明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2408)被爆・被曝と立ち向かってこそ、核兵器も原発も無くせる!『被爆二世健康調査アンケート結果報告書』と三田医師講演会(5月12日)にご注目を

2024年05月10日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20240510 23:00)

被爆・被曝と立ち向かうために

福島原発事故から13年が経つ中で、日本政府は無謀な原発推進策へと舵を切り、老朽原発の無理やりの再稼働を進めつつあります。
これと立ち向かう上で、一番大事なことは、放射線被曝が人体に及ぼす危険極まりない影響をきちんとつかむことにあります。

実はこのシンプルな行いが、アメリカを中心とする軍事大国や国際原子力マフィアが推し進める、核戦略と対決する最も重要な道です。
なぜならいまの「放射線防護学」は、広島・長崎で原爆による大量虐殺行ったアメリカ軍が、排他的な「調査」のもとに、被爆・被曝影響を限りなく軽く見積もって作成したものだからです。

なぜアメリカはそんなことをしたのか。大量虐殺を行い、被災者と次世代の未来をも残酷に蹂躙した罪を小さく見せるためです。そのもとでアメリカは核兵器を増強しました。軍需産業の大儲けのためでもありました。
被爆・被曝影響が隠されてきたのはこのため。その下で核発電も行われてきました。だからこれとの対決の核心は、隠された被爆・被曝影響を明らかにしていくことにあります。


原爆の被害隠しを明らかにしたNHKスペシャルより 必見の番組です
「原爆初動調査 隠された真実」 - NHKスペシャル - NHK 


こんな思いから調査を始めました

そうした活動の一環として、京都「被爆二世・三世の会」より『被爆二世健康調査アンケート結果報告書』をリリースしました。ぜひ入手していただきたいです。

『被爆二世・三世健康調査アンケート結果報告書』
ダウンロード申し込みフォーム
https://forms.gle/UdeTXoGjschrT7cN9
冊子版申し込みフォーム
https://forms.gle/24hHZXjvKUbhfTzf9

 

このアンケート健康調査を、私たちがどんな思いで行ってきたのかも記しておきます。
私たちは、様々な体験から「親たちの被曝影響が遺伝してきている」との強い思いを持ってきました。しかしこれまで政府も国際機関も遺伝を認めておらず、被爆者運動の中でも、あまり積極的な調査がなされてきたとはいえませんでした。

そんな中で福島原発事故が起こり、たくさんの人々が被曝しましたが、政府もマスコミも被曝影響について、ほとんど取り上げることなく今日まで来ています。被害がまるまる隠されています。
さらに政府に近い人々は、新聞の政府広報(20140817)で「被曝による遺伝的影響など心配する必要はない。広島・長崎を見るといい。遺伝の話など全く起きていない」などと言わんばかりの宣伝すら行ってきました。

これに私たちは心の底からの怒りを感じました。被爆二世の多くがこのことをあまり話題にしてこなかった理由の一つに、親たちの気持ちをおもんばかる思いがあったからです。
しかし私たちは、「もはやここにとどまらず遺伝の影響を明らかにしていこう」と、2015年にアンケート調査に踏み切り、その結果を2016年3月に会のHPに載せました。

2015年 被爆二世健康実態調査 中間報告
2015jittaichosachukanhoukoku.pdf (aogiri2-3.jp)



調査をバーションアップ

ところがこの作業を通じて私たちは、自分たちが思っていた以上の影響が現れていることを知りました。それで私たちは、調査をレベルアップすることにしました。
ちょうどその頃、「神奈川県原爆被災者の会・二世三世支部」副支部長の森川聖詩さんが、自らの体験を、勇気をもって綴った書、『核なき未来へ~被爆二世からのメッセージ』(2018)を出版されました。勇気あるカムアウトでした。

私たちはこれに感動するとともに、この書を手引きにした新アンケート作成を考えました。森川さんの身体に起こったことを列挙し、「同じような体験はありませんか」と問いかけたのです。自由筆記欄もたくさん設けました。
それで2020年4月から調査を始め、2024年1月に報告書を作り上げることができました。ぜひお読み下さい。英訳も進めています。映画『オッペンハイマー』の世界的にヒットなども追い風として、世界への拡散も目指します。

被爆の問題は、差別の問題と一体の関係があります。被爆者は差別されてきました。それは障害者差別、病弱者差別ともくっついています。差別を許さないことが大事なのですが、往々にして差別を避けようとすることが、問題隠しにもつながってしまいがち。
だからこそ当事者から声を出さすことが大事だと考え、私たちはこの調査を進めてきました。ぜひ活用して頂きたいです。


森川さんの著とアンケート用紙 2020chosa.pdf (aogiri2-3.jp)


三田医師講演会(5月12日日曜日)にご参加・ご視聴を

すでに何度か報じましたが、この報告と新ヒバクシャの被曝の大きな類似性について、岡山在住の三田茂医師をお招きしてお話を聞きすることになりました。
明後日5月12日日曜日午後2時半からです。1時半から行う京都「被爆二世・三世の会」年次総会にてです。総会からでも講演会からでも、どなたでもご参加いただけます。参加費無料です。会場で『報告書』もお配りします。

申し込みフォーム
https://forms.gle/6sN6kL1e2muc3vKh7
facebookイベントページ
https://fb.me/e/yOvxRUPLD

チラシを以下から入手できます。
https://toshikyoto.com/wp-content/uploads/96c7980cf92d7a680a8107d730a94c37.pdf

報告書や三田さんの講演などを通じ、みなさんと被爆・被曝問題への認識を深めたいです。ぜひお読み下さい。ご参加、ご視聴下さい。

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