園芸ケアの模索~based on Horticultural Therapy~2nd season

ひとと緑のコラボレーション 園芸療法。ひととコミュニケートするツールとしての園芸のかたちを模索中です。

〈園芸のじかん〉 Special!

2009-05-24 22:56:16 | 活動のひとこま
 母の日の5月も残りわずかでしたが、母娘(あるいは義母/嫁や母/息子,父/息子)の交流行事として、協力して苔玉作りに挑戦する、という会を企画しました。
 
 1か月ほど前から準備を進め、ご家族へ案内したところ、5組6名が参加。
 また、ボランティア2名、スタッフ7名(うち1名は休みの時間を割いてくれました)がご家族の来られない方につくことで、13名の入居者さんとほぼ一対一の作業をすすめることができました。
 
 講師をお願いした Sさんは、TV番組を終えたその足で来られ、迎える参加者(主にサポート役のほう)は少しドキドキ&わくわく!の様子。
 高齢の皆さんにその感動は見られなかったものの、喝舌の効いた解説にはしっかり聞き入っていました。そして、よく作業についていっていました。
 その証拠に、ちゃんと時間通り(約1時間)に、それぞれ手のぬくもりが形になった苔玉ができあがりました。

 実のところ始まるまでは、参加にしり込みする方が部屋へ帰ってしまったり、体調が思わしくなくて予定していた方が来られなくなったり、いつ気分の安定が崩れるか分からない方がいたり、とハラハラした気持ちでした。

 だから、手伝ってくれたスタッフには後で改めて、感謝の気持ちが増しました。
 会場の設営、前の日からの掃除や業務の先取り、片付け、そして共に作業し楽しんでくれたこと。
 会が始まる前のお茶の時間には、歌で気分が上向いたことも、もしかしたら普段より作業への取り組み具合が良くなった方には好影響だったのかも―と推測しています。

 それから今回は、園芸に興味のある友人と母に、ボランティアで手伝ってもらいました。
 不安もあったようですが、植物を介したホームの方との交流に、「野山へ出かけられなくても小さな自然に親しむことができるんですね」という発見や、自分自身の癒しがあったことを、感想として寄せてくれました。

 また地域の元町内会長さんが、苔玉作りへの興味で参加されたことも、今後の展開の糸口になれば…と思うことでした。

 なにより、家族との時間を共有した方は表情が穏やかで、落ち着いた取り組み、またはまだ残された能力の発揮、あるいは「きもちいい」と珍しく手の感触を言葉として発した瞬間などなど、充実したひとときを過ごせていたように見えました。

 会場が水分を含んだ山苔の香りで、一瞬森林浴を思わせました。
「いいにおい…!」とスタッフのひとりも感じたように、植物や自然の産物を利用することは、人間のからだや脳の深くに働きかけ、生命の根っこの部分を刺激してくれる、そんな科学の部分と、人と人とを結び付ける役割を担う部分がある―
その辺りを上手く示していけたらな―と。
 自分への課題を再認識しています。

 とにもかくにも、〈園芸のじかん Special!〉は盛況のうちに終えられたことを、ご報告まで
 


 

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2 コメント

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Unknown (ミントのみん)
2009-05-25 11:19:06
大成功、よかったですね。
準備の時や当日の緊張感が伝わってくるようです。
一部の方とでも、「きもちいい」という手の感触や匂いの感覚が共有できたらすばらしいことです。ご高齢の方は自然との結びつきを強く持っていらっしゃるでしょう。
私の住む都会では、若い人(という言い方はよくないかもしれませんが)が自然を知らずに育っていて、将来こういう感覚がなくなっていくのではないかと、時々心配になります。
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感覚の大切さ (Qです)
2009-05-25 23:39:01
ミントのみんさん、コメントありがとうございます。
確かに高齢の方は町中のご出身でも、やはり季節の食べ物や行事が生活にあって、それが自然との結びつきになっていた部分があるからでしょうね。
私個人も、子供時代にまだそういった環境が残っていたおかげで、少しは想像がつきます。
自然を知らない感覚は、味気ないし怖い気がします。
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