ブログ うつと酒と小説な日々 その上しょっちゅうホラー映画  

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさん(とびお)の日記

6月31日の同窓会

2016年07月25日 | 文学

 昨日は読書などしてゆっくりと過ごしました。
 読んだのは、「6月31日の同窓会」です。

6月31日の同窓会
真梨 幸子
実業之日本社

 もちろん、暦上、6月31日という日は存在しません。

 神奈川県の某市にある私立の名門女子校。
 この学校には、6月31日の同窓会の通知が来ると、お仕置きされる、という噂があります。
 89期生で28歳になるOGたちに、次々とその通知が届き、実際に死んでしまう者が多数出ます。
 じつによく人が死にます。

 怯えるOGたち。

 高校時代の思い出と、28歳の現在を交差しながら描き、そこそこ読ませます。

 しかし残念ながら、印象は安っぽいホラー仕立ての少女小説の域を出ていません。

 お気楽に楽しめましたが、もう少し重たい物を読んでみたくなりました。


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悪母

2016年07月24日 | 文学

 昨夜は焼酎のロックをちびちびやりながら、サスペンス小説を読みました。

 帯には、最恐サスペンスと謳っていましたが、それほど恐くはなかったですね。

 春口裕子の「悪母」です。

悪母
春口 裕子
実業之日本社

 平たく言えば、ママ友同士の人間関係のゆがみを描いたものですが、LINEやらフェイスブックやらツイッターやらのSNSを駆使して嫌いなママ友を攻撃したり、一人だけLINEから外したり、なんだか陰湿なんですなぁ。

 ママどころかパパですらない私には感情移入しにくいストーリーでしたが、一気に読んだということは、それなりに面白かったんでしょうね。

 古今東西、女同士というのは問題が絶えないようです。

 私も就職して25年、女性同士の関係性には苦労しています。
 対立するグループの双方から悪口を吹き込まれたり。

 幸い私は男なので、そういうのからは常に中立でいられはしますが。

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ルームメイト

2016年07月23日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は震え上がるようなサスペンスを鑑賞しました。

 「ルームメイト」です。



 北川景子演じるハルミは、ある晩、交通事故にあい、入院してしまいます。
 入院先の看護師、深田恭子演じるレイコと仲良くなり、二人はルームシェアをすることに。
 楽しく二人で生活する二人。
 しかし時折、レイコは人が変わったような乱暴な口を聞いたりするようになります。

 そして近所で飼われていたチワワが迷子になるのですが、なんとレイコがチワワを殺害して茹でていたのです。

 混乱するハルミ。

 一方、事故の加害者である青年、工藤とハルミは急接近。
 ハルミは工藤にレイコのことを相談します。
 工藤は多重人格を疑います。

 ある晩、派手な化粧をしていかがわしい店に出入りするレイコに出会ったハルミは、レイコの口から、「レイコ、レイコってそんなにレイコが大事なの?でも私はマリよ」と、決定的な告白を聞かされます。

 マリはさらに残忍な行為に及ぶことになります。

 ここから先はネタバレになりますが、レイコもマリも実際には存在しません。
 じつはハルミが一番目の人格、レイコが二番目の人格、マリは三番目の人格なのです。
 つまりは全てがハルミの一人芝居。

 優しいレイコと残忍なマリを演じ分ける深田恭子の怪演が見事です。

 ラスト近く、北川景子と深田恭子が二重写しのように一体化していき、怖ろしい殺人が繰り広げられる場面は圧巻です。

 さらに、虐待にあっている少女が、同じような多重人格の兆候を見せるに及び、虐待及びそれに伴う多重人格の問題は続いていくのだなと、妙な余韻を残します。

 最初は凡作かと思いましたが、次々と仕掛けられた罠やクスグリが加速度をつけて疾走していくのは、本当に恐ろしい。


 まずまずの出来かと思います。

ルームメイト [DVD]
北川景子,深田恭子
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)




ルームメイト [Blu-ray]
北川景子,深田恭子,高良健吾,田口トモロヲ
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)


