あそび支援隊第5弾 活動レポート

7月9日~10日、「あそび支援隊 第5弾」として宮城県を訪れました。

活動の概要を、日本グッド・トイ委員会 事務局の高橋が報告します。



今回の目的は、県内2箇所へのおもちゃセット寄贈と、おもちゃの広場の実施。

積み木の収集に多大な協力をくださった、パルシステム生協の担当者2名も同行いただきました。

7月の東北は、深緑の山々に青や紫のアジサイが彩りを添え、美しく力強い風景が広がっていました。






宮城県気仙沼市 春圃苑

気仙沼市内の特別養護老人ホームへ「福祉文化セット」を寄贈。

入居者、デイサービス利用者の皆さんと一緒に、おもちゃやゲームを楽しみました。

「福祉文化セット」には、手や指の運動を促したり、コミュニケーションを豊かにするおもちゃが沢山つまっています。











デイサービス利用中に津波で自宅を流され、帰る場所を失い、今は仮設住宅から通っている方。

介護施設を襲った津波にのまれるも、危険を承知で飛び込んだ職員に助けられ、九死に一生を得た方。

友人を津波で亡くし、「もう海水浴はしたくない。海中で目が合いそうだから」と言う方。



遊びを通じてお話するうちに、お年寄り達から語られる、この4ヶ月間の出来事。

全てを失った方々に、私がかけられる言葉はありませんでした。

せめて、おもちゃを掛け橋に、心に溜めこんだ気持ちを発散してもらえれば…。






宮城県気仙沼市 仙翁寺

支援隊の第一陣、第二陣が訪れた仙翁寺へ、3度目の訪問。

一時は300人以上が身を寄せた私設避難所だったこのお寺も、今は平時の姿に戻っています。

今回は住職さんの協力により、おもちゃの広場の開催が再び実現。ここで避難生活を送った子ども達を中心に、約40組が遊びに来てくれました。











ここで展開したおもちゃセット3箱はこの後、近隣の大谷学童クラブへと寄贈しました。



避難生活を見守ってきた、仙翁寺の住職さんはこう語ります。

「避難生活中は、中高生が小さな子の面倒を見たり、他学年の子どもが一緒になって遊んだり、異年齢の子どもの和が自然と形成されていた。今ではすっかり元通りに戻ったと思っていたが、今日は特別なのか、またこうして一緒になって遊んでいる。3ヶ月間の避難生活とあそび支援隊の援助は、彼らにとっては強烈に印象的な体験だったのだと思う。」


震災がもたらした、束の間の異年齢コミュニティー。

日常を取り戻して表層的な記憶は薄れても、こうして思い起こす機会があるのなら。

活動を継続していく意味を感じる、貴重なお話でした。






総括、そして次の活動へ

仙翁寺での広場終了後、帰り際の事。


「今日は泊まってかないの?」

「なんで帰るの?あした遊ばないの?」


そう声をかけてきた男の子がいました。

『この小さな惜別の言葉を、支援者へと届けられるのは、自分しかいないんだな。』

私が今そこにいる意義を、深く、深く再認識しました。






そして、私たちの次なる活動は、8月16日~17日の実施が決まった移動おもちゃ美術館「気仙沼 木育キャラバン」へと続きます。

詳しくは続報をお待ちください。


高橋聡太
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
お疲れさまでした (ただじゅん)
2011-07-24 13:44:20
第1回目は寒さに震えたあそび支援隊も、今回は猛暑で暑いなかの行動になりました。
大変お疲れさまでした。
帰京後のあそび支援隊実行隊は体験を語りひろげ、被災者とつなぐことが大事ですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
また一緒に子どもたちにあいに行きましょう。
 
 
 
お疲れ様でした (スタッフ高橋)
2011-07-24 21:55:52
ただじゅん様、今回の活動では大変お世話になり、ありがとうございました。東北地方へ来たとは思えない、とろけそうな暑さでしたね。
支援隊として、引き続きご登場いただく機会が多々ある事と思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 
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