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きまぐれ雑記

日常の出来事と私の好きなものを思いつくままにゆっくり記していきます

平家物語の世界

2016-09-25 19:22:48 | 観劇・ストレートプレイ
名古屋能楽堂で野村萬斎さんと若村麻由美さんの平家物語の世界を観て来ました。



この公演、以前から何度か公演告知を見た事があって、一度見たいと思っていたのですが、1日だけで、平日の夜の上演ばかりだったので見送ってばかりでした。

なので、もし見られるとしたら名古屋で公演がある時かなと思っていました。


そこへ今回、中日新聞さんの130周年の記念事業として名古屋で上演されると知り、チケットを購入しました。

本当は平日の夜ではなくて、土休日のお昼というのが私的にはベストなんですが、これを逃したら観る機会が次あるかどうかもわからないので行くしかないなということで。



最初に萬斎さんと若村さんが公演についての解説というかお話をされて、平家物語を原文のまま演じるので通常の演劇とも違うし、古典芸能でもない作品だという事や、通常の能舞台では使用されない楽器が入るという説明もありました。

又、照明による演出もあるとの事で、能舞台に照明がセットされるという珍しい光景も見ることができました。

何でも、これまで上演してこられた舞台では本舞台の屋根に照明をセットできた所は無かったとの事で、名古屋の能楽堂は珍しいのだそうです。


さて、本編ですが、平家から「巴」と「千手」が上演されました。

「巴」は巴御前が個人的に好きな女性でもあるので、楽しみにしていました。

今回の「巴」は義仲との別れの場面が中心でしたが、きりっとした別れの姿が美しく、とても素敵で切ない気持ちになりました。



「千手」の方はあまり詳しく内容を知らないで拝見したのですが、謡や舞が美しく、初めて聞く楽筝の音がとても心地よくて物語に引き込まれました。

多少、言葉がわからないところもあるのですが、韻があって流れが良いので、ふんわりとした内容が掴めるので気にならず観ることができました。

「千手」は「巴」に比べて上演時間が長いと最初の解説で話されていたのですが、あっという間に終演になっていました。

客席は満席で拍手が鳴り響いていましたが、いつもの狂言会の客層とは少し違うかなという印象でした。


来年の夏に野村萬斎さんの演出で「子午線の祀り」が再演される事が発表されていますが、「子午線」も平家物語の原文を群読する場面が何度もあるので、ますます楽しみになりました。

東京だけじゃなくて地方にも来てほしいな。

マクベス

2016-07-05 20:34:51 | 観劇・ストレートプレイ
兵庫県芸術劇場で野村萬斎さん演出・主演の「マクベス」を観て来ました。

シェイクスピアのマクベスを5人の役者さんだけで上演するという他にはない構成の舞台です。



何度も再演されているのですが、上演のたびに簡素化、洗練されていく感じがあって、満足感が得られる仕上がりになっています。

普通に上演すると3時間は超える戯曲なのに1時間30分ほどに凝縮しても、その世界観は保たれているのは本当に素晴らしいと思います。

今回、マクベス夫人に新しく鈴木砂羽さんが参加されたのですが、初参加の違和感は全くなく、素敵なマクベス夫人を演じておられました。

萬斎さんと砂羽さんといえば「あぐり」を思い出してしまう私ですが、別な形の共演を舞台で拝見する事が出来て楽しかったです。

草枕

2015-07-05 20:11:52 | 観劇・ストレートプレイ
シアタートラムでシスカンパニーの「草枕」を観ました。

「エリザベート」と「1789」を観ると決めた時、もう1本何か観る事が出来るのだけどと思いついたのがこの「草枕」。

以前、舞台チラシを見て、漱石だし、気になるなあと思っていたのでした。



物語は漱石の「草枕」と同じように画工が旅先で温泉宿の女主人と出会う形で進められますが、「草枕」を舞台化しているのではなく、そのエッセンスを取り入れたオリジナルなお芝居。

出演者は主人公を演じる段田さんをはじめ5人ですが、数役を演じる浅野和之さんが、いつものように本当に見事に演じ分けておられて秀逸。

段田さんのお芝居を観るのは本当に久しぶり。

お芝居は本当に的確でいつも安心して観られる方ですね。

今回、初めて生のお芝居を観た、小泉今日子さんはセリフの通りも良くて素敵な女優さんになられていて、近年、女優さんとして評価されているのもなるほどと思えました。

1時間半ほどの作品ですが、しっとりとした風情のある素敵なお芝居でした。

藪原検校とEndless SHOCK

2015-03-09 20:34:50 | 観劇・ストレートプレイ
世田谷パブリックシアターでこまつ座の「藪原検校」を観て来ました。



正直に言いますとこの「藪原検校」というお話、ラストの処刑の場面が苦手なのですが、今回の公演に中越典子さんが参加されるとの事でしたので行って来ました。

関西とかで公演があれば良かったのですが、今回の公演は東京のみでしたので世田谷まで。

最近、東京は帝劇か世田谷パブリックに行く事が多いかも。

実は今回もこの二つの劇場に行きました。

本当は宝塚の「ルパン」も観たかったんですが、チケット取れずで断念。

まあ、それはさておきお芝居の感想など。

お目当ての中越典子さん。

どちらか映像のお仕事を中心されている女優さんと言えると思うのですが、最近、時々舞台の方でもお名前を拝見する事が多くなってきているようでしたので、一度観てみたいなと思っていました。