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ふらふら

2016年07月23日 | 仕事

 一昨日、木曜日は八重洲の貸し会議室で一日会議でした。
 ひどく疲れました。

 で、その後、枢要なメンバーと飲みに行ってしまい、結局三次会まで行って、終電で帰るはめになりました。
 酒も過ぎてしまい、昨日はぐったり。
 それでも、飲んだ翌日はいつもより10分早く出勤すべし、という古い教育を受けている私は、これを忠実に守って早めに出勤しましたが、使い物にならず、だらだらと一日を過ごしました。

 今朝はすっきり目覚めました。
 久しぶりにDVDでホラー映画でも楽しみたいと思います。


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ハッピー

2016年07月20日 | その他

  月に一度通院を続けている精神科の医師の口癖は、ハッピー感を感じられているか、というものです。
 幸福感ではなくハッピー感なのは、軽い感じを出したいからでしょうか。

 サラリーマンで精神科を受診している人の多くは、仕事や職場のストレスにさらされた人がほとんどでしょうから、仕事でハッピー感を感じている人はほとんどいないでしょう。

 仕事以外に、例えば家族や友人との団欒であるとか、趣味であるとか、日常のちょっとしたことにハッピー感を感じられているかが、その人の精神の健康具合を診るのに適しているのだろうと思います。

 とかく若いうちは、立身出世して大儲けしたいとか、スポーツ選手になって大活躍したいとか、学者や芸術家として成功したいなど、大それた野望をもって、小さなハッピー感など馬鹿にするものです。
 私自身がそうでした。

 しかし仕事や職場の人間関係に疲れ、長い精神障害に苦しんだ後であってみれば、精神科医が言うハッピー感の重要さが身に沁みます。

 私であれば、旨い物を食い、旨い酒を飲みながら同居人や古い友人と語り合うことや、映画や小説などで虚構の世界に遊ぶこと、街歩きを楽しむことなどが、ハッピー感を強く感じられる場面です。
 私にとって、これらに浸る時間は、まさしくハッピーとしか言いようがない感情を覚えることが出来る、至福の時と言えましょう。

 精神が健康になったせいか、さらに新しいことをやってみたいと思うようになりました。

 今興味を持っているのは、詩吟と居合。
 どちらもわが国伝統の物。

 元々私はバタ臭い物が大嫌いで、和風なものが大好き。
 週末には着物を着て街歩きを楽しむことを常としています。

 どちらが鶏でどちらが卵なのか知りませんが、私の外貌もまた、きわめて和風なようです。
 同居人からは、よく、外人離れした顔、などと言われます。

 ただ、和風好みの私にとって、決定的な欠陥があります。

 正座が苦手なのです。

 すぐしびれちゃって、立てなくなるのです。
 だらしないことに。

 で、詩吟と居合に興味を持ってはいますが、一歩を踏み出すことが出来ません。
 百歩譲って、詩吟は椅子に座ってでも出来るのでしょうが、居合の道場で胡坐をかくわけにはいきますまい。
 そしておそらく、道場に座布団はありますまい。
 板の間に正座なんて、考えただけで冷や汗が出てきます。

 居合は体を動かすし、詩吟は大きな声を出すし、両方とも背筋が伸びそうだしと、健康に良さそうで、益々ハッピーになれそうですが、正座を考えると、ちょっとねぇ。


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煎酒(いりざけ)

2016年07月20日 | その他

 最近、煎酒にはまっています。
  但し、アルコール飲料ではありません。 


 ブラタモリでタモリが、「鯛の刺身にはわさび醤油より煎酒が合うんだよな」と言いながら旨そうに食っていたのを見たのがきっかけです。

 煎酒とは、日本酒に梅干しと花がつおをいれ、ことことと煮詰めた調味料で、 かつお節の旨味、梅干しの酸味と塩けが生魚や野菜の味を引き立てることから、江戸時代の食卓では欠かせない調味料として広く使われていたものです。
 鰹節の旨みがギュッと濃縮されたところに梅干しの酸味とほどよい塩気が加わって、醤油よりも穏やかでさっぱりした風味。
 味加減のことを塩梅(あんばい)と書くように、梅の酸味と塩分が絶妙なバランスです。

