人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

鶴見俊輔著「限界芸術論」を読む/英国のEU離脱問題、EUユースオーケストラのゆくえに影響も

2016年06月21日 08時01分01秒 | 日記

21日(火)。昨日はコンサートも映画もない平穏な一日でした。たまにはこういう日もないと身体が持ちません ということで、わが家に来てから632日目を迎え、白ウサちゃんの気を引こうと芸能ネタを耳打ちするモコタロです

 

          

           モコ:指原が連覇してさぁ 白ウサ:ユビハラがどうしたって? 

 

  閑話休題  

 

昨日、夕食に「豚肉の生姜焼き」と「生野菜サラダ」を作りました あとは「男前豆腐の食べるラー油乗せ」です

 

          

 

食べようとしたとき、娘がウイスキーのボトルを出して、

「昨日は父の日だったので、本当は昨夕渡そうとしたんだけど、パフュームのコンサートを聴きに行って帰りが遅くなってしまったので、今プレゼントするね

と言って「DARK  BATCH」というカナダ産の高級ウィスキーをプレゼントしてくれました アマゾン・ネットで高い評価を得ているウィスキーを選んだと言っていました 娘と二人でオン・ザ・ロックで飲んでみましたが、確かにマイルドで美味しいウィスキーでした 親としては、そんなことに気を遣ってくれるよりも、早く就職してほしいというのが本音ですが、せっかくの好意なので、口には出せませんでした 一方、息子は土曜日も日曜日も大学に通っていて帰りが遅く、昨夕も帰りが深夜になってしまったので、残念ながら仲間には入れませんでした みんなが好きな「We 好きー」なのに残念です

 

          

 

  も一度、閑話休題   

 

昨日の日経朝刊の国際面のコラム「地球回覧」は「英楽団騒動 混迷EUの鏡」という見出しを掲げて、英国のEU離脱騒動が音楽界にも影響を及ぼしていることを報じています。超訳すると

「英ロンドンにEUを象徴するような楽団がある。EUユース・オーケストラだ 40年にわたり活動してきたが、EU離脱を巡る国民投票を控える中で、活動資金の廃止通告が出された 背景には文化支援の効率化を図るEUの政策変更がある。このオーケストラは毎年オーディションで選ばれる16~26歳のメンバー約120人から成るが、EU加盟全28か国の出身者が揃っている。国籍も育った文化も様々な若者がEUの旗の下に集い、旋律を奏でる 『多様性の中の統合』をモットーとするEUを体現してきた。ベルリン・フィルの首席指揮者サイモン・ラトルらがEUに方針転換を要求し、世界中の音楽家や楽団のOB、聴衆らによる楽団存続への支援の輪が広がった あまりの反響の大きさにEUのユンケル欧州委員長は5月末、一転して支援継続を探るよう事務方に指示し、土壇場で廃止を免れた

1つの国が、所属する共同体から離脱するかどうかという問題は、政治・経済面に限らず、音楽をはじめとする文化面にも波及することを表した端的な例だと思います 英国のEU離脱を巡る国民投票は2日後の23日に実施されますが、果たしてどういう結果になるのか? 個人的にも無関心ではいられないテーマです

 

  最後の、閑話休題  

 

鶴見俊輔著「限界芸術論」(ちくま学芸文庫)を読み終わりました 鶴見俊輔は1922年 東京生まれ。1942年、ハーヴァード大学哲学科卒。46年に丸山真男らと「思想の科学」を創刊。65年には小田実らとべ平連を結成・・・・と、日本の思想・言論界で常に第一線で活躍してきた偉人です 昨年93歳で他界しました

 

          

 

まず最初に「限界芸術」とは何か、ということですが、「芸術と生活の境界に位置する広大な領域、専門的芸術家によるのではなく、非専門的芸術家によって作られ大衆によって享受される芸術」のことを言うのだそうです 別の言葉でいえば「サブカルチャー」と言えるでしょう

鶴見氏の関心領域は、民謡、漫才・落語、漫画・落書き、時代劇映画にまで及びますが、明治25年に絵入り日刊新聞「万朝報」を創刊した黒岩涙香(くろいわ・りゅうか)に相当のページを割いています

「万朝報」は涙香翻訳による探偵小説・裁判小説・法廷小説、涙香脚色によるスキャンダル記事によって明治の新聞界の王座にのし上がったと言われています 新聞は芸術ではなく非専門的な芸術家によって様々なテーマを取り上げている意味では「限界芸術」の最たるものなのでしょう

1894年、日清戦争の頃の新聞発行部数は次の通りだったといいます

万朝報     5万部

東京朝日新聞  2万5千部

報知新聞    1万5千部

東京日日新聞  1万5千部

読売新聞    1万2千部

中央新聞    1万部

いかに「万朝報」がダントツに売れていたかが分かります 私は大学時代「新聞学科」に在籍していたので、黒岩涙香と万朝報の名前は「日本新聞史」の授業で教わりました。懐かしい思いで90ページに及ぶ「黒岩涙香」の項を読みました

一種のサブカルチャー論として読むべき本ですが、細かな字で埋まった460ページを読みこなすのは相当の努力が必要です サブカルチャーに興味のある方にお薦めしておきます

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