先日LAで、約10年ぶりにこちらの博物館を訪れた。
その名の通り20世紀初頭からの移民の歴史を伝える展示なのだけれど、
史実の重みという以上に、強く心を揺さぶられた。
重労働と差別、そして第二次大戦中の強制収容と、
苦難の歴史を振り返る内容ではあるのだが、
そこに生きた人々の息づかいに、何故か鼓舞されたような気がする。
収容所の日々を描いたスケッチ(軽妙でチャーミングな画風)を見て、
「確かにここで、人々は生きていたのだ」と感じた。
何気ない食事の風景に、胸が熱くなった。
また「アメリカ人」としての忠誠を示すべく、
他の部隊に比べて目覚ましい戦果を挙げ、
しかし被害も甚大だった日系人の442部隊。
その覚悟と思いを考えると、自然に頭が下がる。
会場にいらっしゃった解説員のMr.Moriguchiは、
御歳80ながらバイタリティに溢れた3世の方。
ご自身10歳の頃に収容所で生活されていたそうだ。
当事者ならではの貴重なお話をたくさん伺った。
何故か移民した同胞を低く見る日本人の感覚を残念がるとともに、
勇気と冒険心を持って海を渡った先達たちの存在を知って欲しいとも。
そう、パイオニアとしての気概や、創意工夫するクリエイティビティ。
展示上の演出や自身の贔屓目も入っているのかもしれないけれど、
日本人は素晴らしい力を持っているのだと、あらためて感じた。
(もちろん他の国の人々と比べて、という話ではなく)。
この博物館、今こそ見るべきものだと思う。
決して派手なものではないけれど、
LAに行くことがあれば、是非訪れて欲しい。
……とり急ぎ書いたので、また加筆、修正するかもしれませんが、
ホントにお薦めしたい場所です。
今の日本の人にとって、大切なことを教えてくれると思う。
で、そう考えるとサイトがちょっと物足りない気も……。
何か役に立てることがあればいいなぁ。
※追記
ところで最近知りあった、とある企業の国際関係の人、
日系2世のお父様と日本人のお母様の間に生まれた
元アメリカ国籍のお方でありながら、
現在は日本国籍で生活されている。
ご先祖は海を渡ったものの、
日本が性に合うのでこちらで暮したい、という選択だったとか。
基本、日本育ちなので話していてギャップはないけれど、
アメリカでの学生時代の経験など
興味深い話をいろいろと聞かせて頂いた。
こういう交流がもっと増えるのも良いことだと思う。
また同博物館では、
同時開催としてアジア系アメリカ人アーティストが主体となった
ジャイアント・ロボ・ビエンナーレ3も開催されていて、
アートに方面でも興味をかき立てられた。
そんなことも考えると、
もっと交流が進んでいくと良いなぁ、と改めて思う。
なんか、今の閉塞感へのヒントがあるように感じるのは、
自分だけだろうか……。
繰返し、LAに行く機会があれば是非。
その際はお話し好きのミスター・モリグチ(やりとりは英語になりますが……)にも
ひと声かけてみればどうでしょう?