煎酒(いりざけ) 大 煎り酒
銀座・三河屋
銀座・三河屋

 

煎酒(いりざけ) 小
銀座三河屋
銀座三河屋



 醤油よりも古く、鯛やヒラメなどの白身魚の刺身、イカの刺身、豆腐などによく合います。
 醤油をつけると醤油の味が前面に出ますが、煎酒だと、魚本来の旨味を引き出してくれます。
 
 私は毎朝の納豆や卵かけごはんにも使っています。

 優れものの煎酒ですが、なぜかマグロなんかには合いません。
 マグロは脂が多いからかもしれませんね。
 脂が少ない赤身にも、煎酒は合わず、わさび醤油のほうが合うようです。

 いり酒を 鍋にのまれて 叱られる

 江戸時代の川柳です。
 おそらく自宅で煎酒を造っていたのでしょう。
 酒を煮詰めすぎて蒸発してしまった様を表しているように思います。

 なんだか微笑ましいですねぇ。

 醤油の普及とともに廃れてしまったようですが、こんな旨い調味料、復活させない手はありますまい。
 スーパーなどで見ることはほとんどありませんが、今はアマゾンなどのネット通販でも購入できます。

 出来れば鯛、旨い鯛が手に入らなければイカの刺身でも良いですから、是非煎酒をご賞味あれ。

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やる気なし男

2016年07月19日 | 仕事

   今日も暑いですねぇ。
 こう暑いと勤労意欲も失せるというものです。

 もっとも私の場合、暑かろうが寒かろうが快適だろうが、一年中勤労意欲なんてありはしませんが。

 就職して25年目。
 働くことの意味を考え続けてきましたが、結局生活の糧を得ると言うこと以外、何もみつかりません。
 一日の大半を過ごす職場での日々を、もう少し充実させることができれば嬉しいのですが、仕事=嫌なこと、という刷り込みがなされているようで、なかなかうまくいきません。

 己の不明を恥じるばかりです。
 それでも、やる気なし男のまま、働かなければならないとはしんどいことです。

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ソファ

2016年07月18日 | その他

 さすがに海の日だけあって、今日はよく晴れて暑いですねぇ。

 外を歩くのは無理なので、幕張にある巨大な家具屋、東京インテリアを歩き回りました。
 冷やかすだけのつもりが、安価で、しかもリクライニングできる小型のソファが気に入り、沈思黙考の末、購入しました。

 私はアパートで一人暮らしをしていた時も、新婚時代の一年半をすごした官舎の時も、90平米の4LDKのマンションを購入してからも、ソファは買わず、ずっと座椅子ですごしてきました。

 ソファは圧迫感があると思いましたので。

 しかし、40代後半に差し掛かり、椅子のほうが楽だろうなと思うようになった矢先、家具屋でまさしく一目ぼれしてしまうような、座り心地の良いソファに出会うにおよび、座椅子生活からの脱却を決意したというわけです。

 取り寄せ品ということで、届くのは7月31日の日曜日。
 今から楽しみです。

 こうやって、少しずつ、年齢に合わせた生活に変わっていくのでしょうね。
 そのうち風呂やトイレに手すりをつけたり、電動でリクライニングするベッドを購入したりするのでしょうか。

