2008年 02月 02日
小林節太郎という財界人
アルルの男・ヒロシです。
小林節太郎という財界人がいる。
この人は、富士ゼロックス相談役の小林陽太郎の父親である。節太郎は、兵庫県生まれで、関西学院高等商業部を出た後は、貿易会社の「岩井商店」に入社。昭和2年から7年間、ロンドン支店に勤務した、グローバル・ビジネスマンである。この間、欧州各国に「大日本セルロイド」の製品を売り込んだ。帰国後は、この取引先のセルロイド会社に移籍、同社の写真フィルム部が分離して出来た会社が、「富士写真フイルム」で、昭和12年には彼はこの新会社のボードメンバーになっている。
※ 富士写真フィルム (1934年創業) 初代社長:浅野修一・取締役:小林節太郎
やがて、節太郎は戦後の1960(昭和35)年にようやく同社の社長に就任する。1958年には既に同社は米国進出を果たしていた。2年後の昭和37年には、イギリスの「ランク・ゼロックス」社と合弁会社を設立している。これが、あの富士ゼロックスである。
そして、節太郎の「ご子息」が、あの小林陽太郎と小林奎二郎(けいじろう)である。陽太郎は、以下のような経歴の持ち主である。宗教はローマン・カトリックであり、日米欧三極委員会の欧州メンバーのピーター・サザランドと一緒である。
1933年ロンドン生まれ。56年慶應義塾大学経済学部卒業、58年ペンシルベニア大学ウォートンスクール修了、同年富士写真フィルムに入社。63年富士ゼロックスに転じ78年代表取締役社長、92年代表取締役会長、2006年4月相談役最高顧問に就任。社団法人経済同友会前代表幹事。三極委員会アジア太平洋委員会委員長、新日中友好21 世紀委員会日本側座長なども兼任。
そして、この陽太郎の実弟・奎二郎は、以下に引用する新聞記事が報じるように、ホテル・オークラで「拳銃自殺」したことになっている。
(貼り付け開始)
▼富士ゼロックス会長の実弟夫婦心中 拳銃使用しホテルで(共同通信)
2003年3月8日配信
8日午後3時15分ごろ、東京都港区六本木のホテルオークラ別館の11階の部屋で、会社社長小林奎二郎さん(66)=世田谷区下馬=と妻の華子さん(71)がベッドの上で口と耳から血を流して死んでいるのが見つかった。
小林さんは右手に拳銃を握り締めており、警視庁赤坂署は小林さんが華子さんを射殺した後、自殺したとみて動機や拳銃の入手先などを調べている。遺書はなかった。
小林さんは富士ゼロックス会長で経済同友会代表幹事の小林陽太郎氏(69)の実弟。プラスチック材卸売業「アトラス」の社長で、富士ゼロックスと取引があるという。夫婦は数年前から同ホテルに長期滞在していた。
調べでは、小林さんが華子さんの口に銃口を当て拳銃を発射。自分も同様の方法で自殺したとみられる。2人とも普段着姿で、遺体の状況から死後数時間以上経過しているという。(共同通信)
(貼り付け終わり)
この後数ヶ月して、「警視庁赤坂署は19日までに、小林さんに拳銃を売ったとして東京都内の会社社長(56)と別の会社の社員(57)の男2人を銃刀法違反容疑で逮捕した」という記事が出ていた。
曾野綾子氏は、この事件について以下のような回想を寄せている。
「大きなショックは9日付けの新聞で、小林奎二郎・華子夫妻の拳銃自殺を読んだことである。小林華子さんは、重光葵元外務大臣の長女。聖心時代は私の1年下級生で背が高い品位のある少女だった。
70年の年月を生きると、現世で何が本当に価値あることか自然眼が見えて来る。華子さんは端然と夫に撃たれて亡くなったらしい。私は人の心は憶測しないことにしているが、何も抗った跡がないということは、もう何もかも重荷になったということだろう。」(日本財団HP)
この「自殺」については理由も含めて詳しいことは全く分からないのだが、場所がホテル・オークラということから、米国大使館がらみかとも思わせるが、こんなネット記事もあった。韓国の暴力団との金銭トラブルを示唆する内容である。ただ、胃ガンだったとも書かれているし、単に愛妻と共に心中するつもりだったという線も捨てきれない。
(引用開始)
(2003/3/15) 老夫婦の拳銃心中と
東邦金属の鉄砲事件
東京都港区六本木のホテルオークラ別館
その夫婦は、正午のチェックアウト時間を過ぎても、部屋から出てきません。
2003年3月8日午後3時15分頃
ホテルマンが、マスターキーで扉を開けると内側からチェーンがかけられています。
鏡に、人が倒れている姿が写ります。
チェーンを切断して、中に踏み込むと・・・
密室の中で、老夫婦が拳銃で撃たれ、血まみれになって息絶えていました。
既に硬直した夫の手には、拳銃。
老夫婦の心中です。
妻・華子(71)は重光葵元外相の娘です。
そして、夫・小林奎二郎(66)は、富士ゼロックス会長・小林陽太郎氏(69)の実弟。
小林奎二郎は、アトラスの社長。アトラスは富士フイルムや富士ゼロックスと取引のある会社です。
奎二郎は、胃癌の宣告を受け、手術する予定でした。
華麗なる閨閥を持つ二人が何故死を選んだのか?
