生命へのまなざし 多田富雄対談集

2018年07月13日 14時52分31秒 | 社会・文化・政治・経済
著者 多田 富雄 (著)

自己とは、生命とは、生命活動としての文化とは? 新しい生命観を求めて、免疫、自己、老化、脳死と臓器移植、ウイルス、エイズなど、生命科学と文化の接点を縦横に語り合った対談集...

対談者=立花隆・養老孟司・岡田節人・加賀乙彦・木崎さと子・河合隼雄。
スーパーシステムとしての生命。
新らしい生命観を求めて、免疫、自己、老化、脳死と臓器移植、ウイルス、エイズなど、生命科学と文化の接点を縦横に語り合った、待望の対談集。
多田 私は脳死移植に絶対反対というわけじゃありませんけれども、脳死はそう簡単に受け入れられないと思いますね。
私は唯脳論じゃありませんから、心臓が止まれば、すべて終わりですが、心臓が動いていれば、免疫系などは「自己」と「非自己」の区別ができるんです。
最近では、実験的にウズラの脳をもつニワトリをつくることができます。
そうしますと、ちゃんと脳は働いているんですけれども、ニワトリはウズラの脳を拒絶するわけです。
免疫系は脳が自分と違うと拒絶するわけです。
脳は免疫系を拒絶できませんね。
ですから、身体の主体性から考えてどちらがどちらといえば、ぼくは、脳が主体じゃないと思います。
身体的な生命を考えれば。
養老 私も、唯脳論といったのは、むしろ現代をある意味で風刺していったんです。
あまりにも唯脳的になっちゃってる、と。
身体に還元するということは、まったくおっしゃる通りだと思いますね。

河合隼雄さんとの対談(1994年)では、多田富雄さんのおそるべき名言がとびだします。
河合隼雄さんの名著『とりかへばや、男と女』を生物学の観点から読むと非常に面白いと多田さんが指摘しながら話題が展開する部分です。

多田 どうして自分は男なのかと考え始めますと生物学的には非常にわかりにくいことなんです。(中略)遺伝的に男と女が決まっているといいますけど、そんなことはないんです。それじゃあどうして決まるかといいますと、どうも、もともと人間は女であって、なんとかして男という役割分担を作るという目的だけでY染色体というのが働くんです。
(中略)私は女性というのは存在だと思いますけども、どうも男というのは現象にすぎないんじゃないかとこのごろ思い始めてきたんです。
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マインドコントロールの罠

2018年07月13日 12時58分14秒 | 社会・文化・政治・経済
オウム事件死刑執行から

碓井真史 | 新潟青陵大学教授(社会心理学)/ スクールカウンセラー
7/9(月) 14:46
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オウム真理教の松本死刑囚ら7人死刑執行を伝えるテレビ画面(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

< カルト団体は、あなたもあなたの家族も友人も狙っている。麻原彰晃が死刑になっても、マインドコントロールの危険性は続いている。>

■オウム真理教事件7人の死刑執行
オウム真理教の松本死刑囚ら7人の死刑が執行されました。法的には、事実が解明され、刑が確定し執行されたわけですが、社会的心理学的には、未解明の部分も多いでしょう。

私達は、この事件から学び、カルト団体の洗脳やマインドコントロールから個人を守り、また破壊的カルト集団による第二のオウム真理教事件を防がなくてはなりません。

■洗脳、マインドコントロールの被害者、加害者
誰もが、洗脳やマインドコントロールのの被害者になります。ただ、被害者になりやすい環境はあるでしょう。また加害者になりやすい、「マスター・マニピュレータ」(人を操る名人)とも言うべき人々もいます。

麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚をはじめ、死刑執行された人々はどうだったのでしょうか。同種の犯罪防止のためにも、考えていかなくてはなりません。

■洗脳とは/マインドコントロールとは
洗脳とは、暴力的な方法を使った強制的な思想改造です。捕虜を監禁し、眠らせなかったり、殴る蹴るなどの拷問を与えたり、薬物を使用したりします。心身の激しい苦痛を与え、そのあとに今度は一転して優しくするなども、洗脳の手法です。

オウム真理教では、「感覚遮断」「飢餓(低栄養)」「睡眠の剥奪」、そして拷問に近い過酷な修行が行われ、薬物も使用されました。

一般的な現代のカルト団体などは、新入会員に対して「世間では洗脳団体など悪口を言う人もいるけれど、そんな暴力的な監禁も拷問もしていないでしょ」と説明することもあります。しかしそのカルト団体は、暴力的な洗脳はしていませんが、もっと巧みなマインドコントロールを行なっています。

