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きまぐれ雑記

日常の出来事と私の好きなものを思いつくままにゆっくり記していきます

キネマと恋人

2019-07-15 20:07:19 | 観劇・ストレートプレイ
「キネマと恋人」の名古屋公演に行ってきました。



2年前の初演の時にも観たくて、ギリギリまで日程調整をしていたけど、結局観られないままでしたので、再演が決まったニュースを見た時はとても嬉しかった。キャストもオリジナルメンバー総出演だし、名古屋市内の公演あるしで本当にありがたかったです。

会場は名古屋市芸術創造センター。

個人的にあまり行く機会のない会場でかつて一度だけ伝芸の公演の観劇で行った記憶がありましたが、その時の記憶よりも地下鉄の駅から近く感じました。


さて舞台はケラさんのオリジナル作品で、映画を見ることで辛い日常を忘れられると話す女性と映画の中から飛び出してきた人物とその役を演じている役者の間で起きる騒動を描いたファンタジーな物語。

ケラさんの演出作品はこれまでにも拝見していますが、すべてオリジナルの作品は初めてかも。

主演の妻夫木さん、緒川さんをはじめとする役者さんが素晴らしいのは言うまでもないのですが、場面転換がスムーズで音楽、映像が上手く取り込まれていてテンポよく物語が進行し、アンサンブルの皆さんが軽いダンスを踊りながら、セットを移動させたりするのが素敵でした。


そして、映画を見ることで現実から離れられるというハルコの思いは、演劇を観ることで現実を忘れられるという会場の観客の思いと一致していて、会場全体がファンタジーに引き込まれているように感じました。

カーテンコールでスタンディングオベーションが起きたのも、この一体感があったからなのかもしれません。

初日でも千秋楽でもない日の公演でスタンディングオベーションが起きるのは珍しいと思います。

まして、名古屋でこんな経験をするなんて、ちょっと不思議でしたが、私も自然に立ち上がって拍手を送っていました。

本当に素敵な観劇空間でした。


物語の中で、妻夫木さん演じる高木高助がハルコに「いつかミュージカルコメディをやりたいんだ」と話す場面がありましたが、少しはケラさんの思いも含まれているのかなと思えるようなミュージカルテイストのある作品でした。

ミュージカル好きな私としてはケラさんに是非、ミュージカル演出していただきたいです。

そうそう、舞台で使用されいる映画の映像の中でワンシーンだけ野村萬斎さんが登場されてて驚きましたが、考えたら、この作品は世田谷パブリックシアターとのコラボ作品ですものね。

ちょっとした遊び心という感じでしょうか・・・。

シャンハイムーン

2018-02-28 20:52:25 | 観劇・ストレートプレイ
世田谷パブリックシアターでこまつ座の「シャンハイムーン」を観劇。


今回の公演は地方公演があるので地方で観るつもりでしたが、愛知が豊橋だったので没となり、関西は平日公演のみだったので結局、東京観劇になりました。




物語は魯迅の晩年の生活を描いたもので、特に大きな事件などが起こるわけではないのですが、人を信じる事の大切さや言葉の力などをユーモアを交えながら展開してゆきます。

こうあるべきだという主張はないのですが、心に染みる物語でした。


演者は6人。

どの役者さんも本当に上手い。

中でも医師役の山崎さんは膨大なセリフを操っておられるのですが、なんと自然な事か。

そして、魯迅役の野村萬斎さんは、作家の役がよく似合う。それは日本語の美しさをよくご存じだからのかもしれない。

初めての広末さん。舞台に溶け込んで違和感無し。第二夫人の心の葛藤が短いセリフの中に見え隠れしてとても良かった。

これからも時には舞台に立ってもらいたいなと感じた。



舞台に輝くシャンハイムーンのように静かだけど心に残る作品になりました。

子午線の祀り

2017-07-25 20:38:58 | 観劇・ストレートプレイ
初台から三軒茶屋に移動して、今年開場20周年を迎えた世田谷パブリックシアターの記念公演として上演された「子午線の祀り」を観て来ました。




「子午線の祀り」は1999年の新国立での公演と2004年に世田谷パブリックシアターでの公演を観ているのですが、今回は初めて演出が野村萬斎さんになるという事でとても楽しみにしていました。


ですから上演が発表された時から絶対に観るつもりではあったのですが、地方があれば地方で観ようと思っていたのに、今回は東京のみの上演という事で世田谷へ行く事に。

今年の東京観劇は3月で終了の予定だったのに、4月に続き又も東京へ。

東京でしかやらない演目が多すぎる・・・。



さて、舞台の方ですが、これまで観てきた子午線と比べると色んな意味で色彩が豊かになったなあと感じました。

それは目で観える舞台装置や役者さんの衣装などと群読に女性の声が入るという音色の違いもありますが、これまで古典芸能の役者さんが演じられてきた義経を成河さんが演じられるという挑戦も含めて世界が広がったように思えました。


