園芸ケアの模索~based on Horticultural Therapy~2nd season

ひとと緑のコラボレーション 園芸療法。ひととコミュニケートするツールとしての園芸のかたちを模索中です。

障害者と野菜作り~相談援助実習から その②~

2009-11-08 13:58:36 | 社会福祉士通信制の学び
 「起承転結」の「承」の1週間も無事終了。
 日誌を仕上げるのに毎晩苦闘し、睡眠不足気味
 でも折り返し地点まできました。

 この週も園芸部門での支援が1日ありました。
 週末のバザーに出す野菜の準備に追われ、職員さんも「利用者さんそっちのけだった~。」とこぼしながらの作業。
 みかん、キャベツ、ほうれん草、サラダホウレン草、小松菜、深ネギ、椎茸、菜っぱ、水菜、たけのこ芋、などなどです。

 葉っぱ物は、外側の小さい葉、大きすぎる葉、虫食いの葉、傷んだ葉をはずし、水洗いして土を落とし、余分な茎を切り落とします。
 仕上げたら、重さを計って袋に入れます。
 水気をきって、新聞紙を敷いたダンボール箱に詰め、数を確認して新聞紙で蓋をします。

 こうした一連の、出荷のための工程において、利用者が参加できるのは、
〈運ぶ〉〈葉を取り除く〉〈袋を一枚づつ手渡す〉〈水きり用に袋の角を切る〉〈取り除いた野菜くずを畜産部へ持っていく〉
〈新聞紙を敷く〉〈必要な道具を用意する〉といったことです。

 切ったり、洗ったり、計ったりの、直接商品価値を左右するところには携わりません。
 
 私も、深ネギの葉を切って箱に入れてもらっていたところ、束を数えながらやっているか?を指摘されました。
(生産部分のブレーンらしい職員さんです
 また数えて入れ替えればそれだけ野菜を傷める、ということ。
 そして、出荷までは野菜を立てて保存するなど…
 それだけ、商品として気を遣って栽培・収穫をしなければならないのだと知りました。

 障害者の施設で作るものだから、少々の見栄えは大目に見てもらえる、ということはないのでしょう。
 店頭や市場に出る農家の野菜と肩を並べて、売れるものにするのは、細かな労力が要ります。
 それに利用者が携わるには、ある程度の能力が必要です。

 施設園芸(ビニールハウスなどでの計画栽培)を障害者施設で行うのは、色々とジレンマがありそうです。

 でも、安心しておいしく食べられるのがいいところ。
 昼食に出されるみかんは自然な甘酸っぱさです。
 ひとつ100円で買って帰ったら、小松菜も柔らかく、サラダホウレン草はあくがなくておいしかった!
 作業しながら、利用者さんにそう話しました。

 後半も何か発見があるのではないかと、期待しているところです。


[写真はまだ青いもみじとクロガネモチの小枝に、
ジーン・ロサート著園芸療法研修会監訳
『障害者 高齢者のための バリアフリーガーデニング』“The Enabling Garden”(2002)エンパワメント研究所]