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きまぐれ雑記

日常の出来事と私の好きなものを思いつくままにゆっくり記していきます

万作を観る会

2015-01-18 21:50:18 | 観劇・伝芸
毎年恒例になっている名古屋能楽堂での「万作を観る会」に行って来ました。

かなり久しぶりの狂言会。



万作を観る会は今年で十六回目。


今回のメインは万作さんの「奈須与市語」

奈須語はどちらかというと若い方が演じられる事が多いので萬斎さんや茂山逸平さんの語はこれまでにも観た事はあるのですが、万作さんの語は初めてでした。

奈須の語は一人で四役を語り分けるもので、語る時間も結構長めなので、これまでは途中で長いなと感じる事があったりしたのですが、今日はあっという間に終わってて、こんなに短かった?と思った程でした。

万作さんは現在83歳なのだそうですが、全く年齢を感じさせない動きで見事でした。


その他の番組は狂言の「舟渡聟」と「連歌盗人」の2曲と小舞の「七つ子」と「芦刈」。

「舟渡聟」のシテは石田さん。

石田さんの舅で「舟渡聟」を観たのは初めてじゃないかなあ。
この所、石田さんは名古屋ではあまり役を演じられる事がなかったので久しぶりにお声が聞けて良かったです。

「連歌盗人」のシテは野村萬斎さん。

この曲は初見のような気がしますが、ちょっと可愛い泥棒さんを同じ連歌好きとして許す有徳人もちょっと素敵でほのぼのとする曲でした。


最後のトークの中で「敦」の再演の話も出たのですが、世田谷以外の上演情報は出なくて残念。
世田谷での上演期間が短いので地方での公演があったらいいなと思ってるんですが、ダメかな・・・。
コメント (2)
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狂言ござる乃座 in NAGOYA 17th

2014-05-29 20:37:26 | 観劇・伝芸
今年も25日に名古屋能楽堂で野村萬斎さんの狂言会・ござる乃座を観て来ました。




今年で17回目。


番組は「武悪」と「花折」。シテはどちらも野村萬斎さん。


「武悪」は主人が武悪を成敗するように太郎冠者に命じる所から始まる狂言には珍しい曲ですが、後半には狂言らしいやり取りが繰り広げられ、前半が重い感じなだけに、後半の笑いが際立って感じられるような感じです。

萬斎さんの武悪は前半の力強さと後半の幽霊に化けて登場する場面の軽さのメリハリが効いていて楽しい。

特に後半、どんどんエスカレートして主人から色々貰い受けてしまう時のしてやったり的な表情が印象的でした。



「花折」は謡と舞が多い、狂言らしい楽しい曲。

私の中で花折の新発意は茂山家の茂さんのイメージが凄く強いですが、萬斎さんの新発意も謡と舞が美しく大満足。

この日の立衆は高野さん以外はお顔と名前が一致しない若い方々で、野村家にも新しい方が沢山入られているんだなあと思う反面、最近、石田さんのお姿をあまりお見かけしないなとも思ったのでした。

今回もこの「花折」の住持の役でしたので、最初と最後だけの登場でしたから・・・。

来年のござるも5月の開催予定との事。

何が出るのか楽しみです。
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伝統芸能の今 2014と名鉄ホール

2014-05-19 20:34:24 | 観劇・伝芸
名鉄ホールでの「伝統芸能の今」の2014版公演に行って来ました。

この公演はチャリティ公演でがんの子どもたちのためのゴールドリボンや世界の子どもたちにワクチンを届ける運動をされている団体に売り上げの一部が寄付される形になっています。

チャリティ公演を始められて今年で6年目。名古屋での劇場公演は初めて。

チラシは京都の春秋座のものですが、出演者・内容は名古屋も同じでした。



プログラムは上妻さんの三味線ソロ曲が2曲(津軽じょんがら節とオリジナルの紙の舞)と上妻さんがお囃子に参加される三番三。

上妻さんの演奏で市川猿之助さんが舞う舞踊が2曲(空破と風林火山)。
出演者のトークを挟んで歌舞伎と狂言による「石橋」の上演でした。

私のお目当てはもちろん三番三。

先日市川猿之助さんと野村萬斎さんのスイッチインタビューで能の囃子方と歌舞伎の囃子方の違いは三味線という話をされていて、歌舞伎の方は三味線でカウントを取られるのだそうですが、萬斎さんは三味線が入ると動けなくなると言われていました。
能・狂言では謡でカウントを取るのだそうですが、猿之助さん曰く、謡はお経にしか聞こえないと・・・。

