明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(719)今こそ広島・長崎原爆を問いなおそう!・・・講演会とキャンドルビジルに参加します。

2013年08月01日 07時57分51秒 | 明日に向けて(701)~(800)

守田です。(20130801 08:00)

8月になりました。私たちは今月6日と9日に、広島・長崎に原爆が投下されてから68年目の日を迎えます。
原爆投下は一般市民を無差別に殺戮し、戦争が終わっても長きにわたって人々を苦し続けてきている許しがたい戦争犯罪です。アメリカはただの一度もこの戦争犯罪を謝罪したことはありません。そればかりかアメリカは朝鮮、ベトナム、アフガン、イラクと無差別殺戮である空襲を繰り返してきました。
にもかかわらず、戦前に「鬼畜米英を倒せ」と国民・住民を戦争に追い立てた日本政府は、戦後、ただの一度も無差別殺戮であった原爆投下にも、沖縄戦にも、都市空襲にも抗議したこともありません。「右翼」を自称する人々など、私たちの国を蹂躙したアメリカの核の力を賞賛し続けてきました。そのどこが「愛国」なのでしょう?
僕はそういうありかたこそ「自虐史観」に浸りきったものだと考え続けてきました。もちろん戦前の日本帝国主義のアジア侵略もまた許しがたき行為であり徹底した反省と賠償が今なお必要です。しかしアメリカの度重なる虐殺もまったくもって許されない行為です。いつか必ずアメリカに謝罪をさせなくてはいけない。それはアメリカの民衆のためでもあります。

にもかかわらず、私たちの国はアメリカに対し、本当に自虐的で、情けなくなるような媚びへつらいを続けてきました。今も沖縄の多くの土地を米軍に占領されたままで、差別的な地位協定も残されたままです。
その中でも最も深刻なものが、原爆の被害の実装を、日本政府が、核戦略を維持するアメリカ政府のいいなりになって隠そうとし続けてきたことでした。日本政府はアメリカの強い意図のもとに、原爆によって汚染された大地からの内部被曝による被害隠しに長年にわたって手を貸してきたのです。
とくにアメリカと日本政府の行いの中でも悪辣だったのは、放射線の影響を大変、過小に評価し、次々と現れてくる健康被害のほとんどを認めないことでした。そのことで誰よりもヒバクシャの方たちが塗炭の苦しみを経なければなりませんでした。ヒバクシャは長い間、何らの援助も受けられない状態が続き、今なお、十全な扱いを受けていません。
そればかりか、政府の歪んだ施策のもとで、ヒバクシャ差別が横行し、多くのヒバクシャが自らの被害を隠して生きざるを得ないような状態も生まれました。

このことは世界のヒバクシャにも影響していきました。原爆投下に先立って、ウラン鉱山で働かされたネイティブ・アメリカン(インディアン)の人たち、原爆実験に動員されたアメリカの「アトミック・ソルジャー」たち。ビキニをはじめ核実験場にされた太平洋の島々の人びと。旧ソ連、中国、イギリス、フランスの核実験場にされた地域の人びと。
劣化ウラン弾の被害にさらされた人びと。核保有国でしばしばおこった核兵器製造工場の事故で被害にあった人びと。そしてスリーマイル島、チェルノブイリ、フクシマをはじめとした原発災害で被曝した人びと。その全てが、広島・長崎での被害が非常に小さく見積もられたことの影響を受け、被害を認定されず、悶絶の苦しみを味わわなければなりませんでした。
それだけではありません。度重なる核実験は、地球上に膨大な放射能を降らしてしまいました。日本のどこでも、いや世界のどこでも、精度の高い機器で測れば必ず核実験由来の放射能が観測されます。それが私たちの身体を長年にわたって蝕んできたのです。
例えばみなさんの周りにはガンで苦しんでいる方、亡くなった方はおられないでしょうか。ほとんど、自分の周りを含めてガンに無関係な方はいないでしょう。そのガンの原因の幾ばくかが核実験由来であることは間違いありません。その意味で私たちは誰もがすでにヒバクしてきているのです。

