万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌0164 見まく欲り0140

2011年03月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌0164 見まく欲り0140

見まく欲り 我がする君も あらなくに
何しか来けむ 馬疲るるに  大伯皇女

万葉短歌0164 Shu1383 2011-0330-man0164

□みまくほり わがするきみも あらなくに
 なにしかきけむ うまつかるるに
○大伯皇女(おほくの ひめみこ)=第105歌参照。


万葉短歌0163 神風の0139

2011年03月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌0163 神風の0139

神風の 伊瀬の国にも あらましを
何しか来けむ 君もあらなくに  大伯皇女

万葉短歌0163 Shu1383 2011-0329-man0163

□かむかぜの いせのくににも あらましを
 なにしかきけう きみもあらなくに
○大伯皇女(おほくの ひめみこ)=第105歌参照。


万葉短歌0161 北山に0138

2011年03月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌0161 北山に0138

北山に たなびく雲の 青雲の
星離れ行き 月を離れて  持統大后

万葉短歌0161 Shu1377 2011-0328-man0161

□きたやまに たなびくくもの あをくもの
 ほしはなれゆき つきをはなれて
○持統大后(ぢとう おほきさき)=原文は「太上天皇」。第160歌参照。


万葉短歌0160 燃ゆる火も0137

2011年03月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌0160 燃ゆる火も0137

燃ゆる火も 取りて包みて 袋には
入ると言はずやも 智男雲  持統大后

万葉短歌0160 Shu1377 2011-0327-man0160

□もゆるひも とりてつつみて ふくろには
 いるといはずやも ■■■■■■■
○持統大后(ぢとう おほきさき)=原文は「太上天皇」、依拠本訓は「おほきすめらみこと」。夫天武天皇の死後、「大后」として称制、のちに「持統天皇」。なお直前の第159歌(長歌)題詞に、原文「太后」、依拠本「大后」と。
【編者注】結句の訓は未定。ここでは■7字をあてる。


万葉短歌0158 山吹の0136

2011年03月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌0158 山吹の0136

山吹の 立ちよそひたる 山清水
汲みに行かめど 道の知らなく  高市皇子

万葉短歌0158 Shu1370 2011-0326-man0158

□やまぶきの たちよそひたる やましみず
 くみにゆかめど みちのしらなく
○高市皇子(たけちの みこ)=第156歌参照。


万葉短歌0157 三輪山の0135

2011年03月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌0157 三輪山の0135

三輪山の 山辺真麻木綿 短木綿
かくのみからに 長くと思ひき  高市皇子

万葉短歌0157 Shu1370 2011-0325-man0157

□みわやまの やまへまそゆふ みじかゆふ
 かくのみからに ながくとおもひき
○高市皇子(たけちの みこ)=第156歌参照。


万葉短歌0156 みもろの0134

2011年03月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌0156 みもろの0134

みもろの 神の神杉 夢にだに
見むと思へども 寐寝ぬ夜ぞ多き  高市皇子

万葉短歌0156 Shu1370 2011-0324-man0156

□みもろの かみのかむすぎ ゆめにだに
 みむともへども いねぬよぞおほき
○高市皇子(たけちの みこ)=原文は「高市皇子尊」。「天武天皇の長子。母は、胸形君徳善(むなかたのきみ とくぜん)の娘、尼子娘(あまこの いらつめ)。[尊は]…この時代の皇子では、草壁皇子と高市皇子と二人だけに用いられた。」第169歌では「後皇子尊」。
【編者注1】第3句、第4句の対応原文は「已具耳矣自得見監乍共」の10文字。切れ目も不明であるが、依拠本は「かりに…とらえる」とする。3・4句膠着未解読なのは、「集」中、初出。
【編者注2】第5句の原文は「不寝夜叙多」。依拠本に「<寐>は名詞、<寝>は動詞。」 『漢字源』には、「寝不寐数日=寝ヌレドモ寐ネザルコト数日」(左伝)。


