TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

君の誕生日

2021年07月11日 | 映画鑑賞日記

6月初旬にレンタル店で借りて観た映画『君の誕生日』の感想です。この映画は、2014年に韓国で客船セウォル号が沈没し、多くの人々が亡くなられた事故がありましたが、そのセウォル号に乗っていてこの事故に巻き込まれて亡くなった当時高校生の息子スホへの恋しさや思い出を抱きながら暮らして行く、遺された家族、父ジョンイル、母スンナム、妹イェソルが描かれていました。

スホが亡くなったことが現実として受け止めないといけないとわかっているもののその現実を受け止めたくないという現実の相反する気持ちを抱きながら母スンナムと妹イェソルは二人だけで暮らしていました。父のジョンイルは息子のスホがこの事故で亡くなったときに海外で仕事をしていて、仕事上の事情で事故後帰ることがなかったのですが、ある日、スンナムとイェソルの元に2年ぶりに帰ってくるところからこのストーリーは始まりました。

スンナムとイェソルとジョンイルは息子のスホを失ったことで、父ジョンイルが戻ってきても、お互いの距離を埋められないまま、以前の生活に戻れないような家族の現実にもどかしい日々を送っていました。ある日、セウォル号の事故で亡くなった人々の誕生日を祝う施しをしていた人に出会い、遺された家族スンナム、イェソル、ジョンイルは3人でスホの誕生日会が開かれる会場に出掛け、そこで、スホの友達やスホを知っていた仲間たちから3人が知らなかったスホが仲間たちに見せていた日常の何気ない行いを知り、スホをよく知る仲間からの心の籠った手紙やメッセージに次第に涙を流しながらも微笑む3人の姿に心が打たれました。スホを失くしたことで心を開くことも失ってしまっていたスンナムが悲しんでいたのは自分だけではなかったと知ったときの表情やスホが生きていたときの写真を眺めながらイェソルとジョンイルも笑顔になって行きました。この誕生日会で押し付けでない慰めと共感と優しさに皆が救われて行く姿がとてもよかったです。

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