マインドコントトールとは、本人が心理操作を受けていると気づかないうちに、個人の思想や行動を誘導する悪質な方法です。周囲から見ると、短期間にすっかり人が変わってしまったと感じるでしょう。

オウム真理教は、洗脳的な手法とマインドコントロール的な手法の両方を用いていました。

■マインドコントロールの4つの手法
1. 行動のコントロール
ある行動は激しく非難され、ある行動はとても賞賛されます。細い行動まで規制されます。月に何時間宣教活動をするか、誰とつきあうか、どこに住むか、何時間寝るか、夫婦間のセックスの仕方まで指示されることがあります。

2. 思想のコントロール
徹底した教え込みを行います。彼らは、教祖や組織のリーダーたちだけが真理を知っていると主張します。今までのどの宗教でも学問でもわからなかった真理が、今わかったと主張します。キリストもお釈迦様もわからなかった、人類永遠の謎が、今やすべてわかったなどと言うこともあります。

3. 感情のコントロール
恐怖と不安の感情を中心にコントロールされます。すぐにハルマゲドンが来て、組織に従わない者は滅んでしまうなどと言います。組織の命令に反した場合には、他のメンバーに叱られるだけではなく、恐ろしいことになると教えられます。

4. 情報のコントロール
組織に対する批判的情報の禁止です。一般の新聞や雑誌を禁止することもあります。ネットの自由な使用を禁止することもあります。特に、脱会者の文書に触れることを強く禁止します。

これらの一つひとつは、一般の団体でもないこともないのですが、4つが強力に総合的に行われると、人はマインドコントロールされてしまうのです。

■オウム死刑囚の7人
麻原彰晃 あさはら・しょうこう(松本智津夫 まつもと・ちずお)元死刑囚
「私の生い立ちは不幸だった。泣いてばかりいた」と彼は語っています。視覚障害があり、親から離れ盲学校に入りますが、彼は親に捨てられたと感じたようです。全盲ではなかった彼は、盲学校の中で力を力を行使し始めます。かなり無理な方法で周囲の子供を支配していたと伝えるメディアもあります。しかし、買収までして努力した生徒会選挙には落選でした。彼は票の操作があったと考えたようです。

彼は成人後に仕事を始めますが、薬事法違反で罰金刑を受けています。その後、ヨガ教室から始まり、宗教法人を強引な方法で取得し、オウム真理教の教祖となります。教団が大きくるに従い、政界進出を目指すものの落選し、票が操作されたとの陰謀論にとらわれ、武力によるテロ行為へと走りました。

彼の生涯を見ると見ると、有能で魅力的な面はあるものの、プライドが高い一方で思い込みが激しく被害者意識も強く、自分の目標のためなら手段を選ばない生き方をしてきたように思えます。

また彼は、30人以上の女性信者を性の対象としていたとの報道もありました。

井上嘉浩 いのうえ・よしひろ 元死刑囚
日本文化大学中退。16歳で入信。教祖に寵愛され、身体的に厳しい修行に人一番熱心に取り組んでいました。同時に、本来禁じられているはずの教団内での女性関係も派手だったとの証言もあります。立件されたいくつもの犯罪に、直接関わっていました。裁判の証言によれば、「(教団内の高学歴の信者に対して)屈折した心があった」と述べています。

遠藤誠一 えんどう・せいいち 元死刑囚
京都大学大学院医学研究科博士課程中退。獣医。とても真面目な人だったようです。専門知識を活用し、サリンの生成に関わりました。

大学院で遺伝子を研究していくうちに、「生命の本質は遺伝子なのか」という疑問が生まれ、魂の存在など精神世界に興味が向かったようです。その時にオウム真理教に出会い、神秘体験を経験したことで入信しました。

取り調べ段階では、犯行を認め謝罪もしていましたが、公判開始後は一転して無罪を主張しました。

中川智正 なかがわ・ともまさ 元死刑囚
京都府立医科大学卒業、医師。オウム真理教付属病院の顧問。大学時代は、大学祭の実行委員長を務め、明るく温厚で実直な人柄と評されていたようです。軽い気持ちで麻原彰晃の本を読み、集会に出て初めて麻原に会った時に、「中川」と声をかけられ、初めて会ったのになぜ自分の名前を知っているのだろうと驚いたと言います(もちろん、トリックがあったのでしょうが)。

入信後、強烈な神秘体験を経験し、「口では言い表せないくらいの衝撃で、もう俗世では生きて行けない」とまで考えたといいます。オウム真理教が起こした犯罪のほとんどに関わりました。