そんなわけで、普段は入らない三味線入りの三番三。

観る機会が訪れるなんて思っていなかったのに名古屋で観られるなんて幸せ。

この先、もうないかもしれないので今回の公演はかなり貴重な公演と言えるかも。

客席から観ている者としては三味線が入っていてもそんなに違和感はなかったのですが、普段入らない三味線の音に逸平くんも当初は多少の戸惑いもあったようなのですが、とても良い三番三だったと思います。

やっぱり摺り足が美しいですね。七五三譲りかも。

演目の中ではやはりこの三番三が一番印象的でした。


この他、舞を舞う猿之助さんの指先の美しさに目を奪われ、初めて聞く生の津軽三味線の力強さに感動しました。

最後の「石橋」では歌舞伎の囃子方の中に亀井さんと傳次郎さんの姿があって、豪華だなと感じたりでずっとワクワク感が続く観劇でした。

この石橋を観ながら、歌舞伎と狂言には共通の演目があるので、猿之助さんと逸平くんが同時に舞台に立つようなコラボもあったらいいのになあと感じていました。

そして又、名古屋でも公演していただきたいです。

でも、会場が無いのかな・・・。


というのもこの公演の前日に名鉄ホールが来春休館するというニュースが飛び込んできたのです。


一応、改修を検討するための休館という事なんですが、改修を必ずするという事ではないみたいなんですよね。

もしかしたら無くなるという事もあるのかも。

確かに古いです。

でも、ここが無くなってしまうと又、名古屋に来る公演が減っちゃう。

刈谷とか稲沢とか言われてもかなり行きづらいし(最近、刈谷が多い)、どうしても観たいという公演じゃないと諦めてしまうかもしれない。

現実的にみても平日の夜公演だけとかになる、行けないですからね。

ここ数年、名鉄ホールのおかげで名古屋に来る公演増えてたのに、又、名古屋飛ばしが復活するかも。

御園座の再建計画にも暗雲がというニュースもあったりして、どうなる名古屋の劇場はという感じの昨今です。

取りあえず、7月に又、萬斎さんの「マクベス」で又、名鉄ホールさんにはお邪魔します。
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万作を観る会

