UBS、日本でのLIBOR不正操作認める公算=関係筋
2012年 12月 15日 09:26 JST
12月14日、関係筋によると、スイスの金融大手UBSは、日本子会社でトレーダーが円建てLIBORとユーロ円取引を不正操作していた疑いについて犯罪行為を認め、10億ドルの罰金を支払うことで和解する見通し。チューリヒで4日撮影(2012年 ロイター/Arnd Wiegmann)
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[チューリヒ/ロンドン 14日 ロイター] スイスの金融大手UBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)は、日本子会社でトレーダーが円建てLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)とユーロ円取引を不正操作していた疑いについて犯罪行為を認め、10億ドルの罰金を支払うことで和解する見通し。関係筋が14日、明らかにした。
UBSによる金利操作をめぐっては、日本の証券取引等監視委員会が昨年12月、UBS証券の元トレーダーが在職中に、東京銀行間取引金利(TIBOR)を変動させるため他行を含む銀行職員に働きかけていたとして、TIBORとLIBORに関連したデリバティブ取引について1週間の業務停止命令を出した経緯がある。
関係筋によると、UBSは和解のため、早ければ週明け17日にも10億ドルあるいはそれ以上の金額を支払う見通し。
和解は米司法省、米商品先物取引委員会(CFTC)、米証券取引委員会(SEC)、英金融サービス機構(FSA)およびスイスの金融市場監督当局(FINMA)との間で結ばれる見通しだが、スイス当局は銀行に罰金を科す権限を持たないという。
また一部の関係筋によると
日本の当局も関与しているが
罰金適用に正式に関わっているかは明らかでない。
さらに、UBSがLIBOR操作で中心的な役割を果たしていた疑いがカナダ当局の文書でこれまでに示されていることから、和解には円建て以外のLIBORが含まれる可能性もあるという。
UBSと米欧当局はいずれもコメントを控えた。
LIBOR不正操作問題をめぐって罰金などの支払いを求められたのは現時点で英バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)のみで、UBSが和解で合意すれば2行目となるが、米英当局への支払い額はバークレイズの4億5000万ドルの2倍以上になる。これは、UBSの不正行為がバークレイズのケースよりも広範である可能性を示唆している。
関係筋によれば、UBSは業界全体に及ぶ捜査に協力することで処分が軽減されることを期待していたため、10億ドルと予想される罰金の大きさに驚きを示している。
UBSは日本子会社について不正を認める一方、グループ全体での不正を認めるには至らない見通しだ。
関係筋によると、UBSに対する捜査では2006年から09年まで同社で勤務し、その後シティ・グループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)に転職したトレーダー、トマス・ヘイズ氏が焦点となっているが、他の職員も対象となっている。ヘイズ氏はLIBORなどの金利不正操作に関連し今週英国で逮捕されたうちの1人とみられている。
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