裁判では、彼が経験した神秘体験は幻覚などの病気であり、正常な精神状態に無かったと弁護側は主張していました。

土谷正実 つちや・まさみ 元死刑囚
筑波大学大学院修士課程修了。有機物理化学を専攻。サリン生成に関わる。裕福な家庭に生まれ、中学時代は人気者。社会に貢献することや、自己成長への強い思いを持っていたが、挫折も体験。問題解決のために、神秘的なことへの関心を高めていったようです。

家族は彼を教団から連れ戻すために懸命に努力しましたが、彼は公判で「自分を判断力のない赤ん坊か廃人扱いした両親を許さない」と語っています。

新実智光 にいみ・ともみつ 元死刑囚
愛知学院大学法学部卒業。高校生の頃から、オカルト雑誌を愛読。ある新興宗教に入信も脱会。その後、オカルト雑誌の『ムー』や『トワイライトゾーン』などで麻原彰晃記事を読み、オウム真理教に入信。オウム真理教が起こしたほとんどの犯罪に関わりました。

裁判では、次のように語っています。「私自身は、千年王国、弥勒の世のためには、捨て石でも、捨て駒でも、地獄へ至ろうと決意したのです。つまり、多くの人の喜びのために、多くの人の救済のために、この身体、この生命を投げ捨てて殉じようと覚悟したのです」。「日本シャンバラ化計画(オウム真理教の国家転覆計画)が実現させられず申し訳ない」。

早川紀代秀 はやかわ・きよひで 元死刑囚
大阪府立大学大学院修士課程修了。SFや超常現象好み、阿含宗に入信後に、オウム真理教入信。坂本堤弁護士一家殺害事件に参加。上九一色村に第2サティアンを建設し、サリンプラント建設に関与。逮捕後に、麻原彰晃の様々な予言が外れ、保身を図る姿を見て、オウム真理教の信仰を捨てたとされています。

■麻原彰晃(松本智津夫)と洗脳、マインドコントロール
彼は子供の頃から、野心を持っていたように思えます。ただ、その動機のもとには劣等感があったでしょう。彼なりの理想を持ち、信仰に近い信念を持ち、だからこそ思い通りにいかない時には陰謀論さえ持ち込みました。

彼は、子供の頃から人心把握術に長けていました。彼には、カリスマ性がありました。自分に味方する子分を可愛がり、報酬を与え、従わない者には厳しく罰しました。普通なら遠慮してできないようなことを、彼はズバズバと実行しました。

彼は、部下や弟子たちにとっては冷たい人間ではありませんでした。怖いだけの人間に人は従いません。下の者の話を聞いたり、包容力を示すこともあったようです。

彼は、高邁な理想を語ります。言葉の表面だけなら、どの大会社の社長よりも、どの政治家よりも高い理想を語りました。日本全体を変え、世界を変える目標を、彼は明確に示しました。

これらの彼の態度は、マインドコントロールを成功させる土台となりました。

彼がその理想を実現させる方法を間違えなければ、成功したかどうかは別として、起業家や政治家を目指したことでしょう。あるいは、穏健な宗教家を目指したかもしれません。

しかし、彼は手段を選ばず、洗脳やマインドコントロールの手法を用いて、信者を支配し、多くの犯罪を起こしてしまったのです。

■6人の幹部たち
彼らがオウム真理教の幹部になったのには、複雑に絡むいくつもの理由があったことでしょう。ここでは、その中のほんのいくつかを考えたいと思います。

1 井上嘉浩元死刑囚の動機には、劣等感がありました。自分が得意とする身体的に苦しい修行に耐えれば、組織内トップの寵愛を受け、女性との関係という特権が得られる環境は、マインドコントロールの基礎となったでしょう。

また当初は破壊的カルトではなかった新興宗教に、性の問題が入り込んできたことによってカルトカしていく事例は、これまでも見られたことです。

2 遠藤誠一元死刑囚。理系の知識は豊富ながら、形而上学的な生命哲学や人生論には欠けていたアンバランスがあったのかもしれません。その隙間に、オウム真理教が入り込みました。

3 中川智正元死刑囚。真面目で優秀な医師。しかしだからこそ、現代社会の矛盾に頭を悩めますし、オウム真理教がそこに真実を示してくれたと思い込んでしまったのでしょう。

4 土谷正実元死刑囚。カルト宗教にハマる人は、不真面目な人ではありません。彼も、社会改革や自己成長を強く思っていたからこそ、オウムに騙されました。オウム心理教が、巧みに家庭から断絶させたことも、大きかったでしょう。家族が強制的にカルトから離れさせようとするのは、逆効果です。