今回の演出で一番印象的だったのはスライドする舞台装置を使用して海に沈みゆく人たちの姿が表現されていた場面。スライドする装置は寄せてくる波を思わせて視覚的にもわかりやすくて良かったです。

そして知盛役の野村萬斎さんは言わずもがななんですが、義経役の成河さん、影身役の若村さんもセリフが明快で、日本語の美しさを感じながら、お芝居が観られる幸せを感じさせていただきました。


これまでの演出より上演時間が短くはなるだろうなという予想はしていたのですが、休憩も含めて4時間以内に収まるとは思っていなくて少し驚きましたが、全く違和感なく楽しむことが出来ました。

やはり、この戯曲、好きだなあと改めて思いました。

又、いつか、お願いします。その時は地方にも来てください・・・。

子供の事情

2017-07-23 20:07:45 | 観劇・ストレートプレイ
新国立劇場で三谷幸喜さんの「子供の事情」を観て来ました。

     


新国立は本当に久しぶりで確実に10年以上は来てない気がして思わず写真を。

     

新国立劇場って何だか避けてしまう所で「ちょっと観てみたいな」ぐらいでは来ない劇場なんです。


それでも今回、行こうと思ったのは最近、舞台での評価が高い小池栄子さんが出演されるのと、その他の出演者の方々も魅力的でしたし、何よりも皆さんが10歳の小学生を演じるという設定が面白そうだったから。


舞台の方は期待に違わぬ仕上がりで、こういう子供いたよねと思えたり、子供の頃の自分の中との共通点が見えたりして懐かしかったり・・・。


子供って集団の中での自分の居場所を守りたいものなので、舞台で描かれるエピソードがとても理解できました。


三谷さんの脚本はこの子供たちのエピソードを笑いを交えて描きながら、一歩踏み出す勇気とか人と違っていても大丈夫なんだとか色々なメッセージが込められているように感じました。


出演者の方々は皆さん素晴らしくて本当に素敵なお芝居でしたが、一番、印象に残ったのは伊藤蘭さん。

これまで舞台のお芝居をされてるイメージが無かったのですが、可愛さを武器に押してくる女の子を嫌味なく表現されててとても良かったです。

お目当ての小池栄子さんも素直になれなくて、悪い事をしてしまう実は可愛い女の子が生き生きと描かれてて素敵な女優さんだなあと思いました。

完全なストプレだと思っていたら、何度か歌が入る歌入りのお芝居で、天海さんはもちろん、大泉さんや青木さんが楽しく歌われていて、とても楽しいお芝居でした。

東京だけしか上演がないのはかなり残念というか、地方民は寂しいです。

令嬢ジュリー

2017-03-27 20:33:01 | 観劇・ストレートプレイ
宝塚観劇の後は渋谷へ移動。


久しぶりのシアターコクーンです。

シスカンパニーさんから上演のお知らせが届いた時点ではあまり興味が沸かなかったので、東京だけの上演だし見送りかなと思っていました。

でも、その後に下のチラシが届いて気持ちがゆらりと揺れました。

何だろうこのフィット感。

戯曲の世界観に合ってる気がする。観た方がいいかも・・・。

ただ、内容的に楽しめるものではないので、少し躊躇する気持ちも・・・。



そこへ3月の帝劇へのお誘いをいただいたので、これは一緒に観るチャンスかもと思い、今回の観劇になりました。


お芝居は休憩なしの80分。

アンサンブルの登場する場面はありますが、芝居は3人のみで進行します。

今の時代に身分の差とか上の人間、下の人間と言われても身近にないものなので、共感出来るとか、感動するとかというのとは違うのですが、お芝居として面白いというか、役者さんの、一瞬、一瞬での変化が素晴らしくて、どんどん引き込まれていました。

観劇前は物語に集中できずに途中で置いてゆかれたらどうしよう、ミュージカルのように音楽に逃げられないしと思っていたのが、嘘のようにあっという間に終演でした。

物語をどう解釈すべきかとか難しい事はわかりませんが、観終わった後に、良いお芝居が観られたなと感じました。

城田さんはストプレが初めてとの事でしたが、セリフも聞き取りやすく、物語展開を引っ張る役どころを的確に演じておられたと思います。

又、機会があればストプレにも出ていただきたいです。

明るい役も観てみたい気持ちもあるのですが、やはり、少し暗めの方が合うのかな・・・。