Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

サスペンスというより人の死について考えさせられる『ドクター・デスの遺産ーBLACK FILEー』

2020年11月13日 22時31分27秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:ワーナー・ブラザース映画

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:166/169
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
「苦しむことなく殺してさしあげます」。
ある闇サイトで依頼を受け、
人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。
その人物の存在が明らかになったのは、
「お父さんが殺された」という少年からの通報がきっかけだった。

警視庁捜査一課のNo.1コンビである犬養(綾野剛)と
高千穂(北川景子)は、さっそく捜査を開始。
すると似たような事件が次々と浮上する。

捜査チームのリーダー麻生(石黒賢)をはじめ、
新米刑事の沢田(岡田健史)、室岡(前野朋哉)、青木(青山美郷)
と共に事件の解明を急ぐが、
被害者遺族たちの証言は、どれも犯人を擁護するものばかり。

ドクター・デスは本当に殺人犯といえるのか?
それとも救いの神なのか?
そして、驚愕の事実と更なる悲劇が犬養と高千穂に降りかかる。

【感想】
んー、なんだろう、これは(笑)
サスペンス、、、だったのか、、、?

こういう映画だと、犯人が誰かわからず、
いろんな憶測を立てながら観ていくのが楽しかったりするんだけど、
そういう系ではなかった。

あんまり犯人を隠そうとしていないというか、
それすぐにわかってしまうのでは、、、?っていうw
で、犯人がわかった後の展開も、
ちょっと都合がいいというか釈然としないというか。。。
なんで、犯人は犬飼の娘の居場所がわかったのかっていう謎。

それと、面白いサスペンスだと話に波があって、情報を小出しにして、
パズルのピースが埋まっていく過程が興味をひいて、
最後まで集中できたりするんだけど、
今作はほとんどその波がないんだよね。

けっこう淡々と進んでいって、
犬飼と高千穂が怒号を上げているだけっていう。。。
てか、予告でもあったけど、犬飼が高千穂に腹パンするシーン、、、
女性にあんな腹パンするかな、、、(笑)

だから、サスペンス映画としてはだいぶ微妙な感じだけど、
犯人の"死こそ救済"っていう、
まるで『ファイナルファンタジー』のラスボスがよく口にするような思想について、
どう考えるかっていうのは興味深いところ。

正直、僕は生きる権利もあれば死ぬ権利もあると思っているから、
安楽死そのものについて否定はしない。
回復の見込みがないのに苦しみの中で延命措置を取るぐらいなら、
楽にしてしまった方が患者も家族も救われるっていうのはあるだろう
(その場合、患者がもう自分の意志表示ができない可能性があるから、
 元気なうちに家族で話し合っておくことは大事だと思うけど)。

とはいえ、安楽死を合法化したら、
それに見せかけた殺人や短絡的な考えでの死が横行して問題になるから、
日本ではそうならなそう。
世界的に見ればいくつかの国で合法化されているみたいだけど。

なので、なんか死について考えるきっかけにはなるものの、、、
この映画の持つサスペンスな雰囲気から得られる期待を踏まえると、
個人的には正直微妙でした。

映画じゃなくてスペシャルドラマとかでよかったんじゃないかなー。

あと、小説と差別化するためか、
映画になると変な副題付くこと多いよね(笑)
「BLACK FILE」の意味がわからない。。。

映画『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』公式サイト。大ヒット上映中!

大ヒット上映中!『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』公式サイト。綾野剛×北川景子共演!警視庁No.1コンビが【安楽死】を手口にす...

映画『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』公式サイト。大ヒット上映中!

 

養子を迎えた夫婦と産みの母親それぞれの想いが交錯する『朝が来る』

2020年11月13日 00時00分30秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:キノフィルムズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:39/168
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
一度は子どもを持つことをあきらめた栗原清和(井浦新)と佐都子(永作博美)の夫婦は、
「特別養子縁組」という制度を知り、男の子を迎え入れる。

それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。
ところが突然、朝斗の産みの母親である片倉ひかり(蒔田彩珠)を名乗る女性から、
「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」
という電話がかかってくる。

生まれたばかりの朝斗を引き取るときに、
当時14歳だったひかりとは一度だけ会ったが、
生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心優しい少女だった。
しかし、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影は微塵もなかった。

いったい彼女は何者なのか、何が目的なのか。

【感想】
重めのテーマの映画だった。。。
不妊治療を扱った作品は見かけるけど、
今回はその先、すでに自分の子供を持つことが難しくなり、
養子を迎え入れる段階。
しかも、産みの母親から「返して」と言われるっていう。。。

子供を持つことが難しいと判明した夫婦の悲しみと、
血のつながりはなくても自分たちの元に
新しく子供がやってきたときの幸せの両方を描きつつ、
産みの母親の登場によって不安と疑惑の渦に突き落とす
対照的な展開が面白い。

そして、今作は産みの母親であるひかりが
子供を手放す経緯もしっかり描かれていて、
彼女の抱える不安や苛立ち、葛藤などもわかるから、
夫妻とひかりの両方の立場を見比べることができるのも
見ごたえがあるポイントかと。
まあ、ひかりについては、
そのまんま『14才の母』かなとも思ったけど。

観ている人の立場によっては、
かなりセンシティブで感情移入してしまう内容だけれど、
普通に映画としても濃厚なストーリーで楽しめた。
特に、蒔田彩珠の演技が素晴らしい。

しかし、身のまわりで養子を取っている人がいないのでわからないけど、
今回の斡旋業者への登録条件として
「夫婦の片方は仕事を辞める」っていうのがあって、
なかなか厳しいなと感じたけど、そんなものなのだろうか。

映画『朝が来る』公式サイト | 絶賛公開中!

辻村深月 [原作] × 河瀨直美 [監督] 感動ミステリー映画化。キャスト、永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子。絶賛公開中!

映画『朝が来る』公式サイト | 絶賛公開中!