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観音

2016年07月17日 | 美術

 昨日は上野の東京藝術大学美術館に出かけました。
 観音の里の祈りと暮らし展を観るためです。



 会場は観音、観音、如来、如来、といった趣き。

 長浜市の観音や仏像を集めた展覧会です。

 長浜はお土地柄、戦乱の絶えた試しがありません。
 焼失したお寺やお堂は数知れず。
 そのたびに、農民らが仏像を土に埋めたり池に沈めたりして守ってきたそうです。

 国宝やら重要文化財やらはほとんどありませんが、農民たちの切ないばかりの祈りや信仰が感じられて、必ずしも文化的価値が高くない仏像群は、深く私の心を打ちました。

 一時間ばかりかけて如来や観音像を堪能した後、美術館内にあるホテル・オークラのレストランで昼食。

 その後上野公園をそぞろ歩きました。
 不忍池では、間近に鵜を観ることが出来ました。



 蓮も咲いていました。


 

 ボート遊びを楽しむ善男善女も数多く。


 
 わが国は今のところ平和なようです。

 この平和が続くよう、観音に祈りましょうか。


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上皇

2016年07月14日 | 社会・政治

  今上陛下が退位したい旨の発言をされていると聞きました。
 そりゃそうだろうと思います。
 死ぬまで働けというのは酷というものです。

 まして、過去、退位して上皇や法皇にお就きあそばされた帝はあまたいらっしゃいます。
 伝統を重んじるなら、何の問題もありますまい。

 皇室典範の改正とやらが必要らしいですが、なるべく早く改正して、早く上皇となっていただきたいと強く願います。
 あのお年まで現役ではさぞかししんどいでしょうから。

 そして退位後は、和歌や蹴鞠など、雅な遊びをして過ごされたらいかがかと思います。
 京都御所にお帰りになるのも良いでしょう。

 なんといっても皇族には京都が似合います。
 東京にいるのがむしろ不思議なくらいです。

 いっそ東京という名前も改名したらどうかと思います。
 東の京なんてねぇ。
 なんだ癪に障る名前です。

 江戸都で結構だと思いますが。

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嫌になっちゃった

2016年07月12日 | 精神障害

 今朝はどうにかこうにか出勤したものの、なんだか不安で仕方ありませんでした。
 一日、働けはしたので、これを続けたいと思っています。

 明日は都内某所で外部資金獲得のための勉強会。
 
 あぁ、嫌になります。 

 

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眠り過ぎ

2016年07月11日 | 精神障害

 今朝、どういうわけか起き上がることが出来ず、午後3時ちかくまで眠ってしまいました。
 職場に休む旨の電話をかけた時以外、ひたすら眠っていました。

 うつ状態になると眠れなくなる人が多いようですが、逆に過眠に陥る人もいて、私もその一人です。

 このところ、軽いうつ状態が続いていたことは確かで、今朝それがどっと出たものと分析しています。

 明日が正念場です。
 続けて休むとそのままズルズルいっていまう可能性があります。

 明日、元気じゃなくても、落ち込んでいても、出勤できると良いですねぇ。  

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純平、考え直せ

2016年07月10日 | 文学

 昨日は雨に閉じ込められましたが、今日は暑さに閉じ込められました。
 私は夏が一番嫌いです。
 不快な季節がやってきましたねぇ。

 今日も読書をしてすごしました。
 奥田英朗の「純平、考え直せ」を一気に読みました。

純平、考え直せ (光文社文庫)
奥田 英朗
光文社

 文庫本で300ページほどですが、ページをめくる手が止められないほど、抜群に面白いエンターテイメントでした。

 坂本純平は21歳、歌舞伎町を闊歩する下っ端ヤクザ。
 歌舞伎町では、水商売のおねぃさんやオカマ、ホストにいたるまで、気の良い若者ということでマスコットのように扱われる人気者でもあります。
 格好良い兄貴分に心酔して、何かと兄貴分の真似をしたがります。

 ある時、親分から鉄砲玉を頼まれ、純平は躊躇することなくそれを引き受けます。
 娑婆で3日間、豪遊しろと、親分と兄貴分から数十万円をもらいます。
 三日後の明け方、敵対する組の幹部を撃ち殺す予定です。

 純平は新宿プリンスホテルのスウィートルームに宿泊し、焼肉を食ったり鮨を食ったり。

 で、三日間の間に不思議な出会いをいくつも経験します。
 インチキ通販でオペレーターをする同い年のアバズレや、売り専門のオカマの青年、錦糸町でテキヤをやっている青年、果ては元大学教授で、真面目な生活に疲れてアウトローを目指しているという老人に師匠扱いされたり。

