万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

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2018年10月31日 | 万葉短歌

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万葉短歌0000 開肇献詠
 
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
 さまよひいらむ よろづはのもり
悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

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万葉短歌2988 梓弓2800

2018年10月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌2988 梓弓2800

梓弓 末中ためて 淀めりし
君には逢ひぬ 嘆きはやまむ  

2800     万葉短歌2988 ShuF588 2018-1030-man2988

あづさゆみ すゑなかためて よどめりし
  きみにはあひぬ なげきはやまむ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第25首。女。
【訓注】末中ためて(すゑなかためて=末中一伏三起)[下記注]。淀めり(よどめり=不通有)。逢ひぬ(あひぬ=会奴)。歎き(なげき=嗟)。
【編者注-一伏三起】難訓で、依拠本は各説の長短を紹介する。従来通訓は本居宣長のスヱノナカコロを踏襲するが、無理がある。ここは『胡琴教録』の旧訓に拠るのが素直、と依拠本注。なおこの際、「当時の博打の一種の樗浦(ちょぼ)」に詳しく触れている。


万葉短歌2987 梓弓2799

2018年10月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌2987 梓弓2799

梓弓 引きて緩へぬ ますらをや
恋といふものを 忍びかねてむ  

2799     万葉短歌2987 ShuF588 2018-1029-man2987

あづさゆみ ひきてゆるへぬ ますらをや
  こひといふものを しのびかねてむ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第24首。男。
【訓注】ますらを(大夫)。忍び(しのび=忍)。


万葉短歌2986 梓弓2798

2018年10月28日 | 万葉短歌

2018-1028-man2986
万葉短歌2986 梓弓2798

梓弓 引きみ緩へみ 思ひみて
すでに心は 寄りにしものを  

2798     万葉短歌2986 ShuF588 2018-1028-man2986

あづさゆみ ひきみゆるへみ おもひみて
  すでにこころは よりにしものを
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第23首。女。
【訓注】引きみ緩へみ(ひきみゆるへみ=引見緩見)[下記注。「緩(ゆる)ふ」は、「緩ぶ・弛(ゆる)ぶ」の古形]。すでに(既)。
【依拠本注-引見緩見】「み」は対立する二つの動詞の連用形に付いて、相対することが相互に起こる意を表わす接尾語。「見る」の連用形に由来する。


万葉短歌2985 梓弓2797

2018年10月27日 | 万葉短歌

2018-1027-man2985
万葉短歌2985 梓弓2797

梓弓 末はし知らず しかれども
まさかは君に 寄りにしものを  

2797     万葉短歌2985 ShuF588 2018-1027-man2985

あづさゆみ すゑはししらず しかれども
  まさかはきみに よりにしものを
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第22首。女。左注の「一本歌曰」に続けて、読下し「梓弓 末のたづきは 知らねども 心は君に 寄りにしものを」。
【訓注】まさか(真坂)[「今現在、さしあたって、の意」]。梓弓(あずさゆみ)[「弓末(ゆずえ)の意でかかる・・・枕詞」]。たづき(多頭吉)。


万葉短歌2984 剣大刀2796

2018年10月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌2984 剣大刀2796

剣大刀 名の惜しけくも 我れはなし
このころの間の 恋の繁きに  

2796     万葉短歌2984 ShuF586 2018-1026-man2984

つるぎたち なのをしけくも われはなし
  このころのまの こひのしげきに
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第21首。女。
【訓注】剣大刀(つるぎたち)[下記注。04-0616剣大刀 名惜雲(つるぎたち なのをしけくも)、11-2499剣刀 名惜(つるぎたち なのをしけくも)]。このころ(此来)。
【依拠本注-剣大刀】「名」の枕詞。「刃(な)」の意でかかる。「刃」はカタカナのナでヤイバの古名。


万葉短歌2983 高麗剣2795

2018年10月25日 | 万葉短歌

2018-1025-man2983
万葉短歌2983 高麗剣2795

高麗剣 我が心から 外のみに
見つつや君を 恋ひわたりなむ  

2795     万葉短歌2983 ShuF586 2018-1025-man2983

こまつるぎ わがこころから よそのみに
  みつつやきみを こひわたりなむ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第20首。女。
【訓注】高麗剣(こまつるぎ)[「高麗から渡来した、柄頭(つかがしら)に輪のついた大刀。ここは<我(わ)>の枕詞。<輪>と<我>を懸けたもの。」 環頭大刀(かんとうのたち)。集中、ここだけ]。我が心から(わがこころから=己之景迹故)[下記注]。
【編者注-景迹】この歌の訓は、依拠本以外にいくつかあるが、ここでは原文「景迹」について一説。「景迹ケイセキは人の行為を指す語であるが、 2983番の歌では行為を齎らした心の動きとして ‘ココロ’と訓んでいる。」 (池添博彦「万葉集の語彙について(2)」、帯広大谷短期大学紀要(第50号、2013年3月)所収)。