アメリカと日本の政府は、こんなにも人々に苦しみを強制してきた核戦略を維持するために、広島・長崎の内部被曝を隠したのでした。今、言われている放射線の許容値も、広島・長崎での被害を隠した上で作らたものにほかなりません。しかも私たちの国ではそのでたらめな基準すらが守られていない。放射線管理区域に今なお人が住んでいるのです!
こんな状況が許されて良いはずがない。こんなにもひどく、酷く、残酷な仕打ちが続けられて良いはずがありません。私たちはこの負の歴史の連鎖を断ち切らなくてはいけない!そのためにまさに今こそ、広島・長崎に立ち返らなくてはいけません。広島・長崎からこそ、ヒバク被害を見つめ直し、捉え直し、真の放射線防護を進めなくてはなりません。
そのために今、放射能で失われたすべての命を再度、思い、弔い、哀悼の意を捧げることから新たな歩みをはじめようではありませんか。福島3号機が不安定化し、いつまた原子力災害に襲いかかられるかも分からない、この状況の中にあってこそ、すべてのヒバクシャの苦しみ、嘆き、痛みを我がものとしようではありませんか。
8月6日、9日、みなさんが、それぞれの地域で、厳粛な思いでこの日を迎えられ、一緒になって手を合わせられることを訴えます。

そもそも原子力発電は、原爆の製造のために作られた装置です。しかも原爆製造のためにはウランの濃縮という技術が必要であり、そのための工場の運用が膨大なコストがかかるために、軍事部門だけではまかないきれないがために商業用に転嫁されて作られたきたものにほかなりません。
しかも1950年代、世界中で高まった核実験反対、核武装反対の声に対抗するための、「原子力の平和利用」の切り札として原発開発が急がれたのであり、アメリカはそれを世界に浸透させる最大の突破口として日本をターゲットにしたのでした。なぜか。ヒバク国日本が原発を始めることが、「平和キャンペーン」の格好の材料になったからです。
このとき日本の中で、原発推進の旗振り役になったのが、戦前に各地に慰安所を設立した中曽根康弘元首相でした。これと組んだのが読売新聞でした。ああ、もうこんな歴史のつながりを本当に断たなくてはいけない。こんな理不尽な連鎖を許してはおけません。
みなさん。この夏、本当にもう一度、原爆とはなんであったのかを問い直しましょう。そしてそこから原発再稼働や輸出、そして憲法9条改悪へと進みつつある安倍政権との対決に立ち上がりましょう。すべてのヒバクシャの思いを背負って、ともに歩まれることを訴えます。

以下、僕が参加する2つの企画をご紹介します。

*******

8月3日京都市

京都「被爆2世・3世の会」学習企画
原発・内部被曝問題を考える
~ 守田敏也さんを囲んで ~

■日時  2013年8月3日(土)13:30~16:00(予定)
■会場   ラボール京都(京都労働者総合会館)6階北会議室
(中京区四条御前)
■お話し 守田敏也さん
フリーライター
市民と科学者の内部被曝問題研究会理事

いよいよ梅雨本番の時期を迎えましたがいかがお過ごしでしょうか。
 
福島の被災地と福島の人々は今、どうなっているのか?
どうしなければならないのか?
福島の人々のためにも、私たち被爆2世・3世は何をしなければならないのか、何ができるのか?
核被害を根絶する社会実現に向け、私たちは何をどうとりくんでいくか?
内部被曝問題について今、多くの発信をし、多方面で活躍されているフリーライター・守田敏也さんを迎えてお話しをいただき、学習し、一緒に考えていきましょう。
守田さんは原発による内部被曝問題だけでなく、広島市にある放射線影響研究所の訪問や被爆者の実態調査なども行われ、広島・長崎の原爆による内部被曝の影響についても見識を深めておられます。
幅広い視野からのお話をしていただけるものと期待しています。
学習会終了後、懇親会も予定したいと思います。ご都合の良い方、ぜひご参加下さい。

会員以外の参加も可能です!