5 新実智光元死刑囚。オカルト好きでした。雑誌でもテレビでも、オカルトや陰謀論はよく出てきます。しかしそれは、あくまでも「お遊び」です。たいていの人は、ただの面白い話で終わるのですが、オカルトを信じる心はカルト宗教を信じる心につながります。

6 早川紀代秀元死刑囚。彼はオウムの信仰を捨てています。その教理について論理的に考えた結果ではなく、教祖の不誠実さと、予言が外れた事実から、マインドコントロールが解けました。事実をしっかり見ることが、マインドコントロールと戦う武器になります。ただし、活動している最中には客観的に見ることができません。逮捕、入院など、強制的に教団の教えから離れることで真実が見えてきます。

■あなたもカルトのマインドコントロールに狙われている
あなたが、平和も家族も健康もまったく関心がなく、無責任な悪人なら、カルトによるマインドコントロールにはかかりにくいかもしれません。でも、このような記事に関心を示すような人なら、またご家族友人が真面目な善人なら、カルトはあなたや家族や友人を狙っています。

カルト団体は、最初は愛で包み(ラブ・シャワー)、教義を徹底して教え込み、高い目標を掲げ、信者達に人生の「答え」を示し、やりがいのある使命をあたえます。オウム信者達は、「教祖は、どんな疑問にも答えを出してくれる」と語っていたといいますが、これもカルトの常套手段です。既成の伝統宗教や思想を否定し、新しい「真理」を語ります(宗教学者や宗教哲学者から見れば、子供だましですが)。

カルト集団は、伝統団体の弱い部分をつきます。既成宗教が答えを明示しないものに、「答え」を示します。そして、その時々に現代人が求めているものを提供しようとします。しかし本当は、信者一人ひとりのことなど考えていません。

宗教団体が絡むと、話が複雑になります。オウム問題も、彼らが宗教団体を名乗っていなければ、もっと早く捜査の手が伸びたかもしれません。今も、学校や警察が、宗教の大切さを語りつつ(教育基本法9条、憲法20条)、同時に悪徳宗教の危険性を伝えるのには難しさがあります。

オウムは、洗脳やマインドコントロールの手法を学んでいたと言われています。私達も、予防のためにその手法を学び、破壊的カルトによるマインドコントロールと戦っていかなくてはなりません。

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碓井真史
新潟青陵大学教授(社会心理学)/ スクールカウンセラー

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。

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男性信者リンチ殺人事件

2018年07月13日 12時46分18秒 | 社会・文化・政治・経済
男性信者リンチ殺人事件とは、1994年7月10日に発生した殺人事件であり、オウム真理教による一連の事件の1つ。

概要
オウムではかねてから土谷正実らが毒ガスを製造していたが、1994年7月8日、山梨県上九一色村の第6サティアンの浴槽にイペリットが漏れ出し、信者が火傷のうえ意識不明になる事故が発生した。
すると村井秀夫はスパイの仕業であり、タンクローリーの担当者の中にスパイがいる可能性があるなどと言い出した。
麻原彰晃は「教団が毒ガス攻撃を受けている」という嘘を喧伝するため、緊急告知を掲示するとともに、林郁夫らによる薬物を使ったナルコチェックが行われ、信者がスパイかどうか調べられた。

ナルコチェックは完璧なものではないが、その結果タンクローリーで教団施設に水を運搬していた男性信者が疑われ、麻原の命令を受けた自治省メンバーの新実智光、杉本繁郎、中村昇、他1名らが尋問を行うこととなった。
男性信者は「体力テスト」の名目で第二サティアンに連れ込まれた。
新実は拷問の前に体力を落としておくため、ヒンズースクワットを300回行わせた。

その後、「バルドーの悟りのイニシエーション(疑似裁判で懺悔をするもの)」をやるからといって、男性信者を椅子に拘束した。
すると新実は突然「イペリットを入れたのはお前だろう」と脅迫、彼と杉本は男性信者の背中を竹刀で叩き、さらに杉本が足の指先すべてにまち針を刺し、新実がさらに押し込んだ。
これでも自白を得られなかったため、今度はガスバーナーで熱した火かき棒を背中に押し付けた。
中村は「早く言えば楽になるよ」と誘導した。
被害者は「ミラレパ正悟師(新実)は人の心が読めるはず…」と身の潔白を訴え続けたが、意識を失った。