遺書はなく、動機は不明です。
小林奎二郎氏は、THKの寺町氏に近い仕手筋として、有名でした。
奎二郎氏は、東邦金属の鉄砲事件を巡り、韓国の双龍証券から訴えられたことがありました。
http://j_coffee.at.infoseek.co.jp/kabutochou11.html
(引用終わり)
小林陽太郎は、グローバリストであるから、首相の靖国参拝を取りやめるようにせよというアメリカのグローバリスト財界人の要請には忠実で、そのために家に火炎瓶を投げ込まれたこともある。なぜなら、世界の工場である中国との取引関係があって、日米中の経済トライアングルは完結するからである。
そして、富士ゼロックスのグループ企業が富士フイルムであるが、この2社は、持株会社の富士フイルムホールディングスの子会社である。現在のホールディングス会長は、古森重隆という財界人で、1963年に節太郎時代の富士フイルム(当時は「富士写真フィルム」)に入社した生え抜き経営者である。2000年に社長、2006年に社長兼CEOに就任している。
古森重隆氏は、NHK経営委員会の委員長も務めているが、この古森氏に委員長の職を委嘱したのは、当時の総務大臣だった菅義偉(すがよしひで)衆議院議員である。
つまり、古森氏という財界人は日米パイプ企業の富士フイルム・富士ゼロックス社のネットワークに所属しており、相談役である小林陽太郎との近しい関係にあるようだ。
最近、なぜ古森氏がよくマスコミに登場するのか、その理由が分かったように思える。そして、なぜNHKがらみの不祥事が報道されるようになったのかも。
さて、本日(2日と3日)はNHKスペシャルの再放送があります。皆さん、録画予約はお済みですか?
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この人は、富士ゼロックス相談役の小林陽太郎の父親である。節太郎は、兵庫県生まれで、関西学院高等商業部を出た後は、貿易会社の「岩井商店」に入社。昭和2年から7年間、ロンドン支店に勤務した、グローバル・ビジネスマンである。この間、欧州各国に「大日本セルロイド」の製品を売り込んだ。帰国後は、この取引先のセルロイド会社に移籍、同社の写真フィルム部が分離して出来た会社が、「富士写真フイルム」で、昭和12年には彼はこの新会社のボードメンバーになっている。
※ 富士写真フィルム (1934年創業) 初代社長:浅野修一・取締役:小林節太郎
やがて、節太郎は戦後の1960(昭和35)年にようやく同社の社長に就任する。1958年には既に同社は米国進出を果たしていた。2年後の昭和37年には、イギリスの「ランク・ゼロックス」社と合弁会社を設立している。これが、あの富士ゼロックスである。
そして、節太郎の「ご子息」が、あの小林陽太郎と小林奎二郎(けいじろう)である。陽太郎は、以下のような経歴の持ち主である。宗教はローマン・カトリックであり、日米欧三極委員会の欧州メンバーのピーター・サザランドと一緒である。
1933年ロンドン生まれ。56年慶應義塾大学経済学部卒業、58年ペンシルベニア大学ウォートンスクール修了、同年富士写真フィルムに入社。63年富士ゼロックスに転じ78年代表取締役社長、92年代表取締役会長、2006年4月相談役最高顧問に就任。社団法人経済同友会前代表幹事。三極委員会アジア太平洋委員会委員長、新日中友好21 世紀委員会日本側座長なども兼任。
そして、この陽太郎の実弟・奎二郎は、以下に引用する新聞記事が報じるように、ホテル・オークラで「拳銃自殺」したことになっている。
(貼り付け開始)
▼富士ゼロックス会長の実弟夫婦心中 拳銃使用しホテルで(共同通信)
2003年3月8日配信
8日午後3時15分ごろ、東京都港区六本木のホテルオークラ別館の11階の部屋で、会社社長小林奎二郎さん(66)=世田谷区下馬=と妻の華子さん(71)がベッドの上で口と耳から血を流して死んでいるのが見つかった。
小林さんは右手に拳銃を握り締めており、警視庁赤坂署は小林さんが華子さんを射殺した後、自殺したとみて動機や拳銃の入手先などを調べている。遺書はなかった。
小林さんは富士ゼロックス会長で経済同友会代表幹事の小林陽太郎氏(69)の実弟。プラスチック材卸売業「アトラス」の社長で、富士ゼロックスと取引があるという。夫婦は数年前から同ホテルに長期滞在していた。
