ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

怒れる為政者

2017年08月16日 | 社会・政治

  最近、米国政府は北朝鮮への先制攻撃が政策オプションの一つであることを公言するようになりました。
 まして、グアムに北がミサイルを発射すれば、それを理由に北を攻撃することは不可避であるように感じます。
 ていうか、もはや米国は開戦を決意し、良い口実を探しているのでは、とさえ勘ぐりたくなります。


 思えば10年以上、北のミサイル発射実験や核開発に対し、米国をはじめとする各国は、経済制裁を繰り返してきました。
 しかし、経済制裁は奏功せず、北のミサイル能力はいよいよ高まってしまいました。

 米国にしてみれば、これ以上待てない、というのが本音ではないでしょうか?

 これ以上時間を与えたら、北は核弾頭を搭載したミサイルを米国本土に撃ち込む能力を持ってしまいます。
 そうなる前に、北の核施設、ミサイル施設を破壊しなければ取り返しがつかなくなると考えても不思議ではありません。

 米国はわが国と異なり、第二次大戦後、主なものだけでも、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争と、年がら年中戦争をしており、戦争に対するハードルが低い国だというのも、不安材料です。


 もし米国と北が戦うということになれば、米国は金委員長を逮捕もしくは殺害し、北朝鮮の現体制を崩壊させるまで戦い続けるでしょう。
 かつて大日本帝国や、フセインのイラクに対してやったように。

 もちろん、米国は北と戦う前に、中国やロシアに介入しないよう確約を取る必要があります。

 また、わが国や韓国にも、協力を取り付けようとするでしょう。

 その時、わが国はどうすれば良いのでしょうね。

 もし北と米国が本気で戦えば、北は、米軍基地があり、米国と同盟国であるわが国や韓国に対し、ミサイルを多数撃ってくるでしょう。
 そうなれば、わが国も韓国も無傷ではいられません。
 もし北が米国戦を始めたと同時に、東京や大阪などの大都市圏を狙ってミサイルを発射したらと思うとぞっとします。
 ていうか、ほぼ間違いなく発射するだろうと予想します。
 東京もソウルも火の海になりかねません。


 そうなったら、わが国は戦争当事国であり、犠牲は想像を絶するものになるでしょう。

 さらに、仮に北が破れて体制が崩壊したならば、朝鮮半島には統一韓国が生まれるのか、南北それぞれに親米政権が生まれるのかは分かりませんが、難民がわが国に多数押し寄せ、さらには被害を受けた朝鮮半島への援助も必要になるでしょう。

 しかもそれが起こるのは、何年後というスパンではなく、何か月後という単位で考えるべきものと思います。

 米国から協力を求められた時、わが国が拒絶し、中立を保つというオプションがあり得るでしょうか?
 あり得るわけがありません。
 わが国が中立を宣言しようが、現にわが国は米国に守られているわけですから、北は容赦なくわが国を攻撃するでしょう。

 悪夢のようなシナリオを描いてみました。
 しかしこれは、荒唐無稽な話ではなく、現実に起こりうることだと思います。

 米国はある他国を叩き潰そうと決意した場合、必ず実行するし、その時になって外交だの対話だのと言ってみたところで、虚しいかぎりです。

 わが国にとって悩ましいのは、なにしろ北が近いことです。
 米国はおそらく、わが国の国民や韓国国民に犠牲がでても仕方ない、それよりも長期的に北の体制を維持させるほうが危険だと、思っているでしょう。

 しかし、実際に死傷者がでるであろうわが国や韓国にとっては、大変な事態です。

 自国の防衛を自ら担うことをせず、米国に頼ってきたツケが、ついに回ってくるのかと、暗澹たる気持ちになります。

 この私の予想が、杞憂に終われば本当に良いと思います。
 
 脅しあいを続けながら、決してドンパチは始めない。
 もちろん、互いの利益になるのは、ドンパチを始めないことであるのは自明です。

 互いが、怒れる為政者を装いつつ、じつは冷静でいてくれると良いのですが。

 
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