Athena, Pegasus and Bellerophon
(アテナー、ペガサスそしてベレロポーン)
Pompei (ポンペイ) – Casa dei Dioscuri, (fresco)
金色の蛇 【わが郷】
コリントスの人ベレロポーン(Bellerophon, 希:Βελλεροφῶν)は本当の名ではなく、謂わば渾名のようなもの。ヒッポノオスが正しく、誤って兄弟のベレロスを殺したため、ベレロス殺しの意味をもつ、ベレロポーンと呼ばれた。元々の名はヒッポノオス (ギリシャ語: 'IpponooV ラテン語: Hipponous、)といった。
ベレロス殺し
ヒッポノオスはあるとき誤って兄弟のベレロスを殺してしまったことから、ベレロポーン(ベレロスを殺した者)と呼ばれるようになった。ベレロポーンはティーリュンスの王プロイトスのもとに身を寄せ、王によって罪の清めを受けた。このとき、プロイトスの妃ステネボイア(アンテイアともいう)がベレロポンを誘惑したが、ベレロポーンが相手にしなかったことから妃の恨みを買うことになった。妃はベレロポーンに言い寄られ、犯されそうになったと王に告げ口した。プロイトスはベレロポーンに手紙を持たせて リュキア 王イオバテースのもとに送った (ちなみに、この逸話から「自分の窮地をもたらす状況を自分で作る事」を「ベレロポーンの手紙」と言う事がある)。
Bellérophon s'apprêtant à tuer la Chimère,
par Alexander Andreyevich Ivanov, 1829
Bellerophon is sent to the campaign
against the Chimera
キマイラ退治
プロイトスの手紙には、ベレロポーン殺害の依頼が書かれていた。イオバテースは、依頼を体よく果たそうと、ベレロポーンに キマイラ 退治を頼んだ。キマイラ(古希: Χίμαιρα, Chimaira)は頭がライオン、胴が山羊、尾が蛇、口から火を吐く怪獣であった。途方に暮れたベレロポーンだったが、女神 アテーナー の助けを得て、ペイレーネーの泉で水を飲んでいたペーガソスを捕らえ、これを慣らすことに成功した。ペーガソスに乗ったベレロポーンは、空中からキマイラの口に鉛を突き入れてこれを殺した。さらにベレロポーンは命じられたソリュモイ人、アマゾーンの討伐をやりとげ、イオバテースの命で待ち伏せていたリュキア兵をすべて殺して帰還した。ベレロポーンの功業に驚嘆したイオバテースは事情を明かして詫び、ベレロポーンを自分の娘の婿に迎えた。
破滅
その後、ベレロポーンは次第に増長し、ペーガソスに乗って天に昇ろうとしたため、ゼウスは虻を放って、ペーガソスの尻を刺させた。驚いて暴れ出したペーガソスから振り落とされたベレロポーンは、足が不自由となり、また盲目となって荒野を彷徨ったという(死亡したとする説も)。
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、ベレロポーンに関連するカテゴリがあります。
ベレロフォン (小惑星) - ベレロポンに因んで名づけられた小惑星(1808)。
ベレロフォン (惑星) - ペガスス座51番星の惑星(太陽系外惑星)。ペガススに騎乗していた事から名付けられた。
( wikipedia )