調べでは、小林さんが華子さんの口に銃口を当て拳銃を発射。自分も同様の方法で自殺したとみられる。2人とも普段着姿で、遺体の状況から死後数時間以上経過しているという。(共同通信)
(貼り付け終わり)
この後数ヶ月して、「警視庁赤坂署は19日までに、小林さんに拳銃を売ったとして東京都内の会社社長(56)と別の会社の社員(57)の男2人を銃刀法違反容疑で逮捕した」という記事が出ていた。
曾野綾子氏は、この事件について以下のような回想を寄せている。
「大きなショックは9日付けの新聞で、小林奎二郎・華子夫妻の拳銃自殺を読んだことである。小林華子さんは、重光葵元外務大臣の長女。聖心時代は私の1年下級生で背が高い品位のある少女だった。
70年の年月を生きると、現世で何が本当に価値あることか自然眼が見えて来る。華子さんは端然と夫に撃たれて亡くなったらしい。私は人の心は憶測しないことにしているが、何も抗った跡がないということは、もう何もかも重荷になったということだろう。」(日本財団HP)
この「自殺」については理由も含めて詳しいことは全く分からないのだが、場所がホテル・オークラということから、米国大使館がらみかとも思わせるが、こんなネット記事もあった。韓国の暴力団との金銭トラブルを示唆する内容である。ただ、胃ガンだったとも書かれているし、単に愛妻と共に心中するつもりだったという線も捨てきれない。
(引用開始)
(2003/3/15) 老夫婦の拳銃心中と
東邦金属の鉄砲事件
東京都港区六本木のホテルオークラ別館
その夫婦は、正午のチェックアウト時間を過ぎても、部屋から出てきません。
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ホテルマンが、マスターキーで扉を開けると内側からチェーンがかけられています。
鏡に、人が倒れている姿が写ります。
チェーンを切断して、中に踏み込むと・・・
密室の中で、老夫婦が拳銃で撃たれ、血まみれになって息絶えていました。
既に硬直した夫の手には、拳銃。
老夫婦の心中です。
妻・華子(71)は重光葵元外相の娘です。
そして、夫・小林奎二郎(66)は、富士ゼロックス会長・小林陽太郎氏(69)の実弟。
小林奎二郎は、アトラスの社長。アトラスは富士フイルムや富士ゼロックスと取引のある会社です。
奎二郎は、胃癌の宣告を受け、手術する予定でした。
華麗なる閨閥を持つ二人が何故死を選んだのか?
遺書はなく、動機は不明です。
小林奎二郎氏は、THKの寺町氏に近い仕手筋として、有名でした。
奎二郎氏は、東邦金属の鉄砲事件を巡り、韓国の双龍証券から訴えられたことがありました。
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(引用終わり)
小林陽太郎は、グローバリストであるから、首相の靖国参拝を取りやめるようにせよというアメリカのグローバリスト財界人の要請には忠実で、そのために家に火炎瓶を投げ込まれたこともある。なぜなら、世界の工場である中国との取引関係があって、日米中の経済トライアングルは完結するからである。
そして、富士ゼロックスのグループ企業が富士フイルムであるが、この2社は、持株会社の富士フイルムホールディングスの子会社である。現在のホールディングス会長は、古森重隆という財界人で、1963年に節太郎時代の富士フイルム(当時は「富士写真フィルム」)に入社した生え抜き経営者である。2000年に社長、2006年に社長兼CEOに就任している。
古森重隆氏は、NHK経営委員会の委員長も務めているが、この古森氏に委員長の職を委嘱したのは、当時の総務大臣だった菅義偉(すがよしひで)衆議院議員である。
つまり、古森氏という財界人は日米パイプ企業の富士フイルム・富士ゼロックス社のネットワークに所属しており、相談役である小林陽太郎との近しい関係にあるようだ。
最近、なぜ古森氏がよくマスコミに登場するのか、その理由が分かったように思える。そして、なぜNHKがらみの不祥事が報道されるようになったのかも。
さて、本日(2日と3日)はNHKスペシャルの再放送があります。皆さん、録画予約はお済みですか?
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