麻原は第2サティアンのマイクロウェーブ焼却装置での殺害を指示し、新実も杉本らに「自白をしようがしまいが、どちらにしろポアだ」と麻原の指示を伝えた。
しかし、マイクロウェーブ焼却装置による殺害には抵抗があったようで、杉本によって絞殺された。
新実がマイクロウェーブを使わなかったことを報告すると、村井は「せっかくの機会を失った」と残念がったという。
遺体は指示通りマイクロウェーブで焼却され、残った骨は硝酸で溶解され川に捨てられた。
男性信者は教団から脱退したことにされた。
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再審決定 自白誘導による冤罪の構図

2018年07月13日 12時38分12秒 | 社会・文化・政治・経済
滋賀・日野町事件
再審決定 自白誘導による冤罪の構図 渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話
毎日新聞2018年7月12日 大阪朝刊
今回の再審開始決定では、密室取り調べで警察官の無意識の誘導も働いて秘密の暴露らしい虚偽供述をさせることさえできることを摘示して、虚偽自白による冤罪(えんざい)の構図をあきらかにしたことは画期的だ。自白があれば一応信用して有罪としたこれまでの裁判所の姿勢も批判し、検察側が元受刑者を犯人と考えなければ説明がつかない事実を証拠でしっかり固めない限り有罪にしないとする厳しい基準で、新旧の証拠を総合評価した点も評価できる。検察側の証拠隠しが冤罪の温床であることも示しており、裁判所が検察官に手持ち証拠の一覧表を開示させた運用は今後他の再審事件にも広がるだろう。
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日野町事件、再審開始決定

2018年07月13日 12時28分22秒 | 医科・歯科・介護
父信じ、長男30年越し喜び 
日野町事件の再審開始決定を受け、記者会見する阪原弘元受刑者の長男・弘次さん(右)=大津市で
中日新聞

日野町で酒店経営の女性=当時(69)=が殺害され、店の金庫が奪われた「日野町事件」で、強盗殺人罪で服役して病死した阪原弘元受刑者=死亡時(75)=の再審が十一日、大津地裁に認められた。
遺志を引き継いで再審を申し立てた長男の弘次さん(57)と弁護団は大津市内で会見し、それぞれの思いを語った。会見での主な発言は次の通り。

 弘次さん おかげさまで再審開始が認められた。三十年が過ぎた。再審請求をやめようという時期もあったが、各所からの「がんばろう」という声があって、この日を迎えることができた。決定文書をいただいて、最初は気が動転していたが、今は非常にうれしい。

 -決定のポイントは

 伊賀興一弁護団長 挙げるのが難しい構成。
新旧証拠を総合評価すると「犯人ではない疑いが生じる」と、いろんな論点で、ほぼもれなく論じている。再審が開始されたほかの事件のように、別人のDNA型が検出されたり、真犯人が現れたりしたのではないが、再審開始となった。

 -お母さん(阪原さんの妻)への報告は

 弘次さん 裁判所を出て、会見場となる弁護士会館に向かう途中に電話した。声が震えていたので、多分泣いていたと思う。「おまえらが頑張ってくれたから。ありがとう」と言っていた。

 -再審開始決定を受けて思い出した阪原さんの姿はあるか

 弘次さん 逮捕の前夜、「おまえらだけはやっていないと信用してくれ。父ちゃんは何もしてへんのや」と大泣きしながら言っていた。父の涙を見たのは多分初めてだったと思う。

 -墓前への報告は

 弘次さん あすかあさってかは分からないが、報告には行く。今は喜びをかみしめたい。

 (日野町事件取材班)

◆住民「警察は捜査しっかり」
 殺害された女性が酒店を営んでいた日野町だが、三十年以上前の事件を知る住民はすでに少なくなっている。事件を知る住民のうち、かつての酒店の近くに住む女性(62)は、嫁いで来た翌年に事件が起こったといい、「(酒店の)前の道を通るたび、『親切なおばちゃんやったな』と頭をよぎる」と振り返る。再審開始決定に「他に犯人がいるかもしれないと思うと怖い。警察はもっとしっかり捜査をするようにして、真犯人も見つけてほしい」と注文を付けた。

 一方、酒店の二軒隣で食料品店を営んでいた女性(86)は「他に犯人がいるとは思えない」と決定に疑問。各戸に電話がなく、酒店まで借りに行っていた時代。家に上がって酒などを振る舞われている阪原元受刑者を頻繁に見たというこの女性は「三十年以上もたって、いまさら(判決を)ひっくり返すのは難しいのでは」と語った。