 普通の青春とは全く異なる青春劇が繰り広げられます。

 さらにはアバズレが携帯サイトに純平の掲示板を立て、掲示板では鉄砲玉をやめさせろとか、逆にがんがんやれといった応援メッセージとか、様々な書き込みがなされます。

 ラストはほろ苦いものですが、純平の未来を考えずにはいられないような、力強い余韻を持ったものに仕上がっています。

 普通に大学を卒業して勤め人になった私には、うかがい知ることが出来ないヤクザの青春。
 ヤクザの実態は知りませんが、こういうヤクザなら、一度やってみたい思わせるような、素敵な小説です。
 懲役はいやですが。

 世にヤクザ映画が流行るのもうなづけます。

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浮世の画家

2016年07月09日 | 文学

  雨の土曜日。
 昼寝をしたり読書をしたりして、静かに過ごしました。

 読んだのは、日系英国人作家、カズオ・イシグロの「浮世の画家」
 1940年代後半の日本を舞台にした物語です。

 主人公は、老いた画家。
 戦前戦中、この画家は日本精神を鼓舞する画風で、たいへんな名声を得ました。
 しかし戦争が終るや、彼のかつての功績は、むしろ軍国主義に迎合したものとみなされるようになるのです。

 老いた画家に独り語りの手法で、物語は進みます。

 戦後の現在が語られたり、修行時代が語られたり、栄光の時代が語られたり、さかんに話が飛ぶので、少々読むのに難儀します。

 老いた画家は、晩年に到ってかつての名声を失いながら、その時々で信念に基づいて行動したことだと、過去を反省する様子は見られません。

 ラストに到って、かつての同志が亡くなり、彼は若々しいサラリーマンたちの明るい笑顔を見ながら、新しい時代は祝福されたものになるだろうと、微笑むのです。

 この独り語りの技法はかなり曲者です。
 事実は事実として描かれず、必ず老画家のフィルターを通して語られるのですから。
 読者はそれに戸惑いながらも、時代に翻弄された一個の老人の魂の遍歴を垣間見るのです。

 精緻な描写と構成は見事ですが、なんだか戦後日本を描いたものではないような感覚に陥ります。
 もっと普遍的な、あるいは世界のどこにも存在しえない架空の町のような。

 読後感は不思議なものです。
 私が日本人だからなのかもしれませんが、日本画家の物語という感じがしません。
 この不思議な余韻、しばらく悩まされそうです。

浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)
飛田 茂雄
早川書房


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9条私見

2016年07月08日 | 社会・政治

  俳優の石田某なる人物が、都知事選挙への立候補を検討しているのだとか。
 かつて、「不倫は文化だ」という名(迷)言?を吐いた人物。

 ニュースでは、先の国会で一部の人々が戦争法案と呼んだ法案に反対するデモに参加し、スピーチをする石田某の姿が映し出されていました。
 そして石田某は、この国がおかしな方向に向かっている時に黙っていられるか、みたいな威勢のいい発言を、にやけた笑顔で語っていました。

 戦争法案絶対反対、9条守れ、戦争したい安倍はヤメロ。

 空虚なスローガンが飛び交っていました。

 都知事よりも国政を目指すべきだと思いますが、それはまぁ良いでしょう。

 私がかねてより不思議なのは、安倍首相や自民党が、戦争したいと思っているようなスローガン。
 そんなはずありますまい。
 現代の先進国の政治家は、何よりも損することを嫌います。
 戦争ほど損することはありませんから、そんなことを望んでいるのだとしたら、それは狂人とさえ言えるでしょう。

 また、9条守れ、というスローガン。
 9条は生まれた時と現在ではまるで改憲が行われたかのごとく、解釈の変更が繰り返され、実質的に改憲は成っています。
 現在の9条解釈を守れと言いたいのか、先祖返りして施行当初の解釈に戻れと言いたいのか、よく分かりません。

