折原みと著 講談社
朝ドラに続きキュンキュンしちゃった小説です(笑)
作者の折原みとって漫画家だと思っていたのですが小説も書くようです。
表紙に魅かれたこともあるのですが
この海が湘南だと知らずに借りました。
しかも懐かしい材木座の海辺です。
読み始めてびっくり、大磯でも茅ヶ崎でもなく
鎌倉のそれも材木座の大きな私立病院の一人娘と
小さな商店の息子の恋物語です。
江ノ島は勿論ですが由比ヶ浜とか稲村ヶ崎とか七里ヶ浜とか
知った名前がどんどん出てきます。
江ノ電で通学するふたりは江ノ島にも良く遊びに行きます。
だけどサーファーである彼は台風の日に帰らぬ人になるという物語で
こういう風に書くと安っぽい少女小説のようですが
そこはこの作者の技量でしょうね、充分に読むに堪える小説でした。
彼が亡くなって10年たったところから始まる話。
不思議なことが起こり、ぐっと引き込まれてどんどん読んでしまいました。
途中何度か涙が出てくるし、切なくて胸がつまりそうにもなるし
50年前の自分と重ね合わせ
遠いあの頃の記憶は
消えたわけでなく自分の中で眠っているのだなぁ~
なんて、感傷に浸ってしまいました。