなさを知り、何もできない自分を情けなく思う現実。

中小企業の支援、農業の活性化をテーマにしているといいながら、結局「吾唯足知」ではなく、足るを知らずではないか。

一生かかっても悟ることはできそうにありません。

うーーん、困ったもんだ。





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世界一貧しい大統領、世界一心豊かな人

2015-10-11 23:22:01 | 独り言
世界一貧しい大統領と言われたウルグアイの元大統領ムヒカ氏、彼の生き様を本やTVで見ながら、真の豊かさとは何かを考えさせられました。

今ある「消費主義社会」、お金を稼ぐことが豊かになることと資本主義の社会では教えられてきました。

それは、「心の豊かさ」を忘れ、お金で物を買うことが豊かだと教えられてきた気がします。

ムヒカ氏の生き方、考え方を知るたびに、現代社会の抱えた問題点を、鋭く突いているというよりも、グサッと自分の胸に刺さる気がします。

一番堪えた言葉は、「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ。」いう言うスピーチです。

幼くして日本人を知り、日本のことを学んだ彼が、今日本人は心を失ったと語ります。

人口減少社会、少子高齢化社会、豊かと思われた高度成長期を過ごした我々団塊の世代が、残したものは何か、若者たちの将来に対する悩みは、我々が作ったものにほかなりません。

過去に努力してきたことは、自分の豊かさを求めてきたことであり、企業に利潤をもたらす方法を教えることでした。

ムヒカ氏の言葉を読み返すたびに、これからの残された人生の生き方を問われている気がしてなりません。

中小企業の支援と農業の活性化をテーマに、コンサルタントとして活動してきましたが、しっかりした企業理念を語る社長にどれほどお会いしてきたか、今後もテーマは変えずに接し方の工夫をしていこうと強く感じています。

先日お会いしたデザイン会社の若い社長から、大きな刺激をもらいました。

地球環境の保全のための社会貢献、その貢献を通じて、彼らは企業連携し、世界にその輪を広げていこうという試み。

次代を背負う若者たちは捨てたものではないと、いつも感じます。

そうした彼らの力を思い切り発揮してもらえる、「心豊かな社会」の到来を、大いに期待したいもの。

世界平和はそうした「豊かな心」から生まれるものであり、消費社会からは生まれるものではないことを知りました。

生きているものが大切、生きているものこそ大切にしなければならないこと。

現代の問題点を浮き彫りにした彼の言葉。

力ではなく、心の愛、心の豊かさでつながること、今まだ少数派の考えが、いつか新たな時代の到来を予言しているようでなりません。

世界が変わらなければ、そのためには少しでも自分も変える必要があることを実感した次第です。

世界一貧しい大統領は、世界一心の豊かな人でもあったと思います。

現在社会において、どこまでこうしたムヒカ氏の思いや考え方が広がるのかわかりませんが、一人でも多くの人に気づいて欲しいことではないでしょうか。

今まで生きてきた自分が恥ずかしいけれど、彼のような生き方もできない自分がそこにいることもまた実感。

人生とは・・・・

残された日々の過ごし方を余計に悩むこの頃ではあります。




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