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総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

今回の症例は敗血症性ショック

2021-07-01 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 
 
敗血症性ショックは「敗血症+ショック」である。
 
 
 
ここでショックの定義は主要臓器循環不全であり、意識障害は脳循環不全ありとみなす。
 
血圧もベースラインからかなり低下しており、収縮期血圧は40mmHgも低下している。
 
頻脈がないことはメトプロロール(β遮断薬)内服中であったことが原因であろう。
 
内服薬の内容をチェックしてバイタルサインも解釈すべきである.
 
 
 
この患者では頻呼吸も見られる。
 
一般に、「ショック+頻呼吸」を見たら敗血症性ショックを考慮する。
 
糖尿病患者は高血糖による浸透圧利尿により容易に脱水になりやすいが、脱水のみでは頻呼吸はこないのである。
 
敗血症でなぜ頻呼吸となるかについてにまとめる。
 
 
この症例ではのうち③と④はなかったため、①と②による機序が考えられる。
 
ところで、敗血症の急性期では、発熱がない場合や逆に低体温の場合もあるので注意すべきである。
 
この症例でも体温は基準値内であった。
 
むしろ病歴で悪寒戦慄の有無を聞くことが重要であり、悪寒戦慄( 布団を重ねてかぶっても体をブルブル震わせるくらいの悪寒)は「敗血症」を示唆する(相対リスク約10倍)。
 
 
 
この症例の臨床診断は壊死性筋膜炎による敗血症であった。
 
治療内容は迅速輸液投与と抗菌薬投与(バンコマイシン+クリンダマイシン+メロペネム)に加え、緊急で外科的デブリドメントが施行された。
 
 
 「敗血症→頻呼吸」の機序
 
①敗血症による乳酸アシドーシスにより、代償性呼吸性アルカローシスを惹起
 
②敗血症で増加した血中サイトカインが呼吸中枢を刺激(SIRS
 
③敗血症の原因が重症肺炎の場合、呼吸不全により呼吸数が増加
 
④敗血症によって急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndromeARDS)となると呼吸数が増加

 

 

写真:南城市の海岸

 

 

 

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