名古屋能楽堂での「万作を観る会」に行ってきました。
今回で26回目になります。
演目は「成上り」「月見座頭」「千切木」の三曲。
万作さんがシテをされたのは「月見座頭」。
座頭と月見を楽しんだ男が急転、座頭にいたずらのようないじめのようなイジリをするという話なのですが、いわゆる狂言らしい内容ではないため、上演機会が少ない曲です。
この曲は、人間の善と悪を描いた作品として評価の高い曲でもあるようですね。
万作さんの座頭は少し強めの部分も醸し出した役作りで素晴らしかったです。
数回しか拝見した事のない曲ですが、独自感が感じられました。
「成上り」「千切木」はにぎやかで楽しい曲。
特に「千切木」は萬斎さんと祐基さんが夫婦役での上演で、新鮮というか、この組み合わせは想像していなかったので楽しかったです。
万作さんと萬斎さん親子の共演作をずっと見続けているのですが、お二人が夫婦役での共演作というのはあまり観た記憶がないのです。
今回、萬斎さんと祐基さんの組み合わせで、しかもがっつりセリフを交わすのは観ていて楽しくもあり嬉しくもありました。
今年の万作さんの予定としては、映画になった「川上」が一般公開されるのが一番のニュースのようでした。
狂言が映画になるってどんな感じなのか想像できないですが、観れる機会があるといいな。
満開の桜に囲まれた名古屋城の能楽堂での狂言会はとても素敵な時間でした。
暑くも寒くもない気候だったためか、長い能楽堂への道がいつもより短く感じられましたが、次回は又、1月なので、寒さは避けられそうにないのが、辛いです。