でも、「藪原」のお市の役というのは私の中にある中越さんのイメージとはちょっと対極にある感じだったのでどうなんだろうと思ったんですが、とても良く通るセリフと声で、お色気たっぷりなお市を素敵に演じておられたので正直びっくりしました。

主演の野村萬斎さんは、普段演じる事のない悪役を楽しんで演じておられるようで、特に早物語の語りは本当に素晴らしいかったです。

狂言師なので当然と言えば、そうかもしれないですが、誰でもできるものではないと思います。

それにしてもラストの処刑の場面はやっぱり苦手。

大きな人形ではあるのだけど、滑稽にはどうしても見えない。

端然と処刑を勧める塙のセリフもちょっと怖いし・・・。

こういう本だから仕方がないんだけど、気分的に暗くなってしまうんです。


 ←世田谷パブリックシアターのロビーカフェ


この藪原を見ているとリチャードを思い出す事がたびたびあるのですが、それは萬斎さんが杉の市だからなのか、この舞台を観る前に「Endless SHOCK」を観たからなのかはわかりませんが、ちょっとだけ帝劇の話も。

今回は2階のA列。

この席、すごく観やすいし、私的にはベストだなと思いました。

ダンスのフォーメーションもフライングもバッチリ観られるし、舞台上の役者さんの表情もオペラを使わずに観られるので常に全体が観られるのです。

そこで観た新しいDancing Broadwayというナンバーのダンスフォーメーションもなかなか素敵でこれはこれで良いかもと思えるようになりました。

もともと、舞台装置のあまりない舞台で踊るシーンが好きなんですよね。私。

それにしてもこの場面も赤と黒が基調になってて、この2色が使われてる場面が増えたけど意図的なのかな。

でも、今回の変更でアメリカが好きだったという声をあちこちで見られてなんだか嬉しかった。
好みが似てる方が沢山あったという事ですものね。

なんだかSHOCKで今年のチケット運はすべて使い果たしているような気がしないでもないですが、本当に良席での観劇で楽しかったです。

それにしてもこの先のチケット運が心配だ。
現実に「ルパン」取れなかったし、「エリザ」も取れないとか無いよね・・・。

5年ぶりの城田トートは絶対に観たいと思っているので、席の位置に注文はありません。
とにかく劇場の座席に座らせて下さい。お願いします。

ショーシャンクの空に

2015-01-12 19:44:21 | 観劇・ストレートプレイ
今年、最初の観劇は名古屋の名鉄ホールでの「ショーシャンクの空に」。



佐々木蔵之介さんと國村隼さんの主演です。

以前にも別のカンパニーで上演されていましたし、映画もあるのだそうですが、私はどちらも観ていないので全く内容を知らない状態での観劇でした。

ショーシャンクにある刑務所の中のお話だという事で、かなり暗い話なんだろうし、暴力とか抑圧とかあったりするので苦手なタイプの物語であ事は間違いないんですが、観てみるとかなり淡々と進行していく感じで、その平坦さの後にくるラストの國村さんのセリフがドーンと胸に響く感じで感動しました。

「希望は死なない」というコピーがチラシにも書かれていましたが、すべてを諦めてすごしていた國村さん演じるレッドが、ラストに「それが私の希望」と発するのですが、その力強さが素敵でした。

彼に希望をもたらしたアンディを演じた佐々木蔵之介さんはショーシャンクに入った時から色を失う感じがあって無表情なんですが、諦めない強さと戦い続ける強靭さが漂っていて凄いなと思いました。

今回の作品の観劇は積極的に行こうという感じではなかったのですが、お二人の演技が観られたので行って良かったなと思っています。

そういえば、脱獄のために壁に穴を掘っていたという所があったりして「モンテクリスト伯」を思い出したりする作品でもありました。



ところで今回の観劇の目的は蔵之介さんの演技を生で観る事が第一でした。

実は私はかなり前に大阪の劇団におられる時に舞台で観ているのですが、その時は、お名前はおろか、出ておられた事も知りませんでした。

その後、朝ドラの「オードリー」に出演された時に、画面に流れたお名前を目にして、あれこの名前どこかで見たような・・・。という事で探してみたら、舞台で観ていた事が判明したのです。

それからずっと一度舞台をと思い続けていたので名古屋で観られる機会がやっと巡ってきたというわけです。

今年は「マクベス」もされるようなのでちょっと観てみたいなと思っています。

地方公演もあるようなんですが、名古屋は無理なのかな。
会場がないですものね・・・。

次は明るい作品も観てみたいなと思いますし、観る気満々だったスーパー歌舞伎、観れなかったので再演希望なんですが、ないのかなあ・・・。