1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

戦略の創造学

2020-05-13 10:45:30 | 独り言
東洋経済より山脇秀樹さんの「戦略の創造学」という本が出版されました。
以前世界最先端の経営学という入山章栄さんの本を紹介しましたが、その本の中でMBAで学ぶ人たちや学者はドラッカーについて知る人も評価する人も少ないと触れられていたと思います。日本でなぜあれほど経営者をはじめ多くの人に共感を呼んだドラッカーがなぜ評価されていないのか疑問に思っていましたが、今回、山脇さんの本で理由が分かってきました。いろいろな事業を経験しCが頭につく、つまりCEOなどのトップエグゼクティブなどになると、MBAで学んだ競争戦略などの勝ち続けるための知識よりも、ドラッカーの経営者目線などで見たマネジメントの世界にそうした立場になってこそひかれていくのだということ。
更に、デザイン思考のセミナーなどで日本の失われた30年についてお話してきましたが、日本での受け入れ方の問題、理解の仕方など、山脇さんの実体験からくる問題点など、自分自身気が付かなかった点や、経営者が総合的に事業を進める中で必要な知識の流れを非常にわかりやすく解説されているのに感動しました。
今までセミナーなどで伝えたかったことはこれだと感じたからでもあります。
本の帯に書かれているのですが、引用すると、「デザイン思考、ドラッカーのマネジメント、そして競争戦略。この3つは、時と分野を隔てて構築されたものですが、そのそれぞれの本質を紡ぐ糸になり、その意図を織ると普遍的な戦略モデルのキャンパスとなるのです。そして、その3つの嗜好を組み合わせたキャンパスの上に、新しい世界観と意味を創り、それに基づいた目的とビジョンを達成するための戦略を構築していきます。」と書かれています。
コロナウイルスで世界中が苦しめられていますが、中国をはじめアメリカではしたたかにコロナ後を見据えた企業戦略が進められています。
ニーマンマーカスなど昨年ニューヨークに店舗を開設したばかりなのに、その老舗百貨店が倒産する中で、ルイヴィトンモアヘネシーグループのセフォラ等JCペニー百貨店などからテナント撤退を始めコロナ後の展開を考えた店舗展開を考えた動きが出てきたり、アマゾンが買収したホールフーズやクローガーなどはオンラインのフルフィルメントに対応するためいくつかの店舗を閉じていますが、これらの店舗は一般向けの販売を停止しながらも、商品を取り揃えて社員がオンライン販売のフルフィルメント業務にあたる「ダークストア」として機能させるなど、実はそこを将来の活動を見据えたいろいろな拠点としての動きなどコロナ後に対する動きが垣間見えてきています。。
5G(まだローカルだと思いますが)を活かした新たなビジネスモデルの展開など、水面下での動きを皆さんの会社では把握し、対応されているでしょうか。
コロナ後の消費者の動きがどのように変化していくのか、それに対応する企業の動きはどうなるのか、「すでに起こっている未来」を予測され動いていらっしゃるでしょうか。
政府や行政の批判をしている間に、ライバルは先を見越した動きを見せているのでは・・・
皆さんの企業は、そしてみなさんはいかがでしょうか?
山脇さんの「戦略の創造学」を読みながら、ふと感じた次第です。
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