2014-01-27 20:30:54 | 観劇・伝芸
名古屋能楽堂での「万作を観る会」に行って来ました。

今年で15回目。昨年は万作さんの体調があまり良くないとの事で延期になり1年ぶりの開催です。

演目は昨年予定されていたものと同じで、小舞「雪山」「海道下り」、狂言「木六駄」「弓矢太郎」



もちろんメインは万作さんによる「木六駄」

上演時間が長めの番組で普段の狂言会ではあまり上演されない曲なので、これまで観たのは数えるほど。

万作さんのシテで観た事があったかどうかちょっと記憶がないので、もしかして初めてかもしれません。


内容的には太郎冠者が主人の依頼で奥丹後から京都の伯父のもとへ木六駄と炭六駄と酒を運ぶ道中のお話。

何もない能楽堂の舞台に十二頭もの牛を描いてみせなければならない難しい曲なのです。

今回の万作さんの太郎冠者は牛への愛情を持った接し方とゆったりとした舞台運びで見事に舞台上に雪の中を行く牛の姿を描き出しておられました。

老の坂の峠の茶屋で手土産のお酒を茶屋の主人と飲み干してしまうのですが、茶屋の主人が萬斎さん。

この組み合わせで酒を酌み交わすという場面を観るもの実はあまり見慣れない光景のように思えてなんだか嬉しい。

お酒を飲みながら舞を舞ったり上機嫌な太郎冠者の姿が生き生きとして見える。

そして、雪の中で待っていた牛に向かって挨拶をする姿も又、人間味が溢れていて暖かく感じた。

これまでの「木六駄」は雪の中で牛を追う太郎冠者の姿が一番印象的でしたが、今回は太郎冠者の人間味が一番印象に残りました。



もう一つの狂言「弓矢太郎」は萬斎さんがシテ。

臆病者なのにいつも威勢のいい事を言っている太郎をみんなで脅かそうとする話で、和泉流にのみある曲なんだそうです。

天神講の集まりでの話の中で鬼がいるという天神の森の松に扇を掛けに行くことになる太郎。
怖いので鬼の面をつけて出かけますが、脅かす役の天神講の当屋も鬼の面をつけて出かけて鉢合わせに。

そしてお互いが鬼だと思って気絶してしまうが、太郎の方が先に回復して、当屋たちの話を聞いて逆に皆を脅かすのですが、「よし、仕返しをしてやるぞ」という所の萬斎さんの表情がなんとも悪戯っ子のようで生き生きしていたのが印象的でした。


この会はいつも終演後に万作さんのインタビューがあるのですが、今年、初舞台から80年という節目を迎えられるとの事で秋に萬斎さんとの二人三番叟の上演計画があるそうです。

一度、名古屋で上演された事があるのですが、東京で、ご自身の会でされるのは初めてなんだそうです。
私ももう一度観てみたいなと思いました。
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HANAGATA ’13

2013-12-26 20:46:55 | 観劇・伝芸
2013年のラスト観劇は金剛能楽堂。



今年3度目の金剛さんでの公演は茂山家の毎年この時期に行われている「HANAGATA」。

これまでは古典狂言ではなくて狂言の手法を使ったお芝居っぽいものが多かったのですが、今年は古典。

狂言師の修行は「猿に始まり狐に終わる」とよく言われますが、その過程を昼夜公演で上演する企画でした。

昼夜2回を通しで観るとすべてが観られるんですが時間的に夜を観るのは無理だったのでお昼だけに行きました。


お昼は「靱猿」「口真似」「那須語」「蝸牛」の4曲。

これだけでもかなり豪華。

私的には「那須語」が出るのが凄く嬉しい。

この曲、普段はほとんど出会えない。多分、生で観るのは2、3回目ぐらい。

まあ、狂言師というよりは能楽師としての部分なので、演能をあまり観ないから仕方がないですけどね。


さて、この日の舞台。

「靱猿」。この曲は長めの上演時間なのですが、良くまとまっていて何度観ても楽しめるし、猿と猿曳きの関係がほほえましい。

今回は宗彦さんと茂さんが猿曳きと大名をされたのですが、宗彦さんの猿曳きがしっくりとはまっていたが意外というか時の流れを感じました。

2曲目の「口真似」。

この曲は若い人で見る事が多い印象なのですが、今回はHANAGATAの中の最年長者の正邦さんが太郎冠者をされたのでこれまでの「口真似」とはどこか違う落ち着いた中の笑いという感じでした。

そして私にとってのメイン。「那須語」。
逸平さんの語りだったのですが、あっという間に終わってしまって、那須語ってこんなに短かった?と思ったほど。
声の通りも良くて抑揚もメリハリがあって気持ち良かったです。

ラストは「蝸牛」。
これは何度観ても笑える狂言。
何しろ、カタツムリを知らないなんて普通じゃ考えられないですから。
そんな不思議な設定も笑いで包んでしまうのが狂言という所でしょうか。

2013年の観劇納めは気持ち良い笑いの中でした。
やっぱり狂言楽しい。


名古屋の能楽堂には今年1度しか行けてないのに金剛さんには3度もお邪魔しました。

でも、実は今回の狂言会。同じ時期に大阪で観てみたいミュージカルがあってどうしようかとかなり迷いました。

演目によっては見送ろうかなとも思ったのですが、決め手は「那須語」。
これが出るなら絶対にこちらだなと思いました。

どっちにしようかなと天秤にかけたりしてるとそれを知ってるかのような場面に出くわす事がよくあるのですが、今回もそんな感じでしたね。

来年の観劇はどんな感じになるのかな。でも、又、名古屋には観たい作品は来ないんだろうな。
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