◆西山美香さん駆け付け
阪原元受刑者の長女(左)と握手を交わす西山さん=大津地裁前で


 大津地裁前には、湖東記念病院(東近江市)で起きた人工呼吸器事件で殺人罪に問われ、昨年十二月に再審開始が認められた西山美香さん(38)も駆けつけた。

 午後二時半すぎに支援者の間に「出てきた」「走ってるぞ」と声が上がると、西山さんは人の波をかき分けるように弁護団の近くへ。
掲げられた「再審開始」の文字を見て手を大きくたたき、歯を見せて喜んだ。

 「こんなに小さい滋賀で二つも冤罪(えんざい)事件があるなんて、裁判所はどう思ってるのかなと思っていた」と西山さん。目頭を押さえながら「阪原さん家族には『良かったね、おめでとう、やっぱりお父さんはやってなかったんやね』と伝えたい」と語り、阪原元受刑者の家族や支援者と手を握りながら喜びを分かち合っていた。

◆正当な判断、高く評価
 <滋賀弁護士会・片山聡会長のコメント> 今回の裁判体が真摯(しんし)に審理を進め、正当な判断をしたことを高く評価する。
検察官は公益の代表者として、決定を謙虚に受け止めて即時抗告せず、再審公判において公正な裁判を実現すべきだ。
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呼吸法

2018年07月13日 10時49分14秒 | 社会・文化・政治・経済
呼吸法とは、呼吸(息)のしかた、またその技術体系やそれを用いた訓練法などのこと。
身体の機能を向上させることを目指すもの、心の働きを活発化させるもの、心の落ち着きをもたらすことを目指すもの、心身全体の調和をもたらすことを目指すもの、等々がある。
ヨーガのプラーナーヤーマに対するバンダや、仏教の禅、内丹術の武息・文息など、また気功においても、行法の基本となる重要なものである。
武道・格闘技・スポーツにもしばしば独特の呼吸(法)がある(空手道のサンチンなどの型やプロレス、長時間行われる長距離走など)。
声楽やボイストレーニングにおいても、良い歌唱を行うための歌唱法の体系の一部として重視されている。
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瞑想の実践

2018年07月13日 10時46分08秒 | 社会・文化・政治・経済
起業家、企業が続々と瞑想を実践するワケスティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、松下幸之助、稲盛和夫、井深大、等のトップ経営者が瞑想を習慣にしていることは有名。
イチロー、 マドンナ、クリント・イーストウッド、ヒラリー・クリントンなども。

瞑想(めいそう、英:Meditation)とは、心を静めて神に祈ったり、何かに心を集中させること、心を静めて無心になること、目を閉じて深く静かに思いをめぐらすことである。
この呼称は、単に心身の静寂を取り戻すために行うような比較的日常的なものから、絶対者(神)をありありと体感したり、究極の智慧を得るようなものまで、広い範囲に用いられる。
精神科医の安藤治は、現代的視点から瞑想研究を紹介する『瞑想の精神医学』で、「伝統的により高度な意識状態あるいはより高度な健康とされる状態を引き出すため、精神的プロセスを整えることを目的とする注意の意識的訓練のことであるが、現代においてはリラクセーションを目的としたり、ある種の心理的治療を目的として行われることもある。」と定義している。
「通常の意識状態、通常の健康よりも優れた」という価値の設定は、現在一般に認められている科学的世界観をはみ出しており、こういった価値付与を避けて、瞑想を「変性意識状態」として位置付ける見方もある。
瞑想の具体的効用として、感情の制御、集中力の向上、気分の改善等の日常的な事柄から、瞑想以外では到達不可能な深い自己洞察や対象認知、智慧の発現、さらには悟り・解脱の完成まで広く知られる。
宗教や宗派、あるいは瞑想道場により、瞑想対象や技術が異なる。
仏教における瞑想法では、人間の心が多層的な構造を持っていることを踏まえ意識の深層段階へと到達することを目的とした手法が組み立てられる場合がある。
キリスト教の伝統においては、特に修道院の修道士らの日課には瞑想を行う時間が設けられていることが多い。
信者にとって、俗世から離れたうえで、神への祈りを絶やさず瞑想に励む修道士は、1つの理想、憧れの姿でもある。
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読書は「心の栄養」