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8月6日京都市

放射能で失われたすべての命のために
8月6日(火) キャンドルビジル
 
みなさま。8月6日は広島原爆投下の日です。
 
私たちはこの日の夕刻に、三条大橋の上に集って、すべてのヒバクシャを追悼するキャンドルビジルを行います。同時に安倍政権の進める原発再稼働や輸出、憲法9条改悪の道にNOの声をあげたいと思います。どうかご参加ください。
 
参院選挙が終わりました。自民党の「圧勝」だそうです。本当にそうでしょうか。
そんなことはないと私たちは思います。この国の選挙制度は歪んでいる。その上、事前からマスコミで自公圧勝の大合唱。そんなことで私たちが「負け」を感じる必要などありません。
これで「ねじれ」の解消だとか言われていますが、国会ではともあれ、自公政府と民衆の間のねじれは何ら解消されていません。自民党が背を向ける脱原発と改憲反対が多数派なのです。「ねじれ」はむしろより強烈になりました。
にもかかわらず、安倍政権は、多くの人々が反対してる原発再稼働と、憲法9条改悪の道を進もうとしています。このことにNOの声を上げましょう。
 
戦前、日本は軍国主義の道を走り、無謀な侵略戦争に人々が駆り出されました。その最後に、アメリカが原爆を広島と長崎に投下しました。この後、私たちの国には戦争の道を戒める憲法9条が生まれました。
 
しかしアメリカべったりの歴代の自民党政府は、アメリカの非人道的な原爆投下に抗議をせず、核軍拡戦略を支持し、沖縄をはじめ日本中で米軍に基地を貸し続けました。
また原爆製造の副産物である原子力発電をアメリカの示唆のもとに導入し、国中を危険にさらしました。福島原発もアメリカで欠陥が指摘されていたGE社のマーク1型原発を使い、2011年3月11日の大地震で崩壊し、大変な量の放射能汚染を生み出してしまいました。
 
被爆国日本で、原発事故が止められなかったのは痛恨です。しかし私たちはこれを期に覚醒しました。国会には一時期20万人もの人が再稼働反対の声をあげて押し寄せ、毎週金曜日には日本中で150箇所にも及ぶ電力会社包囲デモが行われています。
もちろんこれらの人々は核兵器と戦争にも反対しています。ここにこそ本当の民衆の意志があります。
 
8月6日、今一度、広島・長崎の苦しみに思いを馳せましょう。それだけでなく、ウラン鉱の採掘や、劣化ウラン弾、原発事故の影響などで苦しんできたすべてのヒバクシャの痛みに思いを馳せましょう。
そして原発いやだ!憲法9条を守ろうの声を一緒にあげましょう!ビジルにご参加ください!
 
*****
 
キャンドルビジル
【日時】 2013年8月6日(火)19:00~20:00
【場所】 京都・三条大橋周辺
【主催】 ピースウォーク京都 http://pwkyoto.com
【問合】 090-3704-3640
 
ビジル【vigil】とは
 ・・・「寝ずの番」「夜伽(よとぎ)」「お通夜」などの意。
キャンドルを灯し、亡くなった方たちに思いをはせる集い。
 街に立って、意志表示することにも使います。
 
☆ヒバクシャ追悼、原発再稼働や憲法9条改悪反対など思い思いのメッセージボードとキャンドルをお持ちください。
☆もちろんこちらでも用意します。準備できない方は手ぶらでもどうぞ!
☆雨天の場合は中止です!
 

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1 コメント

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心だけでも参加します。 (みき)
2013-08-01 22:51:33
記事をありがとうございます。
両方とも本当は参加したい企画です。
でも、遠くから、心を寄せて、想いをはせています。
想いは皆さんと同じです。

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