13日(木).わが家に来てから今日で1016日目を迎え,ビール大手5社が12日に発表した1-6月のビール系飲料の課税済み出荷量が前年同期比1.3%減の1億9025万ケースとなり,上期としては5年連続で過去最低を更新した というニュースを見て ひと言コメントするモコタロです
たまには発泡酒や第三のビールでなく本物のビールが飲みたいって 誰か言ってた
昨日,夕食に「鮭のバター焼き」「マグロの山掛け」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」を作りました 「山掛け」には,マグロだけでなく色々な魚の刺身が入っています 山芋の擦り下ろしに埋もれて姿が見えませんが
第63回藝大オペラ定期公演「フィガロの結婚」のチケットを取りました.10月8日(日)午後2時から東京藝大奏楽堂で開かれます 私はこの公演を毎年聴いていますが,シンプルな舞台ですが十分楽しんでいます 廉価で水準の高いモーツアルトのオペラを聴きたい人にはお薦めします S席5,000円,バルコニー席4,000円です.聴いて後悔しません
昨夕,池袋の東京芸術劇場コンサートホールで読売日響第570回定期演奏会を聴きました プログラムは①ハイドン:歌劇「真の貞節」序曲,②同「ホルン協奏曲第1番」,③同:オラトリオ「トビアの帰還」序曲,④同「トランペット協奏曲変ホ長調」,⑤ベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」です ②のホルンと④のトランペット独奏はダヴィッド・ゲリエ,指揮は鈴木秀美です
鈴木秀美は1957年神戸生まれ.桐朋学園大学卒業後,オランダのデン・ハーグ音楽院に留学し,バロック・チェロの巨匠ビルスマに師事.フランス・ブリュッヘンの「18世紀オーケストラ」や,クイケンの「ラ・プティット・バンド」に在籍しました 帰国後は「バッハ・コレギウム・ジャパン」で首席チェロ奏者を務め,その後「オーケストラ・リベラ・クラシカ」を設立し音楽監督に就任,ハイドンなど古典派交響曲を中心とする演奏で高い評価を得ています
オケは左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります.コンマスは小森谷巧です
1曲目はハイドンの歌劇「真の貞節」序曲です この歌劇はハイドンが作曲した13曲のオペラの第8作目ですが,ヴェネツィアの劇作家ゴルドーニの戯曲をもとに全3幕の喜劇的なオペラとして1778年に作曲されました 3部構成から成りますが,前半の軽快な音楽が印象的です
2曲目はハイドンがエステルハージ公爵家の抱える宮廷楽団の副楽長の時,1762年に作曲された「ホルン協奏曲第1番」です 同楽団の第1ホルン奏者クノーブラオホや,のちにモーツアルトにホルン協奏曲を書かせたロイトゲープのために書かれた可能性が指摘されているようです
1984年フランス生まれ,ミュンヘン国際音楽コンクール・トランペット部門優勝者のダヴィッド・ゲリエがステージ中央にスタンバイします かなりガッチリした大男です ホルンとトランペットの両刀使いですが,最初は取りあえずホルンで勝負をかけます バックを務めるのは弦楽セクションとオーボエ2本のみです.第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「アレグロ」の3つの楽章から成ります
全曲を聴く限りハイドンらしい明るく明朗な曲ですが,ゲリエの演奏で印象的だったのは各楽章の終わりで演奏されるカデンツァです 高音から低音まで恵まれた身体を駆使して余裕で吹いていました
3曲目はハイドンが1771年にウィーンで創設された音楽芸術家協会に入会する目的で作曲したオラトリオ「トビアの帰還」の序曲です 旧約聖書外典と呼ばれる「アポクリファ」を題材とし,台本はボッケリーニの兄が書いたと言われています 6分程度の短い曲ですが,劇的な曲想に,ちょうどこの時期のハイドンの交響曲に使われた「疾風怒濤」という言葉が頭に浮かびました
4曲目は,ゲリエがトランペットを持って登場し,ハイドン「トランペット協奏曲」を演奏します この曲は1796年に,ウィーンの宮廷トランペット奏者アントン・ヴァイディンガーのために作曲されました 彼は伝統的なナチュラル・トランペットでは不可能な半音が出せる有鍵トランペットを発明した重要人物です