万葉短歌0154 楽浪の0133

2011年03月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌0154 楽浪の0133

楽浪の 大山守は 誰がためか
山に標結ふ きみもあらなくに  石川夫人

万葉短歌0154 Shu1361 2011-0323-man0154

□ささなみの おほやまもりは たがためか
 やまにしめゆふ きみもあらなくに
○石川夫人(いしかはの ぶにん)=未詳。「石川氏出身であろう。蘇我赤兄が天武朝に石川氏に改められている(…)。その赤兄の娘で天智天皇の嬪になった人に常陸娘(ひたちの いらつめ)がいる。天智紀の嬪は天武紀の嬪に等しいと証した上で、『全注』二に常陸娘を擬するのが最もふさわしいといっている。<夫人>は天皇妻妾の第二位。定員三人。その上を<妃>、その下を<嬪>という。」養老令に、天皇妻妾のうち最高位のものを妃(ひ。2名、うち上位を大后または皇后)、次いで夫人(ぶにん。3名)、その下に嬪(ひん。3名)と定める。


万葉短歌0152 やすみしし0132

2011年03月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌0152 やすみしし0132

やすみしし 我ご大君の 大御船
待ちか恋ふらむ 志賀の唐崎  舎人吉年

万葉短歌0152 Shu1360 2011-0322-man0152

□やすみしし わごおほきみの おほみふね
 まちかこふらむ しがのからさき
○舎人吉年(とねりの えとし)=未詳。「舎人を氏とする女官(宮人{みやひと})か。」


万葉短歌0151 かからむと0131

2011年03月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌0151 かからむと0131

かからむと かねて知りせば 大御船
泊てし泊りに 標結はましを  額田王

万葉短歌0151 Shu1360 2011-0321-man0151

□かからむと かねてしりせば おほみふね
 はてしとまりに しめゆはましを
○額田王(ぬかたの おほきみ)=第7歌参照。


万葉短歌0149 人はよし0130

2011年03月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌0149 人はよし0130

人はよし 思ひ息むとも 玉縵
影に見えつつ 忘らえぬかも  倭大后

万葉短歌0149 Shu1356 2011-0320-man0149

□ひとはよし おもひやむとも たまかづら
 かげにみえつつ わすらえぬかも
○倭大后(やまとの おほきさき)=原文は「倭太后」。第147歌参照。


万葉短歌0148 青旗の0129

2011年03月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌0148 青旗の0129

青旗の 木幡の上を 通ふとは
目には見れども 直に逢はぬかも  倭大后

万葉短歌0148 Shu1353 2011-0319-man0148

□あをはたの こはたのうへを かよふとは
 めにはみれども ただにあはぬかも
○倭大后(やまとの おほきさき)=原文は「太后」、依拠本の表記は「大后」。第147歌参照。


万葉短歌0147 天の原0128

2011年03月18日 | 万葉短歌

2011-0318-man0147
万葉短歌0147 天の原0128

天の原 振り放け見れば 大君の
御寿は長く 天足らしたり  倭大后

万葉短歌0147 Shu1353 2011-0318-man0147

□あまのはら ふりさけみれば おほきみの
 みいのちはながく あまたらしたり
○倭大后(やまとの おほきさき)=原文は「太后」、依拠本の読みは「大后」。倭姫王(やまとひめの おほきみ)。「…天智天皇の異母兄で天智によって死に追いやられた古人大兄皇子の娘…。天智天皇とのあいだに子はない。複雑な過去を彼方に、今は、天智後宮を采配し、天智の御魂にすがる以外、生きるすべのない女性であった。いつ生まれ、いつ死んだのかもわからず、歌数首の力量によってのみ生きのあかしを伝える、蒼古で洗練されたこの女性は、古代女性の中でも最も魅力に富む人物である。」


万葉短歌0146 後見むと0127

2011年03月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌0146 後見むと0127

後見むと 君が結べる 岩代の
小松がうれを またも見むかも  柿本人麻呂

万葉短歌0146 Shu1347 2011-0317-man0146

□のちみむと きみがむすべる いはしろの
 こまつがうれを またもみむかも
○柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=第40歌参照。「この一首を人麻呂集歌とは見ない説(…)もある。・・・たしかに慎重でなければならないことを言い添えておく。」


万葉短歌0145 天翔り0126

2011年03月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌0145 天翔り0126

天翔り あり通ひつつ 見らめども
人こそ知らね 松は知るらむ  山上憶良

万葉短歌0145 Shu1347 2011-0316-man0145

□あまがけり ありかよひつつ みらめども
 ひとこそしらね まつはしるらむ
○山上憶良(やまのうへの おくら)=原文は「山上臣憶良」。第63歌参照。