明石海峡大橋
明石海峡大橋は、兵庫県神戸市垂水区東舞子町と淡路市岩屋とを結ぶ、橋長
3,911m、中央支間長1,991mの、明石海峡を横断して架けられた世界最長の吊
り橋です。大阪湾と瀬戸内海を繋ぐ明石海峡は、海峡の幅が約4km、最大水深
は約110m、海峡を流れる潮流の速さは最大で毎秒4.5m(約9ノット)に達し
ます。1988年(昭和63年)5月に現地工事に着手し、およそ10年の歳月をか
けて1998年(平成10年)4月に完成しました。
(その間、1995年(平成7年)1月17日5時46分、明石海峡付近の深さ10~20km
を震源として、マグニチュード7.2の大地震が発生しました。
この地震で神戸市や淡路島を中心として、大きな被害が発生しました。
この時工事は、両方の主塔が立ち上がって、メインケーブルの架設作業中でし
た。地震後、直ちに詳細な点検を行った結果、橋自体に深刻な構造上の損傷は
見当たりませんでしたが、その後に行われた測量等の結果、基礎が設置されて
いる地盤そのものが動いたために生じた事が分かり、主塔と主塔の間の距離が
変わったため、桁の長さを変更する必要がありましたが、これも、未製作の桁
のパネルの長さを調整することで対応することが出来ました)
吊り橋は、橋の形式の一種で、綱などの張力で吊り下げ支える形式のものです。
釣り橋・釣橋とも書くが、この表記は狭義には江戸期以前の古典的な形式に対
して用いられています。
参考(斜張橋)斜張橋と吊り橋
斜張橋は、橋の形式の1つで、塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接つな
ぎ支える構造のものです。ケーブルを利用し吊って支えることから、広義には
吊り橋の一種と言える。しかし狭義には、すなわち土木工学分野、橋梁工学分
野では吊り橋とは区別されます。
主塔
メインケーブルをささえる塔で、両岸もしくは岸から全長の1/4くらいまでの位
置に設けられる。一組の塔は桁を挟むように建つ2本の柱をトラスまたはラー
メン構造で繋いでいます。基礎が水中になる場合は、ケーソンと呼ばれる鉄の
函を沈めコンクリートを流し込み構築する場合が多く、水流を妨げない場合に
は複数の柱で構成する場合もあります。(大鳴門橋など)
メインケーブル
主塔に架けられ、ハンガーロープを通じて桁をつり下げる、吊り橋の最も重要
な要素で、ケーブルの素線は直径わずか5.23mmですが、この素線を127本束
ねたものをケーブルストランドと呼び、そのストランドを290本架け渡してか
ら、さらに円形に整形して束ねたものがメインケーブルになります。その直径
は、1,122mm。明石海峡大橋の片側ケーブル1本に使われている素線の本数は
36,830本、両側2本のケーブルに使用された全素線の長さは約30万kmで、
これは地球7周半に相当します。
ケーブルは腐食(錆)防止のためにゴムや塗装による表面処理が施してありま
すが、覆われたケーブル束の内部は湿度が上昇し、腐食が進行する事例が見ら
れたことから、1998年に完成した明石海峡大橋では乾燥空気を送風するシステ
ムが採用されています。このシステムは、2002年に瀬戸大橋で追加的措置とし
て講じられたほか、2011年にはイギリスのハンバー橋でも採用されています
桁
道路や鉄道が設けられ実際に通行する部分であり、橋桁あるいは補剛桁とも言
います。送電線や水道管が併設される場合もあり、桁は箱型のものとトラス形
式の物があるが、風の影響の少ないトラスのものが多いです。
アンカーレイジ(橋台)
アンカーレイジは橋の両端にありメインケーブルを繋ぎ止める文字通りの碇で、
コンクリート製です。地形的制約や強固な岩盤などがある場合は地山の支持力
も利用するトンネルアンカレイジとする場合もある。(来島海峡大橋など)
ハンガーロープ
メインケーブルから鉛直に垂らされ桁を支えます。懸垂線を描くメインケーブ
ルと桁を結ぶため場所により長さが異なります。通常、撚ったワイヤーロープ
が使われ、主塔が岸よりにあり側径間の桁を支える必要が無い場合も、この形
式のものを単径間吊り橋と言います。(下津井瀬戸大橋など)
ちなみに一般的なものは3径間です。ハンガーロープには風による振動防止用
に螺旋状に線が巻かれている場合があります。
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