万葉短歌2982 針はあれど2794

2018年10月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌2982 針はあれど2794

針はあれど 妹しなければ 付けめやと
我れを悩まし 絶ゆる紐の緒  

2794     万葉短歌2982 ShuF585 2018-1024-man2982

はりはあれど いもしなければ つけめやと
  われをなやまし たゆるひものを
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第19首。男。
【訓注】針(はり)[04-0514盖世流衣之 針目不落(けせるころもの はりめおちず)、07-1338吾屋前尓 生土針(わがやどに おふるつちはり)、など]。我れを悩まし(われをなやまし=吾乎令煩)。


万葉短歌2981 祝らが2793

2018年10月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌2981 祝らが2793

祝らが 斎ふみもろの まそ鏡
懸けて偲ひつ 逢ふ人ごとに  

2793     万葉短歌2981 ShuF582 2018-1023-man2981

はふりらが いはふみもろの まそかがみ
  かけてしのひつ あふひとごとに
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第18首。男。
【訓注】祝(はふり=祝部)[下記注]。みもろ(三諸)。まそ鏡(まそかがみ=犬馬鏡)。偲ひつ(しのひつ=偲)。
【編者注-はふり】04-0712三輪之祝我 忌杉(みわのはふりが いはふすぎ)、07-1403神之祝我 鎮斎杉原(みわのはふりが いはふすぎはら)、08-1517味酒 三輪乃祝之(うまさけ みわのはふりが)、10-2309祝部等之 斎経社之(はふりらが いはふやしろの)、12-2981祝部等之 斎三諸乃(っはふりらが いはふみもろの)、13-3229神酒座奉 神主部之(みわすゑまつる はふりべが)、19-4243伊都久祝之 神言等(いつくはふりが かむことと)。


万葉短歌2980 まそ鏡2792

2018年10月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌2980 まそ鏡2792

まそ鏡 見飽かぬ妹に 逢はずして
月の経ゆけば 生けりともなし  

2792     万葉短歌2980 ShuF582 2018-1022-man2980

まそかがみ みあかぬいもに あはずして
  つきのへゆけば いけりともなし
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第17首。男。
【訓注】まそ鏡(まそかがみ=犬馬鏡)[「犬馬鏡」表記は、11-2810犬馬鏡 直目相而(まそかがみ ただめにあひて)、など]。生けりともなし(いけりともなし=生友名師)[<「と」は乙類で助詞。「いけると〔と=傍点〕もなし」(・・・)とは違う>]。


万葉短歌2979 まそ鏡2791

2018年10月21日 | 万葉短歌

2018-1021-man2979
万葉短歌2979 まそ鏡2791

まそ鏡 直目に君を 見てばこそ
命に向ふ 我が恋やまめ  

2791     万葉短歌2979 ShuF582 2018-1021-man2979

まそかがみ ただめにきみを みてばこそ
  いのちにむかふ あがこひやまめ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第16首。女。
【訓注】まそ鏡(まそかがみ=真十鏡)。直目(ただめ)。命に向ふ(いのちにむかふ=命対)。我が恋(あがこひ=吾恋)。


万葉短歌2978 まそ鏡2790

2018年10月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌2978 まそ鏡2790

まそ鏡 見ませ我が背子 我が形見
持てらむ時に 逢はざらめやも  

2790     万葉短歌2978 ShuF582 2018-1020-man2978

まそかがみ みませわがせこ わがかたみ
  もてらむときに あはざらめやも
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第15首。女。
【訓注】まそ鏡(まそかがみ=真十鏡)。我が背子(わがせこ=吾背子)。我が形見(わがかたみ=吾形見)。


万葉短歌2977 何ゆゑか2789

2018年10月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌2977 何ゆゑか2789

何ゆゑか 思はずあらむ 紐の緒の
心に入りて 恋しきものを  

2789     万葉短歌2977 ShuF579 2018-1019-man2977

なにゆゑか おもはずあらむ ひものをの
  こころにいりて こひしきものを
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第14首。女。
【訓注】なにゆゑか(何故可)。恋しきもの(こひしきもの=恋布物)。


万葉短歌2976 紫の2788

2018年10月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌2976 紫の2788

紫の 我が下紐の 色に出でず
恋ひかも痩せむ 逢ふよしをなみ  

2788     万葉短歌2976 ShuF579 2018-1018-man2976

むらさきの わがしたびもの いろにいでず
  こひかもやせむ あふよしをなみ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第13首。女。
【訓注】我が下紐(わがしたびも=我下紐)。恋ひかも痩せむ(こひかもやせむ=恋可毛将痩)。


万葉短歌2975 高麗錦2787

2018年10月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌2975 高麗錦2787

高麗錦 紐の結びも 解き放けず
斎ひて待てど 験なきかも  

2787     万葉短歌2975 ShuF579 2018-1017-man2975

こまにしき ひものむすびも ときさけず
  いはひてまてど しるしなきかも
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第12首。女。
【訓注】高麗錦(こまにしき)[「こまにしき」訓の用字は、10-2090狛錦、11-2356狛錦、-2405狛錦、-2406狛錦、12-2975高麗錦、14-3465巨麻尓思吉、16-3791(長歌)狛錦]。