2018年07月13日 10時20分46秒 | 社会・文化・政治・経済
本の楽しみ方は無限大。
一人で読むと、本の中で自由に冒険することができる。
また、友達や家族と読むと、自分では気付かないなかった新しい発見もある。
本を対話をしながら、外国へ行ったり、時を越えたり、いろいろな経験をする。
大切な一冊と出会えれば、胸を揺さぶられる。
時には悩んでいる自分の道しるべともなってくれる。
本は、驚きや感動、憧れといったたくさんのドキドキやわくわくを教えてくれる。
自分の心が動かされたところを中心にして、なぜ?という疑問も起こる。
あるいは自分ならこうする、こんな体験があったよ、と物語の登場人物を重ね合せ対話もできる。
さらに、読書感想文を書くことで自分自身を見つめ、自分の良さにも気付くことができるだろう。
本を読んで、主人公や著者の考えから、生き方にふれるのもいいものだ。
何かしらかのヒントやきっかけが得られる。
登場人物たちは迷い、悩みながらも自分の夢や生き方について考えている。
自分と比べたり、重ね合わせたりして、読み、感じたことを感想文にしてみる。
本はどんな時代や世界にも連れて行ってくれる。
読書は豊かな人間性や考える力を育んでくれる。
人は誰でも夢を持っている。
自分だけの思い出の「心の玉手箱」を持っている。
生きていくことは「心の玉手箱」を豊かにしていくことだ。
読書は「夢のタイムマシン」
読書は「心の栄養」
考える力を身につけ、感性を磨き、想像力を豊かにする。
人生を切り開いていく力も育む。
読書は人の心を知ることにもつながる。
地域社会ともつながることになる。
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過労死は慣習行動の身体化

2018年07月13日 05時22分33秒 | 社会・文化・政治・経済
人は自分が属する業界の独特の慣習行動を身体化する。
社会学者ブルデュー

ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu、1930年8月1日 - 2002年1月23日)は、 フランスの社会学者。コレージュ・ド・フランス名誉教授。哲学から文学理論、社会学、 人類学まで研究分野は幅広い。著書『ディスタンクシオン』が有名。
兵役でアルジェリアに動員されたのを機に民族学,社会学の道に進む。
社会における階級的格差がいかに形成され、その構造が、いかに社会 において正当化されるかという事に注目する。
特に彼は教育という観点に注目し分析
主に教育と社会階級について分析。
単に裕福な家庭の子が進学で有利というだけでなく、文化資本(上品で正統とされる文化や教養や習慣等)の保有率が高い学生ほど高学歴であることを統計的に証明した。
またその子供も親の文化資本を相続し、同じく高学歴になることも統計的に証明した。彼はこれを文化的再生産と呼んだ。
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<警官制圧死映像>

2018年07月13日 05時00分26秒 | 社会・文化・政治・経済
「番組趣旨そぐわず」放送せずTBS判断
7/12(木) 21:20配信

TBS放送センター=東京都港区赤坂で、本社ヘリから松田嘉徳撮影
 ◇「番組のために許可された同行ロケで撮影」も理由に

 鹿児島市で2013年に男性会社員が警察官に取り押さえられて窒息死した事件の映像をTBSテレビの警察密着番組が撮影したのに放送しなかった問題で、同社は12日、毎日新聞の取材に応じ「番組のために許可された同行ロケで撮影された上、番組の趣旨にそぐわず使用に適さないと判断した」と説明した。

 TBSは「警察の違法行為が解明されないなら報道機関として看過できないが、捜査が行われ、警察官2人が有罪判決を受けた」ことも理由に挙げた。

 映像は県警が14年1月下旬に差し押さえ令状で撮影した制作会社から押収した。
TBSは「制作会社は警察に抗議したが、(TBSには)著作権がなく抗議しなかった」と説明。
1990年にTBSの番組で暴力団関係者が市民を脅す場面を放送し、映像を押収された際には警察に抗議して経緯を自ら公表しており、異なる対応となった。

 鈴木秀美・慶応大教授(メディア法)は「著作権がなくても企画にはTBSが関わっているはずで、抗議しない理由にはならない。報道機関なら押収された時点でニュースにし、事件映像を放送して抗議の意思を示すべきだった。警察密着番組を続けるための配慮だったと言われても仕方がない」と批判する。

 TBSはこれまで取材に対し「制作過程等はお答えしない」と文書で回答していた。
今回応じた理由について「対応に問題がなく公表の必要はないと判断したが、(報道機関から)問い合わせが増え、正確にお伝えすることにした」としている。【川名壮志、青島顕】
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創作欄 兄弟 2)

2018年07月13日 02時51分52秒 | 創作欄
2012年11 月15日 (木曜日)