この曲は第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「フィナーレ:アレグロ」の3つの楽章から成ります この曲でも,ゲリエはホルンと同様,恵まれた身体を駆使して楽勝気味に高音から低音まで,鮮やかに演奏しました ゲリエの快演を支えたのは鈴木秀美の指揮によるメリハリの利いた軽快なテンポ感の演奏です
特別にソロ・アンコール曲を用意していなかったらしいゲリエは,今演奏したばかりのトランペット協奏曲の第2楽章を演奏し,再度拍手喝さいを浴びました
休憩後はベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」です オーケストラの楽員が増員されオケが拡大します.この曲は,数年前にテレビ・ドラマ「のだめカンタービレ」でテーマ・ミュージックとして使用され,にわかクラシック・ファンを掘り起こすなど一世を風靡しました
この曲は1813年1月に完成しました.この曲の大きな特徴は,音楽の3要素=リズム,メロディー,ハーモニーのうち「リズム」を動機として各楽章を統一していることです 第1楽章「ポーコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ」,第2楽章「アレグレット」,第3楽章「プレスト」,第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4つの楽章から成ります
第1楽章が主和音の強い総奏で開始され,オーボエがテーマを奏でます 次いでフルートとオーボエがリズムを刻みますが,オーボエ首席の蠣崎耕三とフルート首席のフリスト・ドブリノヴの演奏は特筆に値します 第2楽章は葬送行進曲風の音楽ですが,このメロディーは素晴らしい 確か,この曲の初演の時にアンコールされたのではなかったか? 第3交響曲”英雄”の第2楽章「葬送行進曲/アダージョ・アッサイ」に匹敵する素晴らしさです 第3楽章「プレスト」はスケルツォ的な性格を持っています.第4楽章はワーグナーが「舞踏の神格化」と呼んだ”リズムの饗宴”です これほどエキサイティングな曲も多くはないでしょう 私はこの終楽章のフィナーレが大好きで,ヴァイオリン・セクションや管楽器が主メロディーを奏でる背景で,コントラバスとチェロがうねるような通奏低音を響かせるところは何とも言えない興奮を覚えます 今回の鈴木秀美+読響の演奏は,まさにその通奏低音を強調した,私にとっては理想の演奏でした 鈴木秀美のベートーヴェンは凄くいい と思った瞬間でした
実は,この日の同じ時間帯に すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ」があり,同オケでのデビュー当時から応援しているヴァイオリン奏者・松崎千鶴さんが出演することになっていたので,そちらに行ってワンコイン・パーティーにも参加したかったのですが,読響定期と重なってしまい行けませんでした 新日本フィルは15日(土)の定期公演,8月12日の「『新世界より』レクチャーコンサート」を聴きに行くので,そこで元気な姿を拝見したいと思います
ホルンのマウスピースはトランペットより少し小さめ。にもかかわらず、ホルンのベルはトランペットどころかトロンボーンよりも大きいのです。本当にホルンって変な楽器です。
ダヴィッド・ゲリエさんはほぼ完ぺきな演奏。そして音楽性も豊かだと思いました。そして最後の部分では重音奏法で2つの音を同時に出していましたね。
これは30年くらい前にヘルマン・バウマンの演奏を上野で聴いて以来です。(シューマンの曲に同じ奏法があるそうですが、シューマンを生で聞いた限りは分かりませんでした。)
演奏家の中にはこのような手品師みたいな方がいます。ハインツ・ホリガーやリコーダーのミカラ・ペトリなど。
ペトリさんはリコーダーを口から離したあとでも音が鳴り続けてまして、どうなってんの?と今でも不思議です。
トランペット協奏曲はウィーンフィルのハンス・ペーター・シューさんの演奏に比べても格段に上手でした。これまたほぼ完ぺきな演奏。
ホルンとトランペットでは唇の振動が全く異なります。「ホルン吹きはトランペットは吹けない。その逆も同じ。」と思っていたのが、あっさり覆りました。
読響の演奏も素晴らしかったですね。
きれいな響きはベルリンフィルを上回る演奏だったと思います。
金管楽器にお詳しいですね.ビックリしました!
手品師みたいと言えば,その昔東京文化会館で聴いたフルートのランパルの演奏を思い出しました.現代曲でしたが,本当に一人で吹いているのか?と思うほど重音奏法が見事で,どういう頭の構造を持っているんだろう?と不思議に思いました