 現在の政府解釈を守れという意味なら、戦争法案と決めつけた法案も支持すべきでしょう。
 昔の解釈に戻れと言うなら、自衛隊は全廃しなければならず、それは事実上不可能でしょう。

 また、戦争が出来る国になる、という危惧を口にする人を見かけます。
 これも不思議です。
 占領されていた7年間を除き、わが国が戦争が出来ない国であったことは一度もありません。
 当然、今現在も、やむを得ざる事態が出来すれば、自衛隊は武器を取ることになるし、そうでなければ国民は不安で仕方ありません。

 私としては、改憲などしなくても、実質的に改憲されたのと同じ状態がすでに現出していますから、改憲してもしなくても大した変りはないと思っています。

 ただ、わが国は法治国家を標榜しているので、憲法は分かりやすくしたほうが良いでしょうね。
 法律と実態が乖離していたのでは、国民の倫理観にも悪影響を及ぼすでしょうから。

 9条は1項と2項から成っています。
 以下に記します。

 1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 素直に読めば、わが国は戦力を持たず、戦争もしない、と読めます。

 しかし、上の条文は、巧みに自衛のための戦力の保持と自衛戦争を認めていると解釈できるように作られています。
 まず、「国際紛争を解決する手段としては」交戦権を放棄するということ。
 裏を返せば、自衛のための交戦権は認めるということになります。
 次に、「前項の目的を達するため」戦力は保持せず、交戦権は認めないということ。
 つまり前項の目的を達するためでなければ、戦力も保持できるし、交戦権も認められるということ
 前項の目的とは、国際紛争を解決する手段としての交戦権なので、自衛のためなら戦力も保持できるし交戦権も認められるということ。

 これが現在の政府の9条解釈であり、核兵器の保持ですら、自衛のためなら認められると解釈されています。

 しかし私は、これは欺瞞もしくは屁理屈であろうと思っています。
 いかにも苦しい解釈に感じます。

 一般庶民が読んだら、そういう解釈はしないでしょう。
 単純に、日本は戦力を持たず、戦争はしないんだなと、思うでしょう。
 そして一抹の不安を覚えるでしょう。
 ではどうやって平和を守るのだろうかと。


 従って、自衛隊は違憲だと考えています。
 違憲ならば、解決する手段は2つしかありません。

 憲法を改正するか、自衛隊を全廃するかです。

 で、どう考えても自衛隊の全廃はあり得ないと思います。
 それはあんまり危なっかしいというものです。
 いざという時の備えである、消防や警察を全廃するのと同じようなものです。
 備えあれば憂い無しと言いますからねぇ。


 私は単純に、1項はそのままで、2項だけ改めればよいと思っています。
 2項を、但し、自衛のための戦力は保持する、と代えれば良いのです。
  現に世界でも有数の軍事力を、わが国はすでに保有しているのですから。 

 但し、これだけのことで国論が2分し、大騒動になるのなら、法治国家たることを止める覚悟で、解釈改憲を永遠に続けるのもありかと思っています。
 それが一番手っ取り早いですから。

 こんな記事を書いていてなんですが、私はこの手の論争は見るのも嫌なほど辟易しています。
 現実を語る立場の人と、夢を語る人が罵り合いのようなことをしたって、落としどころは見つかるはずがありません。
 
 現実の世の中は、所詮やったもん勝ち、強いもん勝ち。
 国同士の関係といえども、つまるところ、ヤクザの抗争や子供の喧嘩と変わりありません。

 私としても夢を語る人々の側に与したいという思いはヤマヤマです。
 そっちのほうが正論だと思いますから。

 しかし、愚かな人間の真実は、強力な軍事力や経済力を持たなければ、自ら立つことが出来ないことを明示しているように思うのです。
 第一次大戦後に成立した、パリ不戦条約がいともたやすく破られた歴史を直視すれば。

 

 

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