さて、何のとりえもなかったゆきたんくのお話である。
あっ、なかったという表現は・・・
今もとりえというものは持ち合わせていないので・・・
高校に入学して、最初に入った部活動はバスケットボール部だった。
まあ、球技のセンスも持ち合わせていないのに、よくぞ入部したものだった。
結局お世話になった先輩方に心配・ご迷惑をかけて退部したのだ。
バスケットボールは上手くならなかったが、体力は付いた。
それで後に陸上競技部に入部した時に、比較的練習について行けたのだろうと思う。
感謝である。
その陸上競技部に入部するまでの約半年は部活浪人であった。
楽しみと言えば、朝食のパン(そのころのパンは菓子パンが多かった…朝から菓子パン Σ(Д゜;/)/…エエ!?)を食べならがら漫画を読むことが好きだった。
ただ、何の充足感もなかった。
うるさくいう親も無し、友達は部活をやっている。
実家で自分の部屋がなかった一人っ子のゆきたんくにとっては、短時間であるが、自分の部屋(状態)で好き勝手な時間を過ごせたのであった。
授業が終わって、自室に戻って、漫画パンをしている時に綺麗なリコーダーの音色が響いた。
誰が吹いているのだろう?
現在ゆきたんくが使っているリコーダー。上端のクライネ・ソプラニーノは指が太すぎて・・・(笑)
そう思って音をたどって行くと、柔道部のY君だった。
その日は部活動が休みで、リコーダーの練習をしていたのであった。
彼の進路は音楽大学に行くこと。
できる楽器は他にもあっただろうが、寮の中で簡単に取り組むことができる楽器の一つがリコーダーだった。
あまりの綺麗さに感動したゆきたんくは、彼の弟子になった。
彼は根気よく教えてくれたのである。
吹けるようになると同時に、楽譜が初見で読めるようになった。
現在の仕事に大いに役立っている。
Y君に感謝