競馬、パチンコなどと幸太は無縁であった。
父親の幸吉は「小金を貯めないと、金は貯まらないよ」と言っていた。
「小金?」幸太は父に聞き返した。
50歳を境に幸吉は酒を飲むのを止めた。
酒は定期検診で肝機能が低下していることを医者から指摘された。
幸吉の父親は肝臓を悪化させて、47歳で亡くなっている。
「親父のように死にたくない」と幸吉は酒を絶った。
そして煙草は息子の浩二が小児喘息であったので止めた。
タバコの煙によって炎症を起こした気道が、冷気など色々な刺激に対して過敏に反応してしまい、収縮することで喘息の発作が誘発される。
気道の炎症が慢性的に続いてしまうと、気道の壁が狭くなってしまい、どんな治療をしても気道が拡張しなくなってしまう。
幸吉は医者の説明と忠告を真摯に受け止めたのだ。
酒と煙草を止めた幸吉は、それまでの酒代、煙草代を貯蓄に回した。
煙草は37歳の時から吸わなくなったが、あっさりと止められたわけではない。
ニコチン中毒は薬物依存症の一つである。
幸吉はピースを好んで吸っていた。
だが、妻の鶴子が40歳の若さなのにクモ膜下出血で亡くなった時、そのショックから再び煙草を吸い始めた。
だが、それを1か月後に決心して断った。
妻の鶴子の死を自分の宿業と捉えてたのだ。
鶴子は山登りが好きであった。
女友だちと半年に1回くらいのペースで、山へ向かっていたが、幸吉は商売に専念していたので一度も妻の山登りに同行したことがなかった。 
幸吉は山に登ったつもりで、貯蓄に金を回した。
幸太は父親の話を聞いてから、自分も小金を貯める決意をした。
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創作欄 兄と弟 1)

2018年07月13日 02時49分55秒 | 医科・歯科・介護
2012年11 月15日 (木曜日)

結局のところ、人生をどのように生きるかである。
兄弟が2人なら、2人の違った人生がある。
長男である幸太は、父親のように商売の道を歩んだ。
次男である浩二は、農協に勤めていたが競馬をライフワークにした。
ネットを使って自らレースの予想をし、情報を発信していた。
どれくらいのファンがいるのだろうか?
冷やかしに聞いてみた。
「まあ、1000人といいたいけれど、100人くらいかな」
まんざらでもなそうに、浩二はネットの画面を兄に見せた。
画面には縫い繰る身の馬たちがユーモラスな姿で走っている様子が見えていた。
「“かわいいわね”」と言ってくれる女性ファンもいるんだ」
37歳となったが浩二はまだ独身である。
幸太は39歳で娘が4人いた。
娘は2人で十分と思ったが皮肉なもので、次は男の子と期待したのに生まれたのはまた女の子だった。
娘たちは叔父の幸太になついて、競馬場まで幼児のころから着いて行った。
商売人の幸太は、土日も休まず働き、月曜日を定休日としていた。
浩二は金曜日になると職場から一刻も早くと気がせくように自宅に戻り、競馬新聞やスポーツ新聞を並べて予想に没頭する。
過去の競馬のレースをビデオで見ていることもある。
その目は真剣であるというより、探るような目となっていた。
何度も繰り返しレースの内容を点検し、敗因や勝因を探っていく。
「オイ、浩二、それだけの情熱をもっと、健全な方面で発揮できないのか?」
兄として幸太が忠言した。
「健全?! 競馬はおれのライフワークなんだから、健全も不健全もあるものか!」
浩二は憤慨した。
幸太は舌打ちをして、弟の部屋を出た。
本棚は本好きであった母親の言わば遺品だった。
その本棚は、競馬関係の本や雑誌、ノート類ですべての棚が埋まっていた。
別の本棚には競馬のビデオテープがぎっしりと埋まっている。
40歳の春にクモ膜下出血で亡くなった母親の鶴子は、競馬にのめり込んでいる息子のことを心配していた。
鶴子の父親は競輪に狂って、家と田畑を失っていた。
このため勉強好きであったのに鶴子は、不本意にも中卒で働きに出た。
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事実は小説より奇なり

2018年07月13日 02時26分26秒 | 社会・文化・政治・経済
英国の詩人バイロンの言葉。
世の中の実際の出来事は、虚構である小説よりもかえって不思議である。
見る夢もまた奇なり
見る夢も実際の生活、これまでの人生経験では有り得ない世界を繰り広げるものだ。
「ああ、夢でよかった」と思い返す悪夢もある。
また、「残念、あれが現実であれば」と惜しまれる夢の世界もある。
さらに、「白日夢」もあるだろう。
夢は趣向を凝らして作られる小説よりも不思議な変化に富んでいて面白いものだ。

白日夢(はくじつむ)は、谷崎潤一郎の戯曲。
全4幕から成る。
歯科の治療を受けに来た青年が同じ患者の美しい令嬢を見るうち、麻酔の昏睡の中で白日夢を見る物語。
1926 年(大正15年)、雑誌『中央公論』9月号に掲載された。
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